儲かる農業には法則があった! シンクタンクが農業会計ビッグデータをAI分析、研究成果を発信

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儲かる農業には法則があった! シンクタンクが農業会計ビッグデータをAI分析、研究成果を発信

儲かる農業には法則があった! シンクタンクが農業会計ビッグデータをAI分析、研究成果を発信
最終更新日:2021年05月26日

農業は儲からないと思われがちですが、高利益を上げている農業者は決して少なくありません。その農業経営の手法をデータで裏付けて広く農業者の利益創造に貢献しようと、農業会計ソフト最大手のソリマチが立ち上がりました。全国約10万件の農業会計を支える同社の『農業簿記』のビッグデータを基に、農業経営シンクタンクの農業利益創造研究所が分析・研究。2021年5月24日に情報サイトを公開しました。同研究所理事長の平石武さんに、独自の研究成果と情報サイトの活用法を伺いました。

農業会計のビッグデータを分析、利益創造の気づきを発信

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あらゆる業種で業務改善や経営判断にビッグデータの活用が重視されています。不確実な要素が多く、儲からないイメージが先行する農業経営でも、ビッグデータを活用することができれば利益創造のヒントが見えてくるのではないでしょうか。

農業経営のビッグデータを分析・研究して情報を発信するために、農業経営シンクタンクの一般社団法人農業利益創造研究所が、2020年4月に設立されました。データを提供するのは、農業会計ソフトのトップメーカー ソリマチ株式会社です。

同社が開発・販売する農業専用会計ソフト『農業簿記11』はユーザー約4万件のベストセラー。全国のJAの記帳代行システムとしても運用され、トータルのユーザー数は約10万件。日本各地の農家の会計を支えています。

『農業簿記』シリーズは創業以来のベストセラー商品です

今回、ソリマチの農業簿記ユーザーの個人情報を除くビッグデータを農業利益創造研究所がAIを活用して統計分析。農業経済・経営学の専門家である九州大学大学院農学研究院の南石晃明教授をアドバイザーとして利益が高い農業経営の研究を進め、その成果を発信する情報サイトが2021年5月24日に公開されました。

「利益創造の仕組みをつくり、農業経営の気づきを発信していきたい」と同研究所理事長の平石武さんは情報サイトの目的を話します。農業会計ビッグデータは何を明らかにするのか、どう活用できるのでしょうか。

儲かる農業経営のパターンが明らかに

今回、2019年度の農業簿記データをAIで分析すると、類似点から稲作農家は4つのグループに分類され、そのうち世帯農業所得が平均値より高いグループが2つありました。

最も高いグループでは交付金の収入割合が高く、稲・麦・大豆の作付面積が他グループに比べ非常に広くなっていました。

作付面積の比較。麦は他グループ平均の約5.5倍。大豆は約4.5倍です

次に高い別のグループでは、コメ以外の麦や大豆などの転作作物や野菜の販売金額が多く、さらに販売金額に対する労務費や販売費の比率が平均値よりも高いことから、栽培作目や販路の多角化に取り組んでいることが推察されます。

収入の内訳比較。コメ以外の作物の販売額が多いことが分かります

これらの分析結果から、必要な部分に適切に経費をかけ、作付面積や栽培作目の拡大を図ることで所得の増加を達成していることが分かりました。

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「農業経営にはいろいろな考え方があり、一般的にこうすればいいという手法もあります。それをデータで実証することで農業者が一歩前へ踏み出すことを後押しできるのではないでしょうか」と平石さん。これまで経験則や口伝でやってきたことも、ビッグデータで裏付けされれば汎用性が高まります。高利益を生む法則が解き明かされれば、新たな発見もあるでしょう。

農業利益創造研究所理事長の平石武さん

平石さんの兄もまた稲作農家。新潟県長岡市で大規模法人化して35年、赤字経営は一度もありません。米は100%直接販売、加工品で6次産業化、人づくりに力を入れて従業員教育を充実させるなど、農業経営の手法に利益創造の秘訣がありそうです。

このようなビッグデータ分析に基づく興味深いコラムが、農業利益創造研究所の情報サイトに掲載されています。

高所得農家の統計値と簿記データを分析、経営判断や指導に生かす

「生のデータを分析した情報を得られるのは、他にはない当サイトの特徴です」と平石さん。農業者に馴染みのある農業簿記の勘定科目や確定申告の項目をデータとして投入しているので経営をイメージしやすく、経営判断に生かせる情報やアドバイスをサイトから得ることができます。

また全国各地のデータから情報を得ることで、JAをはじめ農業団体でも地域農業の指導や振興に生かすことができます。農業関係企業では経営支援ツールや商品開発での活用も期待できます。

今回、ソリマチ農業簿記を使用する全国の稲作専業農家の所得データをAIで分析。サラリーマン世帯の平均所得と比較したコラムを掲載しています。その結果、30代、40代の若い世代と60代以降で稲作専業農家のほうが高所得であることがわかりました。これで農業は儲からないというイメージが覆されたのではないでしょうか。

年代別の世帯所得比較。専業稲作農家では体力のある若い世代で所得があがる傾向にあります

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「農業はやり方次第で儲かることをデータで示して、新規就農希望者の後押しをしたいですね」と平石さんは思いを語ります。

農業利益創造研究所では、農業会計データの数値に加えて、南石教授のフィールド調査・研究、全国で農業指導にあたる農業経営支援研究所の木下徹さんの知見、全国のソリマチ営業社員からの定性データもリソースとした情報を発信。高所得農家へのインタビュー記事なども随時掲載される予定です。

参加型の情報サイトで、日本の農業の発展を一緒に考える

現在、農業利益創造研究所では、2019年度の稲作農家の簿記データをリソースとした情報を公開していますが、今後は2020年度のデータ分析により、稲作だけでなく、野菜、果樹、畜産に拡大して情報を発信していきます。

「ソリマチは会計を通じて農業の効率化・合理化を追求してきました。今後さらに儲かる農業に貢献したいという思いがあります。農業者が経営マインドを持ち、サイトを通じて情報を共有し、利益創造をみんなで考えて日本の農業の発展に繋げていきたいです」と平石さんは展望を語ります。

無料のメンバー登録を行うと、コラムの閲覧のほか、各種統計表を確認したり、簿記データの各種項目から自分の経営の位置づけがわかる全国ランキングを利用したりすることができます。年1度、農業の発展に貢献する提案を募ってオンラインフォーラムが開催され、年間の農業王を表彰するなど、参加型のサイトを目指しています。

応募詳細はHP上で随時更新予定です

情報は農業に欠かせない経営資源の一つ。日本最大の農業会計ビッグデータ分析に基づいた情報と利益創造の気づきが得られる場として、農業利益創造研究所の情報サイトは要チェックです。

お問い合せ

一般社団法人 農業利益創造研究所
〒141-0022 東京都品川区東五反田3-18-6
TEL.03-5420-2205 FAX.03-5475-5353

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