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収量130%UP!? 収量増加・高品質のキュウリを作る秘訣は「自然」をお手本にした”土づくり”と”ミネラル栽培”

収量130%UP!? 収量増加・高品質のキュウリを作る秘訣は「自然」をお手本にした”土づくり”と”ミネラル栽培”

“いのちは食にあり”。福島県西会津町の生産者はミネラルを豊富に含む農作物を作ることでそれを実践しています。自然に倣った土づくりと徹底した灌水・地温管理によって作られる野菜はいのちを育み、健康、長寿へと導きます。離農が進む地域の農業を守るため、そして高品質な農作物を作るために立ち上がった一人の青年が今回の主人公。これからの農業を見据えた効率化・省力化への取り組みとともに、農産物に付加価値をつける「ミネラル栽培」の魅力を紹介します。

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高品質作物を栽培する坂井農園の土づくり

福島県の北西に位置する福島県耶麻郡西会津町は、北に日本百名山のひとつ、飯豊山がそびえる雄大な自然に囲まれた美しい町です。寒暖差の大きい気候と肥沃な土壌は良質な米、野菜を育んでいます。そんな同町奥川地区で健康な土づくりを実践し、水稲とキュウリ栽培を手がけるのが坂井農園・坂井康司(さかい・こうじ)さんです。

奥川地区で一番の若手キュウリ農家の坂井さん。「土づくり」にこだわることで130%の収量アップを実現しました

「高齢化が進む西会津町は離農する農家も増え、耕作されない寂しい田畑が目立つようになりました。生まれ育った地域の風景を絶やしたくない思いもあり、5年前に家業を継ぐ決意をしました」。

離農した農家の耕作委託を受けた田んぼは現在約5.2ha。園芸作物はキュウリ栽培のハウス6棟に、2020年から栽培を始めたミニトマト栽培のハウス3棟を加えた全9棟に及びます。これら全てのほ場で自然に倣った土づくりが行われています。『福島土づくりの会』の会員でもある坂井さんは自然を参考にした土づくりを徹底することで、良質な農作物を育てています。

ミネラル栽培で作られる高品質のキュウリ

独特のえぐみが少なくパリッとジューシーな坂井農園のキュウリ。

1980年代に脳血管疾患の死亡率が全国平均を大きく上回ったことから「短命の町」と呼ばれた苦い過去がある西会津町。危機感を抱いた同町は1993年ごろから『健康ミネラル野菜』の栽培普及に取り組んでいます。

ミネラル野菜とは、本来土に含まれるべき亜鉛、銅、ホウ素などのミネラルを適正量に保ち、栄養バランスが取れた健康な土で育てた野菜のこと。坂井さんは家業を継いだ5年前から土壌分析を行い、その結果に基づいてミネラル肥料の施用、堆肥(たいひ)の見直しと散布を継続的に行っています。

「父の代から使っているハウス内の土壌に集積した塩類(肥料成分)の濃度を下げるため、冬はハウスのビニールを外して雪を積もらせ、雪解けとともに不要な塩類などを洗い流します。その後、有機質の肥料と土壌改良剤を散布し、マルチをかけて地温を上げることで、土中の微生物を活性化させます」。

適切なタイミングで潅水することで真っすぐのキュウリが作られます

肥料散布後、トラクターにより土壌を耕すのが一般的ですが、坂井さんが行うミネラル栽培では不耕起で行います。健康な土であれば有機物を表土に散布し、あとは微生物の働きだけで肥沃な土壌が維持できることがその理由。また、トラクターを必要としない不耕起栽培は作業の省力化にもつながっています。

「化学肥料に頼らないことで微生物がミネラルを補給し、健康な土を作ります。こうした土壌で育ったキュウリは栄養価が高く、野菜独特のえぐみがないパリッとジューシーな食感に。野菜が苦手な娘もうちで作ったキュウリだけはよく食べてくれるんです」。

加えて、坂井さんは現在、土壌のミネラルバランスに着目して開発された『株式会社生科研』独自の農法『中嶋農法®』の認証産地を申請中。独自のブランディングをすることで差別化を図り、坂井農園産ミネラルキュウリの販路拡大を目指しています。

機械化・効率化の導入で農業経験年数をサポート

キュウリ栽培において、最も重要とされるのが「灌水(かんすい)」です。坂井さん自身、父親から“水やり8年”という言葉を授かったことからも、その難しさがうかがえます。

真剣な眼差しでキュウリを観察する坂井さん

「キュウリも人間のからだと同じで、水を欲しがっているときに与えなければ品質が落ちます。反対に水を欲しがっていないときに与えてもだめ。キュウリは灌水管理が本当にシビアな作物です」と、苦労を話す坂井さんですが、毎日観察することでキュウリの状態がわかるようになったと笑顔を見せます。

さらに、水管理同様、生育を左右するのが「地温」です。キュウリにとって最適な地温である21度に保つことが重要。坂井農園では地中に伝熱線やパイプを走らせてお湯を流すことで4月の早い時期から定植できる環境を整えています。

「早く定植すればそれだけ収穫期間も長くなり、収量が増え、売り上げにつながります。以前はアナログ計器を使用し見回りによって地温の管理・測定をしていましたが、現在はデジタル機器を導入し機械化したことで地温をスマートフォンでも確認できるようになりました。水管理と合わせて機械化することで、省力化だけではなく農業経験の浅さもサポートしています」。

スマート農業。機械化による地温管理

(左)従来のアナログ計器による地温管理 (右)デジタル機器を導入。現在は機械化により地温管理を徹底

現在、坂井さんのもとで研修を積む長谷川浩兵(はせがわ・こうへい)さんは非農家出身。同級生でもある坂井さんが農業に勤しむ姿を見て、興味を持つようになったと話します。

「農業はものづくりであることに気づかされました。毎日の作業は大変ですが、もともと、ものづくりが好きなので毎日が充実しています」。

機械化と長谷川さんという力強いサポーターを味方とする坂井農園の年間収穫量は2020年度、前年比130%に増加。就農以来、年々増量しています。

2020年度はミニトマトの栽培に着手。2021年秋にはキュウリ栽培のハウスを3棟増設する予定の坂井さんは着々と経営規模を拡大しています。奥川地区の農業を担う2人の若者の挑戦は、地域農業の希望の光と言えるでしょう。

坂井さんのキュウリ観察のポイント

  1. 朝:キュウリの葉っぱが「手の平」をピンと張ったようになっているか
  2. 夕方:朝とは逆にモノを掴むときのように葉っぱがしなっているか
  3. 葉っぱの縁に適度に葉水があがっているか

支援制度を活用し、計画性を持った営農を

町ぐるみでミネラル栽培に取り組む西会津町は、ベテラン生産者や指導者によるアドバイスを受けることができます。また、営農研修費や移住による新規就農者への住宅賃貸料の助成、耐雪型パイプハウスのリース事業も行っています。こうした手厚いサポートをぜひ、新規就農者に活用してもらいたいと坂井さんは期待を寄せます。

前職は建築業という研修生の長谷川さんと談笑する坂井さん。二人は中学校の同級生

「新規に農業を始めるには資金や経験などさまざまなハードルはありますが、研修制度を利用することで技術や知識を養うことができます。農業経営は決して甘いものではなく、計画性が重要です。また、現状に満足するのではなくチャレンジする気持ちも大切。そのためのノウハウを伝授する体制が西会津にはあります。若い感性とパワーでぜひ、地域の農業を一緒に盛り上げていきたいですね」。

水稲や野菜でミネラル栽培の拡充が進む西会津。言うなれば自然とともに高品質な農作物を育む農業の理想郷です。雄大な自然のなかで汗を流す坂井さんは充実の表情を見せながら農業の楽しさ、やりがいを教えてくれました。

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取材協力

坂井農園
福島県耶麻郡西会津町奥川大字元島下ノ原1413
公式ホームページはこちら

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