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【農業体験の作り方】農業体験を開催するためのポイントと準備を徹底解説

【農業体験の作り方】農業体験を開催するためのポイントと準備を徹底解説

農作物の生産現場を知り、農業への関心や理解を深める体験として注目されている農業体験。農業法人や個人の生産者が農業体験を開催するためにどんな点に気を付ければいいのでしょうか。そのポイントや準備すべきこと、想定されるトラブルなどをまとめました。

農業体験とは?

普段はなかなか触れることができない、農産物の生産現場を体験する農業体験。JAや生協などが主催するものや、学校の食育活動の一環として行われるものなど、さまざまな農業体験が行われています。最近では農業法人や生産者グループ、さらには個人の生産者が開催する体験も増えています。

食育基本法でも、農業に対する関心や理解が深まるとともに、生産者への感謝や食べ物を大切にする気持ちが育まれるという観点からも農林漁業体験は重要と位置付けられ、広く推進されています。

そこで農業法人や個人の生産者が農業体験を開催するためには、どんな点に気をつければよいのでしょうか。農業体験を成功させるためのポイントをまとめました。

子どもたちが参加するプログラムは、わくわくするような楽しさを盛り込んで

満足度の高い農業体験を作る3つのポイント

農業体験を開催する際にまず考えたいのは、参加者が楽しんでくれるようなプログラムを構成することです。そのために大切なポイントを3つにまとめました。

ポイント1  栽培計画の中から体験に適した作物や回数を決める

農業体験とひと口に言っても、期間や内容など多様な形があります。イチゴ狩りのようにその場で収穫しながら食べるだけのものも、一種の農業体験と言えるでしょう。そんな1時間程度で完了できるような体験もあれば、生産者と一緒に作業して半日、あるいは丸1日かかるようなものなどもあり、さまざまです。一度だけではなく、数カ月かけて種まきから収穫まで生産者の指導を受けながらできる体験もあります。

まずは、農業経営の年間計画の中で、どの作物なら農業体験が実施できるかを考えてみましょう。複数回で計画するなら、定植から収穫までの間に何回くらいのプログラムが可能なのかを考えてみます。作物はひとつと限らず、収穫の時期が異なる野菜を組み合わせたり、品種を複数栽培しその違いを伝えたりできるようなプログラムも、おすすめです。収穫祭や調理や加工などの体験もできると、より充実したプログラムにすることができます。

また、どんな体験でもその場で調理や試食ができたり、収穫物を持って帰れたりというお楽しみは忘れずに加えましょう。

ポイント2 ターゲットを絞り込む

どんな人を対象にするかによっても、体験の内容は異なってきます。将来的に就農を考えている人たちなら、土づくりや定植、草取りなどの管理などで定期的に通ってくることを前提にした、農作業をしっかりと体験できるプログラムを組んでもよいでしょう。

農業になんとなく興味があるという人や子どもたちが対象なら、楽しくできる体験をメインに考えていきましょう。苗植え機など簡単な機械の操作体験なども喜ばれます。稲刈りなどの収穫体験なら、手作業後、コンバインで一気に刈り取る様子を見せると、現代農業のダイナミックさが伝わるでしょう。

また子どもたちが多く参加しているときは、飽きさせない工夫も大切です。作業の説明をするにもイラスト入りのパネルを用意したり、簡単なクイズを交えたりすることで、子どもたちの緊張も和らげることができます。圃場(ほじょう)近くで生産者といっしょに虫取りをする時間などがあると、子どもたちとの距離が一層縮まること間違いなしです。

ポイント3 なぜこの日なのか?の動機付けをする

漠然と「○月○日に収穫体験をします」と決めるのではなく、なぜこの日に農業体験をするのかを動機付けできる日を選ぶのもよいでしょう。たとえば、父の日に合わせ「枝豆を収穫して、お父さんをおいしくねぎらおう」と、親子での枝豆の収穫体験を呼びかけてみる。あるいは地域のお祭りに合わせ、午前中は収穫体験、午後からはお祭りを楽しむといった具合です。単純に農業体験を企画するよりも、この日だからこれという理由があると、より参加しやすい農業体験とすることができるでしょう。

エイヤッ! トウモロコシを収穫! こんな体験、なかなかできません

開催までの準備は怠りなく

プログラムを固めたら、当日までの準備を始めましょう。スタッフ集めから参加者の募り方などまで、必要な準備をまとめました。

準備1 スタッフを募り、役割分担をする

家族や地域の生産者など、協力してくれる人を募りましょう。スタッフは参加者の人数によっても異なりますが、40人程度を想定するなら最低でも5人は必要です。農作業や収穫などを安全にしっかりと体験してほしいなら、指導をする生産者は2家族(7~8人)に1人くらい配置できるとよいでしょう。

スタッフが決まったら役割分担をしましょう。受付、誘導、進行、見守り役、圃場での指導、記録などの当日必要な役割を整理し、プログラムの中で誰がどの役割を担い、どのように動くかを含めてタイムテーブルを作るといいでしょう

準備2 使用する道具や資材をリストアップ

必要となる道具や資材をリストアップし、用意しましょう。農具の扱い方をどう指導するか、安全対策はどうするかなども確認しておきます。

当日は参加者とスタッフそれぞれの名札も必要です。ケガや体調不良に備え、救急箱の用意も忘れずに

軍手やマスクなど参加者が体験時に必要なグッズ類は持参が基本ですが、あらかじめ購入が必要な場合には、手配しておきます。持参を告知していても、参加者が忘れてしまった場合に備えてある程度の数は用意しておくとよいでしょう。

準備3 拠点となる場所を決める

圃場近くに農業体験の拠点となる場所を決めます。ここは参加者が集合し、受付や事前説明をするのはもちろん、トイレや休憩所にもなる場所。簡単にいえば、農業体験全体のベースキャンプです。農家や農業法人の敷地内に、充分な広さや屋根のあるスペースがあればそこを利用しましょう。適切な場所が確保できない場合は、近くの公民館などを借りるための手続きをします。

準備4 安全に移動しやすいように拠点を整理整頓

拠点が決まったら、受付や作業前の事前説明はどこで行うか、トイレや水道、休憩場所はどうするかなど、全体のレイアウトを固めましょう。どう動くかの動線も引き、途中に農機具や資材など動きの妨げになるようなものは置かないようにしましょう。参加者が車で訪れることが想定される場合は、拠点の近くに駐車場も確保します。

準備5 集合場所までの案内はわかりやすく

初めてその地を訪れる人でも集合場所にたどり着けるように、道の途中に「○○農業体験はこちら」といったのぼりを複数立てるなどしてわかりやすい案内を心がけましょう。のぼりなどを公道に設置する場合は許可が必要なため、早めに申請しておくことをおすすめします。

準備6 圃場までの誘導は安全に

拠点から圃場までの移動手段や道順、移動時間を考え、安全に誘導できるような態勢を整えます。がけやスズメバチの巣など、圃場付近に危険な場所がないかも確認しましょう。

準備7 集客はSNSを徹底活用

チラシなどを作成し、自分のブログやホームページなどで告知するのはもちろん、TwitterやInstagram、FacebookといったSNSなどのネットメディアを活用し、多くの参加を呼びかけましょう。

準備8 参加者への案内

参加者への案内は遅くても2週間前までには郵送しましょう。案内には最低限、下記の内容を盛り込みます。

・開催の日時
・集合時間
・集合場所
・地図やアクセス方法
・当日のタイムテーブル
・持ち物
・当日の服装
・参加費
・主催者の連絡先
・当日の緊急連絡先
・注意事項
・雨天の際の対応(決行・延期・中止のどれにするかなど)

体験内容によってキャンセル費用が発生する場合は、何日前までに連絡をすればいいかも明記します。

広い圃場での作業は、大人も子どもも時間を忘れて夢中になってしまうこともしばしば

事前説明で何を話すべきか

当日はスタッフ間で連携をとって、時間の余裕を持って動きましょう。安全に作業するためには、参加者への事前説明も重要です。しっかりと時間を確保し、スムーズに進められるよう話す内容などはあらかじめ整理しておきましょう。

事前準備は早め早めが基本

受付開始時間に間に合うよう、早め早めに準備を始めましょう。当日使用する道具や資材がそろっているか、参加者が使える十分な数があるかなどの最終確認は、前日の夜までに行っておきましょう。

事前説明は体験を楽しめるひと工夫を

体験前には当日の体験内容や進行を伝える事前説明の時間を設けるようにしましょう。ここで伝えたい内容は以下のような事柄です。

・スタッフと参加者、それぞれの自己紹介
・当日のスケジュールと作業の手順
・今日の作業がなぜ必要なのか
・栽培から収穫までの流れの中で今日の作業がどこに位置するのか
・危険なエリアや立入禁止区域の解説
・体験中はケガに気を付け、無理をして体調不良にならないよう気を付けること
・圃場ではスタッフの指示に従うこと
・保護者はお子さんから目を離さないこと

この時間は緊張気味の参加者の気持ちを和らげるアイスブレーキングタイム。必ずしも話し上手である必要はありませんが、栽培中の作物の情報や、同じ野菜でも品種の違いで味や食感が異なること、農作業の楽しさなどを交えてみましょう。生産者が日々経験していることを伝えることで、体験への期待がより高まります。また、質問タイムも設けましょう。どんな質問がくるかを想定し、しっかりと答えられるよう準備も大切です。

体験は無理のない時間配分で

圃場での農作業は参加者の様子を見ながら、指導していきましょう。作業時間は1作業30分くらいが目安です。余裕を持って予定を組んでいても、予期せぬことも起こります。終了予定時刻を念頭に置き、作業時間を管理しながら、場合によっては予定より早めに作業を進行させてもよいでしょう。特に小さな子どもたちの参加が多いと、予想以上に移動や作業に時間がかかります。余裕を持って時間を設定しましょう。

農業体験は、圃場を知り、農業を知る第一歩。土や作物の触感や匂いを体感できるように働きかけたり、昆虫や野鳥がいることなどを伝えたりしながら体験してもらうといいでしょう。

また、体験中はスタッフが画像や動画を撮影しておくと、今後の活動の参考にすることもできます。参加者には事前に撮影の許可を取り、ホームページやSNSに掲載する場合は、その許可も併せて取るようにしましょう。撮影NGの参加者にはたとえ遠くからでもカメラを向けないなどの配慮も必要です。

たくさんの人が集まる農業体験。事前の準備をしっかり行うことが成功のカギです

トラブルが起きても万全の準備で乗り切ろう

農業体験当日は、想定外のことも起きるかもしれません。トラブルが起きても慌てないように事前準備をしっかりして対応しましょう。

参加者が遅刻した!

道路状況などで、予定より遅れてしまう参加者もいるかもしれません。遅れて到着した参加者もスムーズに参加できるように、拠点で待機するスタッフもあらかじめ決めておきましょう。遅れてくる参加者は、スタッフが考えている以上に慌てています。連絡があった場合は「ご連絡ありがとうございます。お待ちしていますので、慌てないでくださいね」と一言付け加えることも忘れずに。

天気が急変した!

当日が残念ながら雨天の予報だった場合、中止にするか延期にするか、決行するか、どの時点で判断や連絡をするかは事前に決めておきます。しかしながら晴れの予報だったのに、当日天気が急変することも考えられます。その場合はどうするのか、早めに解散するのか、屋内での作業にするのか、屋根のある場所でのレクリエーションタイムにするのかなども予定しておきましょう。

気温が高く、熱中症が心配!

気温が高い時期の農作業は特に、休憩や水分補給ができる時間を十分にとりましょう。真夏の体験は、午後の遅めに集合し、涼しい時間帯に作業するなどの工夫も大切です。夕方にスイカ割りなど夕涼みタイムなどがあっても喜ばれます。

子どもが農機具で遊んでいる!

農機具などは放置せず、適切な場所にまとめて置くようにしましょう、子どもたちが遊びで使ってしまうと、ケガをしてしまう心配もあります。また、保護者には最後まで子どもたちから目を離さないように伝えましょう。

とれたてのキュウリを丸ごとガブリ。野菜嫌いもアッという間に克服できるおいしさです

農業体験でファンを増やそう!

農業体験は参加者との交流を図り、農業や食への理解を深めてもらうことが目的のひとつです。同時に、体験を通して農業のファンを増やすことも目指しましょう。

農業は大変というイメージを持っている人も少なくありません。でも農業は作る喜びにあふれた仕事でもあります。土に触れる心地よさや生産者ならではの深い知識を伝え、収穫したての野菜のおいしさを味わってもらうことなどを通して、農業の楽しい部分を伝えていきましょう。

子どもたちが、「農家さんってかっこいい」「農家になりたい」そんな思いを持って帰れるような農業体験を作っていきましょう。

取材協力、写真提供:Nツアー(株式会社農協観光)
https://ntour.jp/

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