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自前の手押し車を電動にアップデート⁈ 収穫と運搬を楽にする発明に迫る

自前の手押し車を電動にアップデート⁈ 収穫と運搬を楽にする発明に迫る

全国の農家さんを渡り歩いているフリーランス農家のコバマツです。今回は和歌山県湯浅町に来ています。農機具を電動化する機械を発明した若き技術者がいるという情報を聞きつけてやってきました。なんでもすでに農家自身が持っている道具に取り付けるだけで、農作業を楽にする機械だそう。しかも機械が苦手な人や力の弱い人でも簡単に組み立てられるとか。
農作業の省力化や効率化につながる素敵な道具に出会いました。

電動ネコ車!? E-cat kit(イーキャットキット)

今回訪れたのは和歌山県有田郡湯浅町。電動農機具を発明しているという会社の倉庫にやってきました。

電動ネコ 電動ネコ本体

早速何やら道具を発見

見慣れた道具だけど、なんだか初めて見る気もする。

電動ネコ 足場

足場を発見

なんか乗れそう。

電動ネコ 乗る

とりあえず乗ってみることにしよう。

電動ネコ ハンドル

ハンドルもあるし、とりあえず握ってみよう。

電動ネコ 登場1

セグウェイのごとく走り出す

おおお!! 動いた!

電動ネコ 登場2

とっても快適! これで山道とか走ったら楽しそう!

7_電動ネコ 登場3

カーブも楽々! これは楽しい! 初心者でも乗れてしまう!
これは新しいアウトドアのアクティブグッズか何かでしょうか?
今日の取材、コバマツ来るところ間違えた……!?

いえ、それは「E-cat kit」という電動キットを取り付けた立派な農作業道具なんですよ!!

寺嶋さん

コバマツ

え!? この乗り物が農作業道具!?

■寺嶋瑞仁(てらしま・みずひと)さんプロフィール

電動ネコ 寺嶋さんプロフィール 1993年生まれ、和歌山県有田郡出身。和歌山工業高等専門学校知能機械工学科、長岡技術科学大学機械創造工学課程卒業。2016年、株式会社CuboRex(キューボレックス)設立。学生時代からロボコンに精力的に打ち込み、全国準優勝など多数受賞。レスキューロボットの研究をベースに、2017年James Dyson Award国内第3位、国際トップ20入賞。総務省異能ジェネレーションアワード「その他業務実施機関が思い付きもしない分野」部門賞受賞など。
高専時代にアルバイトをしていたミカン農家の農作業をより便利にすることはできないかと思い、農家がすでに持っている農機具に取り付け可能な電動キットE-cat kitを開発する。実家はお寺で、帰省のときは家業も手伝っている。
これは農作業道具で、自動運搬車なんですよ!

寺嶋さん

コバマツ

え!? このとっても楽しい乗り物が運搬車なんですか? 楽しく乗り回しちゃってすみません……。
僕たちの会社、CuboRexは農家自身が、自分の持っている農機具をアップデートできるようになることを支援し、より効率的な農業の実現を目指しています。

寺嶋さん

コバマツ

農機具をアップデートといいますと……?
従来の農機具は、用途ごとに完成品を農家が企業から購入するしか選択肢がありませんでした。が、僕たちは用途によって農家自身がすでに持っている農機具に取り付けられる電動キットを開発したんです!

寺嶋さん

コバマツ

農家が自分自身でカスタマイズできるんですね! 農機具って、何十万、何百万とするものでも一年のうちに数週間しか使わないものとかありますもんね……。
確かにすでにある道具に取り付けて、それを自動化できたら効率がいいですね!
取り付けがとっても簡単なのも特徴の一つです。コバマツさんもぜひ挑戦してみてください!

寺嶋さん

コバマツ

え……。メカや機械にめっぽう弱いのですが大丈夫かな……。(滝汗)

コバマツが電動キットを取り付けてみた

コバマツ

車のボンネットの開け閉めすら自分でままならない私ですが、電動キットの取り付けに挑戦してみようと思います!
コバマツが電動ネコを作る スタート

いざ! 電動キットの取り付けに挑戦します!

コバマツが取り付けに挑戦したのは、冒頭に登場した足場(立ち乗り用台車)付きのタイプではなく、押して歩くタイプのものです。
E-cat kitのキットは主にこの3つ!

コバマツが電動ネコを作る キット内容

バッテリー、タイヤ、コントローラーというシンプルな内容

今回はこちらのネコ車(手押しの一輪車)に取り付けます。

コバマツが電動ネコを作る 取り付ける前

車輪は取り外した状態。作業がしやすいようにひっくり返しました

いざ、開始!

コバマツが電動ネコを作る スタート

説明書を読みながら……。

コバマツが電動ネコを作る 説明書を見る

まずは、バッテリーと配線を接続していきます。

コバマツが電動ネコを作る 配線取付中

次にタイヤとバッテリーをつなぎます。

コバマツが電動ネコを作る タイヤとバッテリーをつなぐ

スパナを使い、タイヤを固定します。

コバマツが電動ネコを作る スパナでタイヤ固定

あとはバッテリーを操縦の邪魔にならないところに装着して

コバマツが電動ネコを作る バッテリー装着

最後に配線が邪魔にならないように結束バンドで止めます。

コバマツが電動ネコを作る 配線を整える

完成です!!

コバマツが電動ネコを作る キット完成

機械が苦手な私でも、30分程で組み立てることができました。
(少しCuboRexの人に手伝ってもらいましたが)
普段から機械を触っている農家や、力のある人であれば15分ほどで組み立て可能かと思います!

早速使ってみることに。120キロの堆肥(たいひ)が入ったカゴを載せました。

まずは電動キットの電源をオンにしていない状態です。

お……重すぎて前に進めない。

スイッチを入れないで肥料を持ち上げる

そこで、スイッチオン!
……お、楽に動く!

スイッチONにして移動

120キロの堆肥を女性の私でも運ぶことができそうです!

労働力不足を解決? 農業の素人にも作業を任せられる

コバマツ

この電動キットは実際どのような現場で導入されているのでしょうか?
現在は、JAありだと提携して、主に有田地域の農家に使ってもらっています。この地域はミカンや梅の生産が多いので、そういった作物を生産している方に使ってもらうことが多いです。

寺嶋さん

コバマツ

ミカンも梅も傾斜地で栽培していることが多いので、収穫も運搬も大変ですよね……。私もどちらの収穫も経験しましたが、大型の運搬車が入れないので、本当に苦労しました。

実際に使用されている様子がこちら。

実際の使われ方みかん農家例

傾斜のあるミカン畑で電動キットを付けた一輪車を使用

実際の使われ方梅農家

梅の運搬でも大活躍

農業の高齢化が進み、力仕事が難しい年代の方も増えていますが、そうした高齢の方にも使っていただけます。また、実際に電動キットを取り入れている農家の方からは、「アルバイトなど素人の人にも任せられるから作業が効率化した」という声もいただいています。

寺嶋さん

コバマツ

力が弱い高齢者や女性はもちろん、素人のアルバイトの人に機械作業は任せにくいという声を農業現場からよく聞きますが、これなら素人でも簡単に扱えますね!
実際の使われ方

電動キットを取り付けたさまざまなネコ車たち

今後、農業の現場は高齢化が進むため、新たな人材の農業現場での活躍が期待されています。そんな中この電動キットなら、力作業が必要な場面で、力の弱い人や不慣れな人でも収穫時などの運搬作業ができます。
さらに、既成品ではなく、農家自身が用途や使うタイミングで道具をカスタマイズできる電動キットの誕生により、農業の世界もまだまだイノベーションが起きていくのではないかと思いました。

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