林業も焼畑農業も学べる山形県鶴岡市温海地域の短期農業研修が面白い!伝統野菜「焼畑あつみかぶ」の収穫を体験しよう!【温泉宿泊付き】|マイナビ農業

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林業も焼畑農業も学べる山形県鶴岡市温海地域の短期農業研修が面白い!伝統野菜「焼畑あつみかぶ」の収穫を体験しよう!【温泉宿泊付き】

林業も焼畑農業も学べる山形県鶴岡市温海地域の短期農業研修が面白い!伝統野菜「焼畑あつみかぶ」の収穫を体験しよう!【温泉宿泊付き】

山の傾斜地に火を入れて畑を作る「焼畑農法」をご存知ですか?自然の再生プロセスを促進するこの伝統的な農法を生かし、江戸時代から焼畑栽培が続く在来作物「焼畑あつみかぶ」を栽培しているのが山形県鶴岡市温海地域です。焼畑あつみかぶの収穫を体験できる短期農業研修では、林業と焼畑農業の密接な関係によるサスティナブルな森林づくりを学ぶことができます。温泉に宿泊しながら自然の恩恵を体感できる、魅力にあふれた研修内容をご紹介しましょう!

山と海の恵がいっぱい!山形県鶴岡市温海地域ってこんなところ

鶴岡市の西南端・新潟県境に接する温海(あつみ)地域(旧温海町)は、三方を摩耶山系の豊かな山々に囲まれ、西側には変化に富んだ海岸線が続く自然の魅力がギュッと凝縮された地域です。面積の約9割が森林という地形は平地が少なく、古くから山間部では山の傾斜面を利用した「焼畑(やきはた)農法」を行ってきました。伐採後の枝葉が残る山の斜面に火を入れて畑地を作るこの農法は、森林が蓄えた地力と灰が天然の肥料となり、化学肥料や農薬を使わず作物を育てる伝統的農法です。かつては日本各地でひろく行われてきた焼畑農法ですが、近年は農業の近代化や農業従事者の高齢化により、焼畑を行う農家は少なくなっています。ではなぜ、温海地域では今もなお、焼畑農法が行われているのでしょう。そこには森林が抱える問題が大きく関係しています。

森林の循環利用には「切って育てる」が重要なんです!

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主伐適齢期に伐採し、再造林をすることで森林の循環利用へ。森林所有者の高齢化により、伐採が進まないことが課題に。

「戦後の拡大造林計画によって植林された森林の多くは現在、高齢林になっています。森林を循環するためには若い森林を増やしていく必要がありますが、この循環の過程でネックになっているのが、森林所有者の高齢化と木材価格の長期低迷による森林所有者の関心の低下です。伐採後は植栽をして若い森林を育てるのが再造林のセオリーですが、植栽後は伐採まで数十年に渡って下刈りやつる切り、除伐(※)などの管理が必要になります。木を切ってしまうと作業負担が増えることから、伐採をせずにそのままにしておく森林所有者が増えているのが現状です」。
※除伐…育てようとする木を阻害する他の木を刈り払うこと。

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温海町森林組合 五十嵐雅樹さん(右)と忠鉢春香さん(左)

と、森林が抱える問題を話すのは、温海町森林組合の五十嵐雅樹(いがらし・まさき)さんです。約8100ヘクタールの人工林を有する温海地域ですが、その8割以上が(※)主伐(収穫)適齢期を過ぎた樹齢50年以上の高齢林。主伐と再造林(植栽)を繰り返さないと、木材生産量の減少や森林機能の低下などに影響します。森林所有者同様、森林もまた、高齢化が深刻化しているというわけです。さらに、国産木材需要の減少も主伐が進まない原因と五十嵐さんは分析します。
※主伐=木を収穫し、木材としての利用を目的とした伐採のこと

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伐採した立木は搬出生産され、建築材などに加工。製材所を所有する温海町森林組合は、林業における雇用創出も担っています。


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近年、環境保全の観点から需要が高まっている木質バイオマス発電では主に木材を切削するなどした木材チップが用いられ、伐採した立木は枝葉以外すべて活用されます。

「1本の丸太から切り出したいわゆる無垢材は、木肌の色や樹種ごとに異なる豊かな表情が特徴的で、日本の住宅では梁や柱などに使われてきました。ところが、大きな丸太は加工や運搬に費用がかかり、量産にも向かない欠点があります。近年、無垢材に変わって建材の主流になっている「集成材(積層材)」は、建築用材に向かないB材(曲がりのあるものや大きな節のあるもの)などを利用し乾燥した板材を縦継ぎで仕上げています。そのため、品質が一定で強度も高まり量産にも向いています。集成材の上からクロスを貼れば木肌などは重要視されないため、以前に比べて無垢材への需要は下がっています。加えて、集成材は無垢材と比べて安価ということもあり、市場では太い原木よりも、集成材の原料となる原木の需要が高まっています」。

主伐適齢期を迎えた木を切っても思うように値が付かない。伐採をすることで管理の手間がかかる。それなら切らずにそのままにしておく—。森林に人の手を入れず、放置するとどうなるのでしょう。樹木も下草も生い茂って森林内に差し込む光が徐々に減っていきます。十分に光合成ができない植物は生育が悪くなり、風雪に耐えることができない幹の細い森林に…。すると、森林が担う水源かん養機能(=降雨を森林の土壌内に貯留することで、河川へ流れ込む水量を抑え、洪水の発生を予防できる)や、土砂流出防止機能を十分に果たすことができなくなり、わたしたちの暮らしにも大きな影響を及ぼすことになります。つまり、森林の循環利用には「木を育て、伐採し、植栽をする」、このサイクルが必要不可欠なのです。

そこで温海町森林組合では、職員が森林所有者にこれからの森林のあり方などの森林経営について提案をし同意を得てから伐採、植栽とそれに伴う下刈りや除伐・間伐を行うシステムを構築。その費用の一部を補っているのが焼畑農法による「焼畑あつみかぶ」の栽培です。

温海のソウルフード「焼畑あつみかぶ」と「焼畑農法」の“おいしい”関係

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焼畑農法によって栽培された「焼畑あつみかぶ」は、露地栽培などで栽培されたものと比べ、甘味成分を豊富に含んでいることが慶應義塾大学先端生命科学研究所との共同研究で明らかに!

江戸時代から栽培が続く「焼畑あつみかぶ」は、“パリシャキ”の歯ざわりと、さわやかな辛味が特徴の温海地域の伝統野菜です。8月中旬の播種で10月中旬には収穫できる成長の早さから、かつては米の不作の時期を補う冬の保存食として栽培されていました。その伝統野菜を育んでいるのが「焼畑農法」です。

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山林の伐採跡地や原野を刈り払い、約1ヶ月乾燥させた後、8月中旬の風がほとんどない好天の日を選んで斜面の上から下へと火を下ろし、ゆっくりと焼いていきます。

「スギの伐採跡地に火を入れ、残った枝葉を焼く焼畑農法は、火を入れることで土中の栄養素が溶け出して土質が向上します。また、スギの枝葉が腐葉土となって微生物が多様化し、天然の肥料に。そのため、化学肥料や農薬に頼らなくてもおいしい焼畑あつみかぶを作ることができます」。

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「焼畑が終わったらまんべんなく「焼畑あつみかぶ」の種を撒きます。かぶの成長は早いのであと2ヶ月もすれば一面を緑の葉が覆い、とてもきれいなんですよ」と、忠鉢春香さん

と、焼畑あつみかぶの栽培や普及に努める温海町森林組合の忠鉢春香(ちゅうばち・はるか)さん。焼畑によって雑草が取り除かれ、病原菌も焼き払われるため、安心・安全な無農薬栽培が可能に。追肥や灌水も不要です。収穫までの作業は、除草と間引きの作業だけというのも焼畑あつみかぶの特長です。焼畑あつみかぶの販売によって得た利益は焼畑を行ったその場への植栽や苗木の保育費用などに充てられます。

こうした取り組みにより、森林所有者の負担が大幅に軽減されることで主伐と再造林の円滑な循環サイクルを作り、森林の若返りを図っています。この再生プロセスをひも解くと、焼畑農法と焼畑あつみかぶの栽培は、再造林のサイクルと、伝統野菜継承の両輪を担っていることがわかります。

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「焼畑あつみかぶブランド力向上対策協議会」が定めた基準をクリアしたものだけが「焼畑あつみかぶ」の表示が許され、種子の保全・安定品質のため、種は温海地区一霞集落で採取されたもののみで栽培されています。

「最もポピュラーな焼畑あつみかぶの食べ方は「甘酢漬け」です。赤紫色の皮の色だけで染め上げるため、着色料などの添加物は使用しません。焼畑あつみかぶならではの“パリシャキ”の歯ごたえは、周りの人にも聞こえるほどなんですよ」(忠鉢さん)。

農業研修では焼畑あつみかぶの収穫を体験しながら再造林へつながる森林の循環利用を体感することができます。伐採跡地が一面、緑のかぶの葉で覆われた景色は圧巻!かぶは地表に近いところで成長するため、面白いほど簡単に抜くことができるのだとか。
なお、研修期間中は開湯一千二百年の歴史を誇る県内有数の観光地「あつみ温泉」に宿泊できるのも温海地域の農業研修の魅力です。希望者は森林組合が所有する製材所の見学・体験もできますよ。

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急な斜面での収穫はなかなかの重労働!転げ落ちないよう、作業は這うような姿勢で行います。スポスポとかぶが抜ける感覚は爽快!

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体験中の宿泊施設「あつみ温泉」。とても素敵な雰囲気の温泉街です。

選択肢いろいろ!働きやすく、住み良い“あつみ”でみつける自分らしい暮らし

自然豊かな温海地域は農業、林業、漁業と一次産業を基幹産業としています。なかには農業をやりながら林業に携わっている人も。また、森林組合の職員として森林の管理や製材に従事することも可能です。休日は釣りやシーカヤック、登山などのアウトドアのほか、春は山菜採り、秋はキノコ採りなどを楽しむことができるのも、豊かな自然の宝庫・温海地域ならでは。

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山と海、それぞれが織りなす風景は、日本の原風景そのもの。自然の魅力がギュッと凝縮された鶴岡市温海地域の魅力は住むことでさらに実感できるはず!

「自然が好きな方にぴったりな環境の温海地域は、スーパーマーケットやドラッグストア、診療所、保育園、中学までの教育機関もあり、生活に不便を感じることはほとんどありません。また、日本海に沈む夕日は地域の自慢のひとつです。短期農業研修でお越しの際はぜひ、その美しい景色を目に焼き付けてくださいね」。
と、温海地域の魅力を話す鶴岡市温海庁舎の齋藤充(さいとう・みつる)さんと伊藤昌史(いとう・まさし)さん。

鶴岡市では移住・定住の相談や空き家の紹介などを通し、移住後の生活支援を行っています。また、短期農業研修中は全国農協観光協会のコーディネーターが全日程帯同し、買い物やほ場までの送迎など、生活全般をサポート。移住を検討する際の相談にも応じます。
林業と農業、それぞれの役割や特徴を同時に知ることができる山形県鶴岡市温海地域の短期農業体験。移住後の暮らしを具体的にイメージできる、価値ある体験になることでしょう。

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研修の要綱・問い合わせ

研修要綱

日程  :2021年11月24日から2021年12月5日(11月26日と27日は休日)
研修場所:山形県鶴岡市温海地域
宿泊場所:あつみ温泉内の宿泊施設
持ち物 :長靴・作業用の汚れても良い服・寝間着・軍手・急斜面での作業になるため、動きやすい服装
応募条件:
●60歳未満の、将来的に農業をはじめ一次産業に関わりたいと考える方で、3大都市圏内の都市地域(※)、政令指定都市にお住まいの方
●元気にあいさつができる方
●研修の全日程に参加できる方
※詳しくはお問い合わせください。
補助:現地までの往復の旅費、1日あたり1万円の宿泊手当、農業研修時の手当(研修地域の最低賃金の半額程度を目安に稼働時間分)
期間中、全国農協観光協会よりコーディネーターが帯同。生活全般をサポートします。
その他:林業体験のほか、地域課題研修というワークショップを行います。

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\私たちが教えます!みなさんのご応募お待ちしています◎/

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研修概要

本研修は、農林水産省の令和3年度農山漁村振興交付金(地域活性化対策(人材発掘事業))の一環として、一般社団法人全国農協観光協会が主体となって企画している研修プログラム「あぐトリ」のひとつです。
「あぐトリ」とは、農業体験や地域の課題解決に向けたワークや取り組みなどを通じて地域の生活を体感し、その土地に移住したり関わって生きていったりするきっかけを作る、短期研修プログラムです。プログラムを通し、農あるくらしで関係人口を創出し、持続できる地域づくりを目指していくことが目標です。
研修先は、経済産業省や農林水産省などが定めた全国津々浦々の「スマート定住条件強化型モデル地区」を中心に全国10地区から選べます。各地域が抱える課題の解決に向け、多様な取り組みを積極的に行っているエリアであるのが特徴です。研修内容も就農研修がメインだったり、地域課題を解決する研修があったりと地域の実情に応じてさまざまです。
「地方に移住したいけれど実際どんな地域なのかわからず不安」「新規就農したいけれどどこで何をすればいいかわからない」、そんな方におすすめのプログラムです。

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あぐトリ~あなたが暮らす街、農業旅行で探しませんか?~
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(一社)全国農協観光協会が提案する「あぐトリ」とは、農業などを通じて「地域」の⽣活を体感し、移住を含めその土地に関わって⽣きていくきっかけを作る短期研修プログラムです。あのサト、あのマチ、日本各地の気になる地域を選んで …

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