【岡山県10】小学校教諭から夫婦でモモ農家に転身! モモの多品種栽培に挑戦|マイナビ農業

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【岡山県10】小学校教諭から夫婦でモモ農家に転身! モモの多品種栽培に挑戦

【岡山県10】小学校教諭から夫婦でモモ農家に転身! モモの多品種栽培に挑戦

小学校教諭だった髙谷さん(44歳)は社会科の授業で子供たちに農業や一次産業について教える一方、「教科書に書いてあること以外、自分は何も分かっていない」というジレンマを感じていました。そんな時、いとこの農業を始めたいという相談に乗るうちに「自分のやる気に火が点いてしまいました」と就農のキッカケを話します。教員からモモ農家へと大胆な転身を遂げた髙谷さんは、どのように学び、技術を習得したのでしょうか。研修からひとり立ちまでの取り組みを伺いました。

ゆかりある総社市で小学校教諭からモモ農家へ華麗なる転身

広島県出身の髙谷直樹(たかやなおき)さんは、県外の大学を卒業後、地元である広島県の小学校教諭として20年のキャリアを歩んできました。教育に携わる仕事にはとてもやりがいを感じていましたが、知識として子供たちに教える「農業」を自分でもやってみたいという思いがあり、42歳の時に新規就農を決意します。

岡山県農林水産部

「当時はもう結婚をしていましたし、妻も同じ小学校教諭。反対されると思いましたが、妻の方が乗り気で、逆に背中を押してもらいました」と笑顔で振り返る髙谷さん。実は髙谷さんにとって岡山県総社市はゆかりのある町で、父親の出身地ということで祖父母の田んぼが残っていたり、更に父親の幼なじみがモモ農家を営んでいたりとさまざまなご縁があり、「農業を始めるなら、総社市でモモ農家だ」と決めていたと話します。

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そんな髙谷さんが就農予定地域で行う「農業実務研修」でお世話になった親方農家が、たまたま“父親の幼なじみ”だった髙谷均(たかやひとし)さんです。同じ髙谷姓のお二人ですが、親戚などではなく、総社市には古くから髙谷姓が多いそう…。こうしたご縁もあり、髙谷さんは均さんのもとでモモ農家の修業をスタートさせることになりました。

受け入れが決まったら園地を準備!

岡山県では初心者の方でも農業が始められるよう、まずは「就農相談・産地見学」から始まり、「農業体験研修(1カ月)」で農家生活を体感。次に就農への意思、就農先、品目などを決めて「農業実務研修(2年以内)」で実践的な技術や知識を身に着け、地域の方々との人間関係を深めていきます。

最も大切なのは就農への熱意! 髙谷さんも正真正銘の知識・経験ゼロから、ただおいしいモモを作りたい一心で、農業実務研修生として飛び込みました。

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「本当に何も知らない状況でスタートしました。例えば農業機械を動かす時に『チョークを引いて』と言われても訳が分からず、思い浮かぶのは黒板に字を書くチョークのみ…。一事が万事そんな感じだったので、逆に不安を感じることは無かったのですが、徐々に無収入の心細さを痛感するようになりました」と語る髙谷さん。農業実務研修中の2年間は、年額150万円程度の研修費が支給されますが、それを補うために貯金を切り崩すのは心許無かったと教えてくれました。

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「だから、農業実務研修が終わってから園地を探すのでは遅いんです。研修の受け入れが決まったらすぐに園地を探して、整備を始めないと」と力説するのは親方農家の均さんです。“桃栗三年、柿八年”と、ことわざでも言われるようにモモの実が収穫できるようになるのは3年目から。スムーズな就農には組合と研修生が協力して農地を早急に確保することが大切だとアドバイスしてくれました。

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半年間で1年分を稼ぐ。そのために品種を増やして、安定収入を実現

均さんが指導する実務研修では1年目は見て、触れて、学ぶのが中心です。受粉から摘果、袋掛け、収穫、選果・箱詰め…と、モモの花が咲いて実を出荷するまでにやるべきことを一緒に経験しながら、ポイントを伝えていきます。また、髙谷さんは組合から古いモモの木が植わっている放棄園地を練習圃場として提供してもらい、そこで自ら試行錯誤しながらのモモ作りも実践しました。

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12月に出荷する『冬桃がたり』

研修2年目は自発的に動いてもらいながら、更に注意すべきポイントを伝授するのが均さん流です。均さんの園地には20種類ものモモの木があり、「白鳳」・「清水白桃」・「川中島白桃」など、それぞれの出荷時期に応じて、さまざまな工程の栽培技術を学びます。

「モモの収穫シーズンはおおむね7月と8月で、モモ農家はこの2カ月間で1年分の収入を得なければなりません。しかし、これを実現しようと思うと、たくさんの木が必要で、たくさんの木を世話するには人手が必要です。そうすると人件費がかさむ…という悪循環に。この課題を解決するために6月から12月までの半年間で1年分の収入が得られないかと考え、私は育てるモモの品種を増やしてきました」と、均さんは多品種栽培の狙いを話します。現在は欠けていた10月出荷が見込める新品種を見つけて、半年間、毎月収入が得られる環境を構築しつつあるといいます。

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吉備路もも出荷組合のみなさん

「こうしたノウハウを惜しみなく教えてもらえるのが、『吉備路もも出荷組合』の魅力です。親方農家はもちろん、組合の方々や岡山県の普及指導センターの方もサポートしてくれるので、とても心強いですね。『吉備路もも出荷組合』は県内の産地の中でも特に品質基準が厳しいことで有名なのですが、ここで認められればトップブランドのお墨付きをもらえたということ。技術が身に着けば稼げるという安心感も組合のメリットだと感じています」と、髙谷さんは笑顔を見せてくれました。

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品質の基準の高さが組合の特徴の一つ


 

将来は農業を通じた「教育」にも携わりたい

2021年5月に新規就農を果たした髙谷さんは、現在1.4ha強の園地を管理しています。就農1年目で15品種というのは、組合の中でも多い方だといい、「これは均さんのおかげ」と髙谷さん。

就農初年度の手ごたえを伺うと、こんな答えが返ってきました。

「驚くほど大きなモモができたかと思えば、欲を出して袋を掛け過ぎて玉が小さくなってしまったり…まだまだ試行錯誤の段階です。今後はもっと臨機応変さを身につけて、数を減らして一つひとつの玉を大きくするとか、いろいろと試していきたいですね。おいしいモモを作って喜んでもらうのが目下の目標ですが、将来的にはモモ作りを子供たちの教育に還元したいと思っています。例えば、学校になじめない子供にモモ農家の仕事を体験してもらって居場所作りに貢献したり、農業の魅力を知ってもらうことで新たな担い手育成につなげたり、栽培にとどまらない農業の喜びを伝えられたらいいですね」と夢を語ってくれました。

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「多品種のモモ栽培に取り組めば、自分のペースで仕事ができ、作業量をある程度はコントロールできるのが魅力です。特に付加価値の高い『冬桃がたり』はいつ収穫するかは自分次第です。売り時を考え、戦略的に出荷することも可能です。長期間にわたって収入が得られる品種体系を構築し、味も品質も高い『吉備路もも出荷組合』でモモ農家を目指してください」と均さん。

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『冬桃がたり』は贈答品や高級フルーツパーラーなどで人気

髙谷さんも「地域とのコミュニケーションを大切にできる方なら、すぐになじんでモモを育てる技術も、生活の知恵も教えてもらいながら楽しく過ごせるはず。自分が作ったモモを家族や友人に食べてもらい、喜んでもらえるのは本当に嬉しいものですよ」とエールを送ります。

岡山県でのモモ作りに興味を持たれた方は、「就農相談」や「産地見学」に参加してみてはいかがでしょうか?

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<取材協力>
吉備路もも出荷組合
〒719-115 岡山県総社市門田70-1
JA晴れの国岡山 吉備路アグリセンター
TEL:0866-93-3770
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◆お問い合わせ

岡山県農林水産部 農産課 担い手育成班
〒700-8570 岡山県岡山市北区内山下2-4-6
TEL:086-226-7420

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