『Green‐Agri Challenge KYOTO 2021』が京都市内で展開中!|マイナビ農業

マイナビ農業TOP > 農業ニュース > 『Green‐Agri Challenge KYOTO 2021』が京都市内で展開中!

『Green‐Agri Challenge KYOTO 2021』が京都市内で展開中!

『Green‐Agri Challenge KYOTO 2021』が京都市内で展開中!

京都市では、農業を未来へとつなぐ「環境×農業」の新しい都市型農業の構築に向け、2021年度から環境保全型農業実証事業『Green‐Agri Challenge KYOTO 2021』をスタートしました。環境負荷を軽減しながら生産性や付加価値を高める「環境保全型農業」を推進するにあたり、化学合成農薬・化学肥料を5割削減する取組や、その際に生じる収量減少や労働力増加等を解決し得るアイデアを公募し、最終審査により3事業者の提案が採択され、実証を進めています。この記事では各事業者の2021年12月時点の途中経過をご紹介します。

株式会社カルテック

株式会社カルテック(本社:兵庫県丹波篠山市)は、カルシウムや微生物資材などを製造・販売する農業用資材メーカーです。1977年の創業以来、肥料の3要素と呼ばれる「窒素・リン酸・カリ」を足し算的に施用するやり方ではなく、「カルシウム供給」・「土壌の微生物」・「根の働き」を重視する『カルテック栽培』の普及に取り組んできました。

京都市

「根の生育を促進させる働き」や「細胞壁を強化する働き」のあるカルシウムは、作物の生育を左右する重要なミネラルで、腐れや軟弱徒長はカルシウム不足が一因です。『カルテック栽培』では、乳酸菌を主体とする微生物資材を用いた土作りを行い、根から元気な苗を育て、カルシウムを取り込みやすい形で与えることで、病害虫に負けないような樹勢を引き出すことを目指しています。

この実証事業では、『カルテック栽培』を実践することで「収量や品質のアップ」はもちろん、余分な肥料や習慣的な農薬散布を省くことで「コストや手間の削減」にも取り組んでいます。

京都市

試験区では樹勢が上がり、トマトの根が通路まで

初年度は、複数の農家の協力を得て、イチゴ・ミズナ・トマト・九条ねぎを対象に比較栽培を実施。土壌pH(酸性度=土壌のバランス)と土壌EC(電気伝導度=肥料や塩分濃度の指標)を測定し、圃場の状況や栽培する作物に合わせた対策を行いました。

京都市

左が試験区で右が対照区。九条ねぎでも根張りに違いが

夏場からの短期間では土壌の変化を語るのは難しいものの、取材先では2割増収したトマトや九条ねぎで「試験区の方が根張りや茎葉の伸長などが良好。根毛(ひげ根)の量が多い」といった感想が聞かれました。

株式会社カルテック
https://caltec.jp/

嵯峨地域農場づくり協議会

歴史的風土特別保存地区にも指定されている京都市右京区の嵯峨地域で、「稲穂たなびく景観の保全」や「生物多様性(トンボ類、ゲンゴロウ類、ホタルなど)の再生」に取り組んでいるのが、嵯峨地域農場づくり協議会です。

京都市

この地域でも農業従事者の高齢化や担い手不足は深刻な課題で、耕作放棄地が増えていました。また、労力を削減するという目的で使っていた化学肥料などによって「米の味」や「環境の質」が低下していたといいます。

そこで、嵯峨地域農場づくり協議会では数年前から減農薬・減化学肥料による米作りを推進。栽培したお米を『古今嵯峨米』と銘打って“環境にやさしく、おいしいお米”としてブランド化を図っています。

京都市

この実証事業では、地域バイオマス堆肥などを活用して化学肥料と化学合成農薬の5割削減を目指しています。

地域バイオマス堆肥は、竹林の間伐整備で出た「竹の稈をチップ化して発酵させた肥料」や竹の枝葉を京都市動物園の象に与え、その糞を原料とした「象糞堆肥」をベースに地域資源を有効活用しています。

京都市

これに加えて市販の下水道汚泥と生ゴミを発酵させた「超高温堆肥(YM堆肥)」や乳酸菌を海藻類でゲル状にした「ラクト・ゼリー」を用いることで、土壌内の有効菌の種類を増やして地力を高める取り組みを行っています。

『古今嵯峨米』は、2021年の品質検査で一等の評価を受けました。嵯峨地域農場づくり協議会は今後も環境保全型農業を軸に、お米の価値向上と地域の活性化に取り組みます。

嵯峨地域農場づくり協議会
https://www.facebook.com/KyotoSagaSustainableFarmCreatingCouncil/

国土防災技術株式会社

国土防災技術株式会社(本社:東京都港区)は「地すべり対策」などを強みとする総合建設コンサルタント企業です。事業内の緑化技術を高める中で、有機JAS認証の植物活性剤である『フジミン®(JASOM-160101)』を開発しました。この『フジミン®』には、通常森林の腐食土に多く存在する有機酸の一種である「フルボ酸」が高濃度で含まれています。

京都市

フルボ酸には土壌に吸着することによって植物が吸収できなくなったミネラルを土壌から切り離して植物に運ぶ効果があります。これをキレート効果といいます。この効果によって植物が肥料分を吸収しやすくなるだけでなく、土壌の緩衝作用によって急激なpHの変動の抑制や団粒化を促進する効果が期待できます。

フルボ酸は自然界にごく微量しか存在しない物質なのですが、国土防災技術が長年の研究の末、国内の豊富な森林資源を原料にフルボ酸を高濃度に含有した本製品の量産化に成功。国内外の緑化事業や除塩などの土壌改良に活用されています。

京都市

この実証事業では、肥料過多や連作障害などが課題の農地を、『フジミン®』を使って改善して減農薬や減化学肥料につなげようと取り組んでいます。

京都市

京都市内の複数の協力農家とともに、菜の花・すぐき・九条ねぎを対象に、『フジミン®』を散布する区画としない区画での収量や品質の変化などを検証しています。

協力農家からは「生育促進効果が見られ、実証試験前の土壌分析で数値が悪かった箇所でも、それを感じさせない生育だった」、「散布した畝は生育のバラつきが少ない」、「12月の土壌分析の結果から、環境が改善されていることを確認した」などの感想も報告されている。

国土防災技術株式会社
https://www.jce.co.jp/fujimin
 

◆お問い合わせ

<主催>
京都市(産業観光局農林振興室農林企画課)
〒604-8571京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488

<事務局>
Green‐Agri Challenge KYOTO事務局(運営:株式会社マイナビ)
E-mail:agri-challenge-kyoto@mynavi.jp

関連記事
京都市で減化学合成農薬・減化学肥料に取り組む実証支援事業―『Green‐Agri Challenge KYOTO 2021』がスタート
京都市で減化学合成農薬・減化学肥料に取り組む実証支援事業―『Green‐Agri Challenge KYOTO 2021』がスタート
京都市では、農業を未来へとつなぐ「環境×農業」の新しい都市型農業の構築に向け、環境負荷を軽減しながら、生産性や付加価値を高める実証支援事業―『Green‐Agri Challenge KYOTO 2021』をスタートします。

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

カテゴリー一覧