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売り上げ25億円でなお成長途上のグループ、始まりは0.5ヘクタールの耕作放棄地

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

売り上げ25億円でなお成長途上のグループ、始まりは0.5ヘクタールの耕作放棄地

熟練の技でおいしい農産物をつくるのは農業の魅力の一つだが、大型のハウスで事業規模を拡大するのもまた農業の醍醐味だ。それを他にあまり例のないスケールで追求している農業法人がある。サラダボウル(山梨県中央市)グループだ。代表の田中進(たなか・すすむ)さんにインタビューした。

年収7000万円の生保会社をやめて農業の世界へ

サラダボウルは田中さんが0.5ヘクタールの農地を借り受け、2004年に創業した。当初は主に露地で野菜を育てていたが、2013年に関連会社のアグリビジョン(山梨県北杜市)を設立し、3ヘクタールの環境制御型のハウスでトマト栽培を本格的にスタート。その後、各地に農場を広げてきた。

現在、山梨県のほか、兵庫、岩手、福岡の各県で合わせて7つの農場を運営している。いずれも他の事業会社などと共同出資の形をとっているが、株式の過半数はサラダボウルが所有している。主な売り先はスーパー。売上高は年25億円に迫り、野菜の生産では国内で有数のグループとなっている。

田中さんは実家が農家。ただ大学を出た後は家を継がずに銀行に就職し、次に外資系の生命保険会社で働いた。顧客のニーズに応える工夫を重ね、生保会社をやめる前の年収は7000万円と、会社員としては「超」のつく高収入だった。田中さんは「金融の仕事はいまでも天職だったと思う」とふり返る。

アグリビジョンの栽培の様子

アグリビジョンの栽培の様子(2016年撮影)

それでも会社をやめて農業を始めたのは、金融機関で働いてさまざまな経営者と接し、自分も起業してみたいと思ったからだ。「経営者がどれだけ情熱を持って事業に臨むかで結果は大きく変わる」。そう確信した田中さんは、「もうからない」と言われがちな農業に挑戦しようと心を決めた。

最初に借りた0.5ヘクタールは耕作放棄地だった。そこを再生して野菜を育てていると、まじめに農作業に向き合う姿が評価され、さらに農地が集まってきた。販売先からも「もっと出荷してくれ」と言われるようになった。サラダボウルの成長の歩みはこうしてスタートした。

創業からすでに18年。栽培方法や組織運営で工夫を重ね、7つの農場を一体的に運営できるだけのノウハウを確立した。経営のカギを握っているのは、売り先の需要へのきめ細かい対応だ。その一端を紹介しよう。

田中進さん

田中進さん。後ろに見えるのはアグリビジョン(2016年撮影)

ピークにあえて収量を抑えるわけ

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