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かぼちゃって漢字で書ける?名前の由来・ハロウィンとの関係など解説

かぼちゃって漢字で書ける?名前の由来・ハロウィンとの関係など解説

かぼちゃは世界中で昔から広く食されている野菜の一つです。もちろん日本でも一般的に親しまれていますが、皆さんは「かぼちゃ」を正しく漢字で書くことは出来ますか?ここではそんなかぼちゃの名前の由来や漢字での表記、その歴史について解説しています。身近なようで意外と知らないかぼちゃの奥深い世界を一緒に知っていきましょう。

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かぼちゃの名前の由来は?

かぼちゃという日本語の名前の由来は「カンボジア(Cambodia)」からだとされています。かぼちゃが日本に入ってきたのは天文年間(1532~55年)頃のことです。ポルトガル人によりカンボジアの産物として日本へ伝えられたのが始まりです。

最初はカンボジア産の瓜という意味で「かぼちゃ瓜」と呼ばれていましたが、やがて単に「かぼちゃ」と言われるようになりました。

他にもかぼちゃには南京(なんきん)、ぼうぶら、唐茄子(とうなす)、唐瓜(からうり)といった別名があります。南京の名前の由来はポルトガル船の寄港地として使われていた中国の「南京」から、ぼうぶらはウリ科の植物を表すポルトガル語の「abóbora (アボボラ)」が語源となります。

唐茄子、唐瓜はそれぞれ唐の国から伝えられたナス、瓜という意味で呼ばれるようになりました。

かぼちゃを漢字で書くと?

かぼちゃを漢字で表す場合、最も一般的なのは「南瓜」でしょう。これは「かぼちゃ」もしくは「なんきん」と読みます。

「なんきん」という場合には「南京」の字が使用されるケースもあります。名前の由来については上で述べた通りですが、南瓜の漢字があてられる理由には2つの説があります。

1つ目は南蛮の瓜だから南瓜だという説です。南蛮とは当時の言葉で南の外国という意味です。当時のポルトガル人やスペイン人は東南アジアを経由して日本へとやって来たため、彼らとの貿易を南蛮貿易と呼んでいました。かぼちゃはポルトガル人から伝えられたので南蛮の瓜、つまりは「南瓜」になったということです。

2つ目は中国語の「南瓜(ナングア)」をそのまま取り入れたとする説です。かぼちゃの名前の由来はカンボジアですが、それとは別に中国からも似た野菜が入ってきて「南瓜」という漢字があてられるようになったということです。

かぼちゃを漢字で表すという視点では前述した「唐茄子(とうなす)」や「唐瓜(からうり)」も含まれるでしょう。これらはそのまま唐の国のナス、瓜という意味で、かぼちゃを意味する言葉です。

かぼちゃの歴史は?

昔から世界中で広く栽培され食べられているかぼちゃですが、どのようにして生まれ、今のように家庭でも一般的に食べられる野菜へと変化していったのでしょうか。ここではかぼちゃの原産地や歴史について解説しています。

原産は中南米

世界各地で広く親しまれているかぼちゃの原産地に関しては以前から諸説ありました。ただ、近年の研究によりかぼちゃの原産地はメキシコとグアテマラ周辺の中南米地域であるというのが定説となりました。

かぼちゃの原産が中南米という結論が出るきっかけとなったのは、メキシコの洞窟の紀元前7000~5500年頃の地層からかぼちゃの種子が発見されたことです。

当時の品種は現在のかぼちゃと比較して果肉部は薄く繊維質で、水っぽく苦味も今より強かったそうです。古代メキシコ人にとってのかぼちゃの可食部は果肉ではなく、種子だったと考えられています。

土器を作る技術のなかった当時のメキシコ人は、かぼちゃの種子を炒って食べ、外果皮は水や食料を入れる容器として使用していたとされています。

その後、突然変異により生まれた甘い果肉のかぼちゃをアメリカの原住民が栽培し始めたことで、現代のような肉厚で甘みの強いかぼちゃが誕生したと考えられています。

日本でのかぼちゃの歴史は?

現在日本で流通しているかぼちゃには西洋かぼちゃ、日本かぼちゃ、ペポかぼちゃの3種類が存在します。日本におけるかぼちゃの栽培の歴史はおよそ1615年頃から始まり、中でも日本かぼちゃと西洋かぼちゃに関しては各地でさまざまな品種が作られました。

かぼちゃの名前の由来ともなったポルトガル人によって渡来したかぼちゃを起源としているのが、いわゆる日本かぼちゃです。日本かぼちゃは主に中部以南で発達し、様々な品種が作られてきました。「鹿ケ谷かぼちゃ」や「黒皮かぼちゃ」「菊かぼちゃ」などが有名です。

現代の日本で最も一般的に食されているのは西洋かぼちゃですが、これが日本へ入ってきたのは明治時代です。アメリカ合衆国から新しい品種のかぼちゃとして渡来しました。比較的低温に強い西洋かぼちゃは東北や北海道といった寒冷地で主に発展していきました。

「くりかぼちゃ」や「坊っちゃんかぼちゃ」はよく知られています。

ズッキーニや糸南瓜といったペポかぼちゃはさらにその後に入ってきました。

かぼちゃの種類は?

前述のとおり、日本で食べられているかぼちゃは、西洋かぼちゃ、日本かぼちゃ、ペポかぼちゃの3種類に分類されます。ここではそんなかぼちゃの種類についてそれぞれ特徴を交えつつ紹介しています。

西洋かぼちゃ

日本のスーパーマーケットなどに並んでいる、いわゆる普通のかぼちゃは西洋かぼちゃです。ほくほくとした食感と強い甘みが特徴的な品種で、現代日本人にとって最も馴染み深いかぼちゃの種類です。

夏場に収穫される夏野菜の一種ですが、長期間貯蔵できることや、冬至にかぼちゃを食べる習慣のお陰で冬の野菜だと思われがちです。

ちなみに冬至にかぼちゃの煮物を食べるという習慣は江戸時代からあるのだそうです。

日本かぼちゃ

日本かぼちゃは凹凸がはっきりしており、縦に深い溝のある特徴的な見た目をしています。西洋かぼちゃと比べると甘みは少なく、ねっとりとした味わいです。

日本かぼちゃは煮崩れしにくいので煮物や天ぷらに向いたかぼちゃの種類です。

ペポかぼちゃ

日本で一般的に親しまれているペポかぼちゃの例としてはズッキーニや糸南瓜が挙げられます。また、ペポかぼちゃは「おもちゃかぼちゃ」と呼ばれることもあり、その可愛らしい見た目から園芸作物としても好まれています。

ハロウィンのジャック・オー・ランタンのイメージの強い、オレンジ色の大きなかぼちゃもペポかぼちゃです。

かぼちゃとハロウィンの関係は?

日本でもハロウィンという文化が定着してきています。すっかりコスプレを楽しむイベントと変化してきているハロウィンですが、まだまだハロウィンといえばかぼちゃを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

本来ハロウィンは古代ケルト人の秋の収穫を祝う行事が起源であるとされています。元々のハロウィンでは蕪で提灯を作っていましたが、キリスト教の文化圏ではあまり蕪という野菜には馴染みがありませんでした。

そこで収穫量の多かったかぼちゃを蕪の代替品として使うようになったというのが、かぼちゃとハロウィンの関係の始まりです。その後、キリスト教とともにハロウィンが世界中に広まっていったことで、ハロウィンといえば「かぼちゃの提灯」といったイメージが一般化しました。

ただ、現在でもスコットランドやアイルランドといったケルトの風習の残る土地では、蕪を使ったハロウィンが行われているとのことです。

かぼちゃの由来や歴史を知ってさらに楽しく

15世紀の天文年間にカンボジア産の作物として日本に渡来してきたことが、日本語の「かぼちゃ」の名前の由来となりました。カンボジアという単語からかぼちゃと変化しました。

それ以降日本でも様々な品種が作られ、明治時代に渡来した西洋かぼちゃと合わせて一般家庭の食卓でもよく食べられる食材へと発展しています。

かぼちゃの歴史に思いを馳せながら、様々な品種を食べ比べてみるのもかぼちゃの楽しみ方の一つです。

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