かぼちゃの旬な時期は?
実は、かぼちゃの「旬」と「収穫時期」は異なります。かぼちゃの収穫時期は真夏~初秋にかけての期間ですが、旬となる時期は収穫から少し経過した秋~冬の寒候期とされています。
「旬」とは、自然の中で育った野菜や果物が美味しくなり、且つ栄養価が高くなっている時期を指します。基本的に野菜や果物は採れたてが最も美味しいため、収穫時期をそのまま旬とするケースが多いです。
しかし、かぼちゃの場合は収穫してからすぐに食べるより、数カ月ほど保管して追熟した方が甘みも栄養価も増した状態になります。そのため、かぼちゃの旬は収穫時期の夏ではなく、秋から冬の追熟が進んだ頃とされているのです。
「冬至の日」にかぼちゃを食べる風習は、追熟で栄養価が高まった美味しいかぼちゃを食べることで、免疫力をつける狙いがあると言われています。それほど熟成されたかぼちゃは美味しく、栄養価が高い状態になっています。
美味しいかぼちゃの見分け方は?
熟成された旬のかぼちゃは美味しいですが、より味にこだわるなら「見た目の状態」からも見分けることが大事です。
美味しいかぼちゃは皮が固く、本体がずっしりと重いというのが有名ですが、他にも成熟具合を見分けるポイントがあります。色や形、種などあらゆる部分からかぼちゃを観察し、最も美味しいかぼちゃを選びましょう。
色・形をチェック
美味しいかぼちゃは色艶が良くオレンジ色の斑点があり、且つ左右対称で形が整っています。印象の良くないオレンジ色の斑点は「ランドマーク」と呼ばれ、土に接していたために日光が当たらず緑色にならなかった部分です。
ランドマークは中の甘い果肉と同じ色をしており、オレンジ色が濃いほど熟している証拠になります。かぼちゃ自体の形も重要で、形状が歪なものは受粉不良の可能性があるため避けるべきです。ヘタ部分にも違いがあり、ヘタが大きいほど栄養をしっかり吸収して美味しいかぼちゃに育っています。
また、ヘタ部分が乾燥してコルクのような状態になっているものは、かぼちゃの追熟が十分に進んだ証です。かぼちゃの形や色で判別しにくい場合は、上のヘタ部分で見分けましょう。
種をチェック
半分または4分の1にカットされているかぼちゃの場合、種の大きさで判別できます。かぼちゃは種が大きいほど甘く美味しい状態に育っており、種が小さい場合は未熟なかぼちゃである可能性が高いです。カットかぼちゃは種を見て、なるべく種の大きいものを選びましょう。
皮と果肉の間をチェック
カットかぼちゃは、皮と果肉の間からも成熟具合が判別できます。皮と果肉の間が緑がかっているかぼちゃは、水分を多く含んでいる新鮮なものですが、採れたてということは未熟で甘みが少ない状態である可能性が高いです。
カボチャは成熟しているものほど甘みや栄養価があり、皮の部分にもオレンジ色が増えます。皮と果肉の間もオレンジ色で境目がはっきりと見え、皮が薄く見えるものを選びましょう。
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旬じゃないかぼちゃはどうする?
旬ではないかぼちゃを購入した場合でも、自分で熟成させれば美味しいかぼちゃにできます。かぼちゃを追熟させる際は、まずかぼちゃを新聞紙に包み、直射日光を避けて風通しの良い場所に置きましょう。
また、追熟中のかぼちゃは冷蔵庫で冷やすと傷んでしまう可能性があるので、必ず常温で保存してください。かぼちゃは長期保存がきく野菜であるため、10〜15℃位の温度なら2ヶ月ほど保存可能です。直射日光が当たる場所は避け、かぼちゃが冷えないように常温保存が可能な場所で追熟させましょう。かぼちゃの追熟期間は2週間〜1ヶ月が目安で、食べ頃になるとヘタ部分にヒビ割れ・へこみ・乾燥といった変化が現れます。
さらに皮の一部にオレンジ色の斑点が出ていれば、十分に熟成した美味しいかぼちゃとなります。ただし、色の変化はかぼちゃの品種ごとで異なる場合もあるので、ヘタの変化で熟成具合を見分けた方がより確実です。なお、カットしたかぼちゃの場合は常温保存が出来ないため、追熟が不可能な点に注意です。
そもそも、スーパーに売られているカットかぼちゃは、既に熟成しているものが大半なので追熟の必要がありません。逆に採れたてのかぼちゃを追熟する際は、自分でカットしてしまわないよう気をつけましょう。
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かぼちゃの美味しい食べ方は?
かぼちゃは甘くて美味しく、また栄養価も豊富なことから高い人気を誇る野菜です。和食だけでなく洋食や中華にも使われている野菜で、惣菜からスイーツまで幅広い料理に対応できるため、正にレシピを選ばない万能食材と言えます。
どんなレシピにも合うかぼちゃですが、ここでは特にかぼちゃを美味しく味わえる料理について紹介します。
煮物
煮物はかぼちゃの基本的な料理で、かぼちゃと調味料だけで作れるシンプルさが特徴です。かぼちゃ本来の味を堪能できるだけでなく、料理方法も簡単で初心者にも作れるのがポイントです。
シンプルな料理ゆえに梅やにんにくなど別の食材を合わせてアレンジを加えるのも簡単で、煮込むのが面倒な場合はレンジを使って手早く作ることもできるので、時間が無い人や料理が苦手な人にもおすすめできる食べ方です。
スープ
スープやポタージュなどの汁物に調理する食べ方です。かぼちゃを切ってスープの具材にしたり、ブレンダ―やミキサーなどで茹でたかぼちゃをつぶして、かぼちゃ自体をまるごと汁物にするなど、様々な食べ方があります。
スープはバリエーションが豊富な料理の一つで、材料や調理法を変えるだけで様々なアレンジが出来る上、料理自体も難しくないのがメリットです。一度の料理で大量のかぼちゃを消費できる他、調理方法によっては皮や種ごと使えてしまうため、余ったかぼちゃの使い道としても最適な食べ方です。
揚げ物
実に濃い甘みが詰まっているかぼちゃは、天ぷらやかき揚げなどの揚げ物にしても美味しいです。かぼちゃの天ぷらは、麺類などのおかずや天丼の具材などにも使えます。
みたらしやクリームチーズなどを使えば、天ぷら単品でも美味しいおやつになります。なすやいんげんといった他菜があれば、揚げ浸しなども作れます。天ぷら粉や片栗粉などの衣に使う粉と、天ぷらを揚げるための油があれば作れるので、家に常備している材料で簡単に出来るのもポイントです。
サラダ
カットまたはマッシュしたかぼちゃを他の食材と混ぜて、サラダにして食べる方法です。他の料理に加えて手の込んだレシピになりますが、調理方法自体は至ってシンプルです。合わせる食材や調味料を変えるだけで、簡単にバリエーションが出せるのも特徴です。肉から魚、野菜まで幅広い食材に馴染むので、残った野菜の消費にも最適です。
主食と一緒に食べる副菜にしたり、小腹がすいたときの軽食にするなど、幅広く応用できるおすすめの食べ方です。
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かぼちゃは成熟して美味しくなったものを食べよう
かぼちゃは病害虫も少なく栽培しやすい野菜のため、家庭菜園で育てているという人も増えています。
しかし、かぼちゃの旬を知らない人は珍しくなく、収穫してすぐに食べてしまうケースが多いです。旬のかぼちゃを味わうためにも、少し期間を空けてしっかりと追熟させてから、甘みも栄養価も増して美味しくなった状態で食べましょう。
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