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水田を畑地化で「2万円を5年間」助成、5年後に制度を再設計へ

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

水田を畑地化で「2万円を5年間」助成、5年後に制度を再設計へ

田んぼで5年間コメをつくらなければ、転作作物への助成を停止する――。麦や大豆などをコメの転作で栽培する農家が注目していたこの問題で、新たな助成策が固まった。完全に畑地化するなら、10アールで2万円の補助金を5年間出すのがその柱。新制度は畑作にどう影響するのだろうか。

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転作で2万円を5年間、交付金の一括受給も可能

見直しの対象になるのは、「水田活用の直接支払交付金」。田んぼの転作作物として麦や大豆、飼料用トウモロコシなどをつくった農家を対象に、これまで10アール当たりで年3.5万円を出してきた。

農林水産省は制度の運用を厳しくし、2022年から5年の間に一度もコメをつくらなければ、3.5万円を支給しない方針を表明していた。水田であることを前提に、転作を支援しているというのがその理由。5年続けてコメを作付けしないなら、そこを田んぼとは認められないというわけだ。

この決定に対し、一部の農家や産地から不安の声が出ていた。転作が長期間にわたって続いたことで、もうずっとコメをつくっていない地域も少なくないからだ。そして交付金の停止は、収入の大幅な目減りを意味する。

こうした事情を踏まえ、新たに設けるのが2万円を5年間出す制度だ。水田活用の直接支払交付金の対象から外れ、畑にすることを決めた農家を対象に2023年から支給する。10万円を一括で受け取ることもできる。

大豆の収穫の様子

大豆の収穫の様子

土地改良区からの離脱も資金支援

畑地化を支援する制度はほかにもある。畑地化を決めた農家に一回限りで出す交付金をこれまでより3.5万円増やし、10アール当たり14万円とする。「2万円を5年間」の交付金と重ねて受け取ることができる。

地域の用排水設備を管理している団体「土地改良区」から離脱する際の費用も助成する。

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