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大量生産や食品ロスに「ノー」、元気なトマトが映す若手農家の価値観

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

大量生産や食品ロスに「ノー」、元気なトマトが映す若手農家の価値観

農業経営にはさまざまな目標がある。かつては農業収入だけで家計を成り立たせるのが目標の時代があった。従業員を大勢雇い、事業を拡大するのを目指す人もいる。ではいまを生きる若い農業者は何を追求しているのか。ネイバーズファーム(東京都日野市)の川名桂(かわな・けい)さんに聞いた。

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途上国での体験を機に農業の世界へ

ネイバーズファームは開設が2019年3月。面積は3800平方メートルで、トマトをハウスで栽培しているほか、露地の畑でさまざまな野菜を育てている。売り先は農産物直売所や青果店など。畑の横に直売コーナーもある。

川名さんが農業の世界に飛び込んだのは、東京大学に在外中、途上国に行ったことがきっかけだ。訪ねた先は、フィリピンのサマル島。川名さんによると、現地の人々は自分たちを貧しいと思っていた。だが農業を中心にした暮らしを見て、川名さんは「貧しさを感じなかった」という。そこで感じたのは物質的な豊かさとは別の価値だった。その後もいくつかの途上国を訪ね、農業への関心を深めていった。

大学を出ると、農産物の加工や販売を手がける会社に入った。加工品の企画などの仕事を想定していたが、配属先は新たに立ち上げたトマトの栽培ハウス。そこで2年ほど働いた後、別の農家での研修を経て就農した。

農場がある場所を紹介しよう。新宿から京王線の急行に乗って西に向かい、30分ほどすると高幡不動駅に着く。駅を出て、家並みの中を約10分歩くと、目に鮮やかな白い栽培ハウスが現れる。これがネイバーズファームだ。農場を開く際、川名さんがとくにこだわったのは住宅街にハウスを建てることだった。その背景を聞いていくと、川名さんが何を価値と感じているかが浮かび上がった。

ハウス

ネイバーズファームのトマトハウス

鮮度を保って廃棄も防ぐ方法

川名さんの経営方針は、トマトの栽培ハウスで以前働きながら「これと逆のことをやりたい」と思ったことが柱になっている。

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