100軒以上のサツマイモ農家のネットワーク
芝山農園は50ヘクタールの畑でサツマイモやダイコン、ニンジン、サトイモなどを育てているほか、各地の農家からサツマイモやニンジンを仕入れて販売している。主な売り先はコンビニや生協、スーパーなど。ホームページのECサイトで干し芋などの加工品も販売している。
カフェの運営も手がけており、農園としての年間売り上げは約6億円。さらに野菜の加工会社など関連会社を合わせると、グループ全体の売り上げは年間約13億円に達する。野菜を中心に扱う農業法人としては有数の規模に入る。
篠塚さんは野菜の卸会社で約10年働いた後、2011年に実家で就農した。農業を始めてから取り組んだことのいくつかは、卸会社で温めた構想が下敷きになっている。それが事業を大きくするテコになった。
他の産地の生産者と産地リレーを組んだのはその構想のうちの1つ。卸会社で取引していた小売チェーンは棚に常に同じ野菜がある状態を保つため、時期をずらしながら各地から仕入れていた。野菜の欠品を防ぐための基本的な手法だ。

芝山農園の加工品の「芋けんぴ」
事業を成長軌道に乗せるため、篠塚さんは生産者の立場で同じことに挑戦した。サツマイモは北海道から鹿児島まで100軒以上の農家のネットワークをつくり、売り先に安定供給できる体制を整えた。ニンジンも九州や北海道から仕入れ、千葉で栽培できない時期を補うようにしている。
販売戦略上、産地リレーに意味があることは、農業に関わる人なら誰もが知っていることだろう。だが、いざ自分でネットワークをつくろうと思うと、多くの農家はどう始めたらいいかわからずに戸惑うのではないか。