マイナビ農業TOP > 就農 > 論文を聴きながら作業して栽培技術アップ、イラストも一流「究極の凝り性」

論文を聴きながら作業して栽培技術アップ、イラストも一流「究極の凝り性」

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

論文を聴きながら作業して栽培技術アップ、イラストも一流「究極の凝り性」

何かに夢中になれるのはステキなことだが、さらに妥協を許さずとことん追求できるならひとつの才能と言えるだろう。それを、複数の分野で実現している人がいる。千葉県旭市にある伊藤農園の7代目で、イラストレーターでもある伊藤雅敏(いとう・まさとし)さんを取材した。

twitter twitter twitter

両親を「格好いい」と思って就農

伊藤農園ではマスクメロンとナス、トウモロコシをハウスで栽培している。メロンは自宅の直売所で販売しており、「値段は格安」(伊藤さん)。「おいしいものをすべての人に食べてもらいたい」という両親の考えからだ。百貨店でも販売しているが、こちらは数倍の値段で売れている。

就農したのは2020年。それまでは消防士の仕事をしていた。実家を継ぐことにしたのは、顧客からの1本の電話がきっかけだ。「伊藤農園のつくったものはみんなおいしいから、何でも売ってほしい」。そんな話を聞いて、伊藤さんは「両親がすごく格好良く見えるようになった」という。

ナス

伊藤農園のナス(写真提供:伊藤雅敏)

伊藤さんには3人の子どもがいて、消防士の仕事は収入が安定していた。一方、農業は台風などで一度に大きな損害が出ることもある。「自分が継がないと、この家はどうなるのか」と就農に気持ちが傾くこともあったが、生活のことを考えると、決心がつかなかった。そんな中、顧客の一言が背中を押した。

意を決し、両親に「継がせてほしい」と伝えた。父親はまず、「甘いもんじゃないぞ」と一言。さらに「うちはマスクメロンとナスがメインだ。そこで天下をとるまでは、新しい野菜をつくるな」と念を押した。主力の品目でしっかりと技術を身につけるまで、他の農産物に手を広げないよう戒めた。

伊藤雅敏

伊藤雅敏さん

秀品率が飛躍的に向上

では就農から4年目のいま、伊藤さんの栽培技術はどこまで高まったのだろうか。秀品率を通してそのことを確かめてみよう。

伊藤農園では、「一木一果(いちぼくいっか)」と呼ばれる栽培方法でメロンを育てている。

あわせて読みたい記事5選

関連キーワード

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

公式SNS

「個人情報の取り扱いについて」の同意

2023年4月3日に「個人情報の取り扱いについて」が改訂されました。
マイナビ農業をご利用いただくには「個人情報の取り扱いについて」の内容をご確認いただき、同意いただく必要がございます。

■変更内容
個人情報の利用目的の以下の項目を追加
(7)行動履歴を会員情報と紐づけて分析した上で以下に活用。

内容に同意してサービスを利用する