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適正価格を実現するカギ、「生産者と消費者との距離をいかに縮めるか」

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

適正価格を実現するカギ、「生産者と消費者との距離をいかに縮めるか」

ウクライナ危機や円安を背景にした資材価格の高騰で、農業経営が圧迫されている。そんな農業の実情を消費者に知ってもらい、持続可能な農産物価格を実現しようと、農林水産省が「フェアプライスプロジェクト」という取り組みを進めている。プロジェクトのアンバサダーであるお笑い芸人のなかやまきんに君さんも参加して開かれたイベントを取材した。

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持続可能な価格の実現が目的

農水省がホームページに掲げているフェアプライスプロジェクトのコンセプトは「売る人にも、買う人にも、育てる人にも。フェアでいい値を、考える。」
3者がWin-Winの関係になれる価格を実現するのが目的だ。

とくに重視しているのが、生産の持続可能性。「なるべく安い方がいい。けれど、そればかりでは、作る人や育てる人の暮らしが立ち行かない」とし、安さを第一に考える消費行動では農業の未来が危うくなると訴えている。

活動の柱は2つある。コストアップに直面する農業の現状に関する情報を農水省ホームページで伝えることと、消費者を農場に集めて開く体験イベントだ。前者については、肉用牛や茶、野菜などを育てる農家の肉声を撮影した動画や、コスト構造を解説する文章を公開し、理解を求めている。

フェアプライスプロジェクトを推進する農水省

酪農のコストをイベントで体感

筆者が今回取材したのは、2023年8月20日に開かれたイベントだ。7組の家族(計21人)が参加し、加茂牧場(千葉県八千代市)で乳搾りや餌やりを体験した。牧場代表の加茂太郎(かも・たろう)さんが酪農について説明し、プロジェクトのアンバサダーのなかやまきんに君さんが場を盛り上げた。

酪農体験の後は、同じ市内の「やちよ農業交流センター」に場所を移し、加茂さんとなかやまきんに君さん、農水省でプロジェクトを担当する藤田将史(ふじた・まさふみ)さんがトークセッションをくり広げた。主な発言を紹介しよう。

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