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岩手県一関地方の就農サポート体制と若きミニトマト生産者の躍進が描く、成功へのプロセス

岩手県一関地方の就農サポート体制と若きミニトマト生産者の躍進が描く、成功へのプロセス

岩手県一関地方には新規就農者が安定経営へと着実に歩みを進めるために確立された緻密なサポート体制が整備されています。マイナビ農業ではこれまでにも、その手厚い支援内容や、先輩就農者が成功を収める様子を紹介してきました。今回フォーカスするのは「ミニトマト」。地域のベテラン生産者のもとで学び、今ではミニトマト部会の部会長を務める若きファーマーと、非農耕地に隔離土耕栽培を導入し県内トップクラスの反収をあげる元エンジニアが今回の主人公です。2人の姿から、行政、JA(農協)などの関係機関が連携し、強力なサポート体制を提供している岩手県一関地方の農業の魅力を再発見しましょう。

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成功の背後に熟練者のサポートあり。ベテラン生産者と連携する新規就農者への支援体制

就農5年目を迎えた熊谷 弘司さん

一関市と平泉町で構成される岩手県一関地方は、広大な農地と温暖な気候が魅力です。水稲、野菜、花き、畜産など多岐にわたる農業が盛んで、若手生産者の活躍も際立っています。

彼らの成功の裏には、ベテラン生産者と行政が提供する「新規就農トータルサポートシステム」があります。システムの一環である「新規就農ワンストップ相談窓口」を通じ、就農相談や就農前研修、助成事業などの支援制度が一体的に運用され、新規就農者を手厚くサポートしています。

一関市室根地区でミニトマト農家を営む熊谷 弘司(くまがい・こうじ)さんもその支援制度を受けたひとりです。宮城県気仙沼市出身の熊谷さんは農業系の大学を卒業後、いつかは農業を生業にしたいという思いを抱きながら飲食店などさまざまな仕事を経験。2018年、30歳を迎えたことを機に一念発起し、実兄が菌床シイタケ栽培で先に新規就農していた一関市での移住就農を決意しました。

     

「見知らぬ土地での就農には不安もありましたが、一関地方のワンストップ相談窓口を利用したことで、就農までの道のりをスムーズに進めることができました。市の制度(※)によりJAいわて平泉の臨時職員として働きながら研修をし、独立就農に向けて準備ができたこともありがたかったです」

※一関市が実施する新規学卒者等就農促進支援事業

と、話す熊谷さんがミニトマトを栽培品目に選んだのは、新規就農者でも比較的栽培がしやすく、面積あたりの収益が高いことが理由です。

「ワンストップ相談窓口での面談後、すぐに研修を始めた私の場合、年度途中からのスタート(※)だったので、春先の管理を経験できなかったことが後の営農に影響しました。しかし、地域農業を牽引する“師匠”のもとで栽培や営農を学べたことは今でも私の大切な財産です」

※現在の一関市新規学卒者等就農促進支援事業は相談時期を問わず、新年度(4月)からのスタートになります。

熊谷さんが師と仰ぐのは、藤村 照豊(ふじむら・てるとよ)さんです。当時、ミニトマトの部会長を務めていた藤村さんは、就農前の研修生のほか、岩手県立農業大学校の農家派遣実習生を毎年受け入れており、地域の農業振興に尽力しています。

県外出身の熊谷さんを支えたのは、藤村さんをはじめとした地元農家の支援です。移住者にとってハードルが高いほ場や住居探しも、藤村さんのおかげで見つけることができたと熊谷さんは言葉を続けます。

「師匠の人脈で、先輩農家さんとの関係を築くことができました。就農5年目を迎えた今でも気にかけてくれる方ばかりなので、不安なく農業に邁進することができます」(熊谷さん)

「技術や知識は研修によって身につけることができますが、弘司君のように他県から移住となると、地域に溶け込むことが大切です。ミニトマト部会に参加したり、地域のお祭りに参加したりすることで関係性を築いていった弘司君は、あっという間に地域の一員になってくれました」(藤村さん)

熊谷さんをはじめ、新規就農者の研修を受け入れている藤村 照豊さん

藤村さんのもとで栽培技術を学び、2019年に念願の独立就農を果たした熊谷さんですが、この年の10月、一関地方は台風に見舞われ、熊谷さんのハウスは水浸しに。この他にも病気の発生や着色不良などがあり、初年度は苦労の連続だったと当時を振り返ります。

「トラブル対応に苦労したのは、年度の途中からの研修だったことも少なからず影響していたと思うので、年間を通して研修を受ける必要性を強く感じました。師匠から“最初の年にあらゆる困難を経験したのだから、この先はどんなことでも乗り越えていけるね”と言葉をかけてもらえたことが支えになりました」

藤村さんの言葉の通り、翌年以降は順調に反収を伸ばし、現在は一関地方では最大の面積となる27アールの経営面積で、延べ20人のパートさんを雇用する熊谷さん。

「今後は1年を通した雇用ができるよう、パートさんが働きやすい環境を整備していきたいと考えています。暑さ対策や時間の使い方などを工夫しながら、少しでも作業効率を上げていくことも課題です」

と、抱負を語る熊谷さんに、師匠の藤村さんはエールを送ります。

「今年からミニトマト部会の部会長を任せた弘司君は、新規就農者のロールモデルのような存在です。彼のような若手が地域の農業を支え、地域を盛り上げてくれることが理想。その実現のため、私たちは技術や知識を全て伝授する覚悟です。ぜひ、弘司君には頑張ってもらいたいですね」(藤村さん)

熊谷さんは、地域農業を支えるリーダーとして期待されています。

一関地方では地域のベテラン生産者の技術指導の他、JAいわて平泉や一関農業改良普及センターなど関係機関が連携を図り、就農後も巡回指導を行っています。この手厚い支援体制こそが一関地方で就農をする最大の魅力。熊谷さんのような他県からの移住就農者も孤立することなく農業の夢を実現することができます。

元エンジニアがミニトマト農家に転身。成功のカギは当たり前のことを丁寧に

エンジニアから農家に転身した就農3年目の佐藤 大輔さん

一関地方の新規就農トータルサポートシステムを活用し、独立就農を果たした就農3年目の佐藤 大輔(さとう・だいすけ)さんは、一関市出身の元エンジニアです。地元企業から関東に転勤し約20年間、品質管理のエンジニアとして働いた後、家業の原木シイタケ農家を継ぐため2019年に新規就農ワンストップ窓口を訪れました。

「最終的には父が営む原木シイタケ栽培を継承する意志を伝え、繁忙期が被らない作物は何かを相談しました。そこで勧められたのがミニトマトです」

熊谷さん同様、一関市新規学卒者等就農促進支援事業を利用し、2020年4月から1年間の研修をスタートした佐藤さんにとって、野菜の栽培は全てが初めての経験でした。1年を通して学べたことで、自分に合った営農スタイルを見つけることができたと話します。

     

「ほ場の特性を把握し、栽培マニュアルを参考にしながらまずはやってみて問題点をチェックし、改善を繰り返す。つまりはPDCA(※)です。品質改善の考え方は産業の垣根を超え農業にも適用できることに気付きました」

※PDCA:「Plan(計画)」、「Do(実行)」、「Check(評価)」、「Action(改善)」。計画を実行後、結果を検証するプロセスを継続して行うことで、品質を向上させるマネジメント手法のひとつ

佐藤さんはミニトマトをJA全農が開発したトロ箱溶液栽培システム「うぃずOne」で栽培しています。自宅前の土地はかつて駐車場で砕石が敷いてありましたが、隔離土耕の「うぃずOne」なら栽培ができることから、ここにハウスを建てることを決意。この栽培方法により、現在、3.6アールのハウスで年間約2.8トン(反収7.7トン)のミニトマトを出荷。この数字は岩手県内で「うぃずOne」によるミニトマト栽培を手掛ける約30件の農家の中でもトップクラスを誇ります。

トロ箱溶液栽培システム「うぃずOne」によるミニトマト栽培

「反収を引き上げることができる理由をよく聞かれるのですが、特別なことはしていません。作物の状態に合わせて、肥料や栽培環境を調整し、適切に管理することを心がけているだけです。また、生産部会をはじめ、お世話になった研修先の農家やJAの方が就農後もサポートしてくれることが安定収量につながっています」

一関地方の新規就農トータルサポートシステムによる手厚いサポートを、身をもって知っている佐藤さんは、農業を志す自身の後輩にも制度を紹介。現在、ワンストップ窓口での相談や面談を行っており、まもなく新しい仲間が増える予定です。

「研修制度をはじめ各種補助、手続きに至るまで、1つの窓口で対応してもらえたことが心強かったです。農業を始めたくても技術面での不安から一歩を踏み出せない方がいるかもしれませんが、一関ならその心配はありません。もちろん、就農後のサポートもあり安心です」

と、太鼓判を押す佐藤さんは反収をもう一段引き上げるとともに、原木シイタケ栽培との両立をすることで経営の安定化を図ることを目標としています。

「手をかけた分だけ応えてくれる農業は、“どうしたいのか”、“どうなりたいのか”を考え、それを軸に現実とのすり合わせをすることが大切だと思います。農業に最適解はありません。より良い状態を目指すためにも、今後は新しい技術にもチャレンジしていきたいですね」

若手生産者が安心して農業に取り組むことができ、新たなことにチャレンジできるよう、一関地方は新規就農者に的確なアドバイスや技術指導を提供し、成功への道を照らしてくれることでしょう。

一関地方新規就農者募集!手厚いサポートと関係機関の連携であなたの夢をサポート

     

一関地方では農業の新たな担い手を育成することを目的に、農業を志す方への支援を行っています。その入口となるのが「新規就農ワンストップ相談窓口」です。

「ワンストップ窓口では、就農に関する情報提供、適切な研修先の紹介、助成金や支援プログラムの案内、各種申請手続きのサポートなど、新規就農者が必要とするさまざまなサービスを提供しています。まずは気軽に問い合わせしていただければ幸いです。関係機関が力を合わせ、成功を支えます」

と、新規就農者へメッセージを送るのは一関市役所農政推進課の中机 匠(なかつくえ・たくみ)さんです。

一関市役所農政推進課の中机 匠さん

一関地方の新規就農支援体制は、農業を志す方を全力で応援します。一関で新たな一歩を踏み出し、地域農業を盛り上げたい方はぜひ、「新規就農ワンストップ相談窓口」に問い合わせてみてくださいね。その一歩が大きな躍進へとつながることでしょう。

▼新規就農ワンストップ相談窓口の問い合わせはこちら

一関地方農林業振興協議会
(構成機関)
・一関市農林部農政推進課 TEL:0191-21-8225
・平泉町農林振興課 TEL:0191-46-5564
・JAいわて平泉営農部営農振興課 TEL:0191-34-4001
・岩手県県南広域振興局農政部一関農林振興センター TEL:0191-26-1413
・一関農業改良普及センター TEL:0191-52-4961

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