農業界の第一線を走り続けるシブヤ精機 令和の時代に目指すビジョンとは?
シブヤ精機株式会社は、澁谷工業株式会社を中心とした澁谷グループに属しており、グループ全体でサプライチェーンにおけるFA(ファクトリー・オートメーション)システムを展開しています。
同社は、選果機システムでダントツの国内シェアを誇り、更に食品加工業界に向けたソリューションの提供を行っています。
「私たちシブヤ精機は、これまでに培った技術と実績に加え、AIや食品加工など、幅広く最新技術を組み合わせることで、これからの世界に求められる“食の総合プランナー”を目指す取り組みを進めています」と話すのは、同社新市場開発本部 部長の青島智彦さん。
食品加工業界では海外情勢の変化による原材料の高騰などで、生産から製造、販売に至るサプライチェーン全体の効率化が喫緊の課題ですが、その解決策の一つがAI技術です。
2017年より、シブヤ精機はAI(ディープラーニング)の開発・検証に着手していました。そこで、2023年7月に新たにAI技術センター部門を独立し、あらゆる環境にも対応できるより精度の高いAI技術の研究開発を行っています。
単なる選果機メーカーを脱し、生産・選別・加工・包装・流通といったサプライチェーン全てに対し伴走型のソリューションを展開する“食の総合プランナー”として、シブヤ精機は省力化・効率化にむけて日々挑戦し続けています。
クライアントにあわせ“育てる”AI搭載型外観センサー
シブヤ精機のAI搭載型外観センサーには他に類を見ない特長が数多くあります。
既存の外観センサーでは、事前に決められた計算式を用いる『ルールベース画像処理』が主流です。このルールベース画像処理は選別や検査において、各クライアントの細かい要望に対応できないという問題がありました。
この問題を解決するため、シブヤ精機はAI搭載型外観センサーに以下のような特長を持たせることで問題解決を実現しました。
・超高速処理に対応
・AI処理エンジンは全て自社製
・従来型のルールベース画像処理と組み合わせた統合判定
・マルチモデル対応
AI処理エンジンを自社制作することで、ルールベース画像処理では困難な検査にも対応できる高度な柔軟性を持たせることに成功しました。加えて、既存システムを凌駕する『処理の高速化』も実現。これは最大の特長であり強みともいえます。
そして、シブヤ精機のAI搭載型外観センサーでは、最大6台のカメラによる全集計測で、これまでの常識を覆す10個/秒以上のリアルタイム処理を実現しました。従来のルールベース画像処理とAI処理を組み合わせた統合判定も可能であり、これまで蓄積した知識や経験を活かしながら、最新のAIの機能も使用できる省コストで効率的な選果・選別が可能です。
更にはマルチモデル対応により、特徴の異なる検査もAIモデルを複数使用することで、これまで目視に頼っていた傷害や病害の検査を一度の処理で可能となります。
しかし、これらの特長があったとしてもAIを有効活用するには不完全と言えます。
AIは、導入当初はまったくの未経験者のようなものであり、クライアントにあわせて頭脳を育成することが最も重要です。
どんなに優れたスペックであっても、育成次第ではクライアントの求める判定を行うことのできないAIになってしまいます。理想とするAIの育成には数カ月から1年単位での時間が必要になることもあり、初めてAIを導入する方にとっては高いハードルと言えるでしょう。
そのため、シブヤ精機では長年選果機メーカーとして培った農作物の膨大な知識やノウハウをAI育成に転用し、お客様と共に”AIを育て上げる育成力”を武器として、AI検査システムを展開しています。
「スペックが万能な人材であっても、会社の規則や業界のルールを知らなければ、会社の即戦力としてすぐに活躍することはできません。同様に、AIもクライアントのルールや基準を覚えるところからはじめて、しっかり育てることが大切になるのです」と、青島さんはお客様に寄り添ったカスタマイズの重要性を強調されました。
現代においてAIを活用した検査システムはすでに多数展開されているものの、期待していた性能が出ずAIの利用を諦めている方もいます。
これらは、システムを導入した方がAIの育成を充分にできなかったことが大きな原因とされているのです。
シブヤ精機は、データ収集ツールの提供や導入時のコンサルティングといった導入支援を行うことで、AI育成に対してのハードルを下げ、安心して設備導入できるような体制づくりを構築しています。
こうした革新技術の開発と産地導入の取り組みが評価され、一般社団法人農業食料工学会の2023年度学会賞において、「AI選果システム」が開発賞を受賞しました。
食品加工においての幅広い導入事例を紹介!
シブヤ精機のAI技術の活用は農業分野に留まりません。
AI搭載型外観センサーは「サンプルを取り出して分析する」のではなく、非破壊で検査が可能であるというのも特長です。この特長を生かすことで、生産ライン上の製品が規格に適っているかをチェックすることも可能となります。
総菜の盛り付けや食肉パックの検品において、食肉への異物混入やラップ・パックへのかみ込みがなく、見た目も奇麗に詰められているかを学習したAIがチェックを行うことで、従来人が目視で行っていた検査の自動化に期待が寄せられています。
盛り付けは、見た目が奇麗かどうかという人間の感性による判断が必要とされる検品のため、代替となる検査装置がなく課題となっていましたが、シブヤ精機の培った知見によって、AIに人間の感性に近い判別を行わせることも実現しています。
更に、検査装置にAIを組み込んだスマート検品システムは、人間の感性に近い選別だけでなく検査結果のデータ化も可能とします。これにより、商品の品質向上や工程内の問題点の早期発見を実現し、生産ラインのDX化に大きく貢献することもできます。
シブヤ精機のAI技術は、食品加工においても幅広いソリューションを展開し、より多彩な業界への応用が可能なシステムなのです。
シブヤ精機が目指す「サプライチェーン改革×未来の農食産業」
AI技術による生産現場や加工現場の効率化への貢献は、日本の農食産業における持続可能な物流システムの最適化に向けたチャレンジだと同社の二宮和則さんは話します。
日本の流通において、加工業務用野菜は生鮮野菜としてまとめて出荷され、流通の流れのなかで選別されています。
加工業務用野菜のニーズが高まった現在、このような生鮮野菜中心のサプライチェーンでは検査や梱包などに多くの無駄が生じ、非効率として課題となっていました。
そこでシブヤ精機のAI技術を活用することによって、これまで出荷した業界・業者ごとの農作物のデータを集約し、規格に適っているかどうかだけでなく出荷先のニーズをもとにした選別も可能になります。
AIによって収集した各業界の各業者がどのような食材を必要としているかといったデータは、つまり『どの食材が売れるか』を示すデータにもなります。これらは、生産者側にとってマーケティングとして使えるデータとなるのです。
実需者のニーズに合わせて産地や生産者が効率的に農産物を生産・供給することでロスが減り、収益性の高い農業生産も可能となります。そんな最適化システムをシブヤ精機は目指しています。
食品加工分野においてもシブヤ精機は注力しています。その中で今注目されている過熱水蒸気式焼成機 JESTOS(澁谷工業製)の紹介をいたします。
JESTOSは「過熱水蒸気式焼成機」という名前の通り、過熱水蒸気で食材に熱を通す食品加工機械です。その特徴は、過熱水蒸気で「焼く」という調理ができること。
火を使って「焼く」場合は油が必要であったり、焦げなどが生じて味や食感を損なうことがあり、また用途も限られます。一方で水で「煮る」「茹でる」場合は煮崩れしたり食感を損なうほか、栄養分が湯水に流れることもあります。それらの心配が無いのが、水蒸気で熱を通すJESTOSなのです。
現在では、さらに技術が進歩し、冷凍食品やミールキットに使われる野菜の高付加価値化を実現できるようになりました。
更に過熱蒸煎工程に繋ぐことで、製造工程で発生する食品残渣や規格外で処理される食材を「過熱蒸煎パウダー」に加工することもできます。
過熱蒸煎パウダーは、食材を過熱水蒸気で粉末状にしたもので、そのまま食材として使うことはもちろん、調理の味付けとして、あるいは飼料や肥料にも使えます。JESTOSだからこそ生鮮状態の「栄養価を維持する」ことが可能なので、加工食材や料理に使うことで栄養素を付加することも可能です。
過熱蒸煎パウダーは既存のサプライチェーンはそのままに新たな販路開拓が期待できるなど、事業拡大の可能性を秘めています。そして、世界で求められている「持続可能な循環型システム」の構築に貢献することにもなります。
シブヤ精機の取り組むAI技術の発展や食品加工における加工野菜の高付加価値化は、サプライチェーンの発展に大きく寄与し、今後も農食産業にイノベーションを起こしていくことでしょう。日本の食を牽引していくシブヤ精機の取り組みに、注目してみてはいかがでしょうか。
シブヤ精機の一員として、日本の農業を変えませんか?
日本の農業現場は、人手不足といった国内の課題と変化が著しい海外情勢によって、今後も急速に変化していきます。
そんな変わりゆく日本の農業ですが、安全で美味しい食を消費者に届け続けることは、変わらず維持しなければいけません。
シブヤ精機は、選果・選別システムで日本のシェアトップを走る先駆者だからこそ描ける未来があり、だからこそできるチャレンジがあります。
シブヤ精機のチャレンジに共感された方、興味を持たれた方、『自分の能力を活かしたい』と感じられた方、ぜひシブヤ精機の一員として、日本の農業とサプライチェーンをより良くしませんか。
皆様のご応募をお待ちしております!
【問い合わせ先】
浜松本社/〒435-0042 浜松市東区篠ヶ瀬町630
松山本社/〒791-8042 松山市南吉田町2200
【製品に関するお問い合わせ】
新市場開発本部/部長・青島
info2@shibuya-sss.co.jp
TEL:053-421-1214
FAX:053-421-4036