第3話:休眠覚醒を利用したノビエ防除
【まとめ】稲刈り後の散布で発芽させたノビエを一掃、水に溶けて作用する雨前・雨後が絶好のタイミング
休眠覚醒とは、休眠中の種子などに特定の刺激を与えて活動状態にすることです。
石灰窒素の農薬成分シアナミドには、殺虫、殺菌、除草に加えて、雑草の種子を休眠覚醒させる効果が認められています。この効果を利用して、作物が植えられていない水田でノビエの種を一斉に発芽させて一網打尽にするのが、休眠覚醒を利用したノビエ防除です。
覚醒したノビエの種子が発芽する条件として、18℃以上の平均気温が15日続くことが必要です。そのため、多くの地域で稲刈り後の秋に行うのが一般的。
方法は、湿田または半湿田の状態で、粒状石灰窒素(40~50kg/10a)を圃場全面に散布。ノビエの種子が発芽したところで、すき込むか、冬の寒さで枯死させるか、あるいは除草剤で処理します。
石灰窒素の農薬成分シアナミドは水に溶けて作用し、ノビエの種子を接触して休眠覚醒効果を発揮するので、雨降直前・直後に散布し、水田が稲わらで覆われている場合は浅くかき混ぜるように耕うんします。休眠覚醒を利用した防除は、毎年行うとより効果的です。
マンガでわかる石灰窒素シリーズ、次回は「稲わらの腐熟促進」です。
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