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キツイ言葉を嫌がらず糧にする、ベテラン農家が戒める「仲良しこよし」

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

キツイ言葉を嫌がらず糧にする、ベテラン農家が戒める「仲良しこよし」

作物の品質への厳しい評価を聞くのは、農家にとって必ずしも心地いいことではない。ベテランと言われる年齢になればなおさらだろう。だがシビアな言葉に真摯(しんし)に向き合うからこそ、栽培技術を高め続けることができる。東京都清瀬市でセロリを育てる並木猛(なみき・たけし)さんを取材した。

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父親の死で農業に向き合う

並木さんは57歳。畑の面積は70アールで、そのうち20アールのハウスでメインの作物であるセロリを育てている。セロリの端境期にハウスで枝豆を育てているほか、露地でトウモロコシやニンジンなどを作っている。

セロリの収穫時期は3月下旬から約2週間で、出荷先は東京都中央卸売市場の中でも青果の取引量が最も多い大田市場。並木さんのセロリの販売価格は、同じ時期の一般的な値段と比べて1~3割程度高い。卸会社のバイヤーが品質を高く評価してくれているからだ。

並木さんは21歳のとき実家で就農した。当時の主な品目はダイコンやニンジン、サトイモなど地元で一般的なもの。農作業は父親が中心で、並木さんによると「父に甘えていた」。農業にはあまり身が入らず、アルバイトをしていた。

転機は30代半ばに訪れた。父親が亡くなったのだ。「おれ、サラリーマンをやってみようかな」。友人に相談すると、「サラリーマンをなめるな」と諭された。「本気で農業をやらないとダメだ」。並木さんはそう覚悟を決めた。

セロリを袋詰めする様子

セロリを袋詰めする様子

本気で農業をやるために2度目の研修

これからは本気で農業をやる――。そう決意した並木さんは、東京都江戸川区でセロリを栽培するベテラン農家を訪ねた。20代前半のとき、「父親とは違う農業を知りたい」と思い、1年ほど研修に行ってみた先だった。

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