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「素人でも休耕地活用し地域貢献したい」。農業参入企業の要望に応えた作戦

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

「素人でも休耕地活用し地域貢献したい」。農業参入企業の要望に応えた作戦

新たに農業を始める人にとって、適切にアドバイスしてくれる人の存在は重要だ。とくに一定以上の事業規模を前提とする企業参入の場合、コンサルタントなどの助言がとても大切になる。2023年に農業に参入した金属リサイクル会社、武蔵野金属(埼玉県越谷市)の事例からそのことを考えてみたい。

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デザイナーとコンサルタントがアドバイス

武蔵野金属は、鉄製のスクラップを細かく切断し、製鋼所に提供するリサイクル事業を手がけている。そんな農業の素人である企業が、2023年に農業プロジェクトを立ち上げた。埼玉県久喜市で2ヘクタールの農地を借り、そのうちの0.3ヘクタールで同年5月にサツマイモの栽培を開始。7月にはさらに0.1ヘクタールのハウスも建ててトマトを育て始めた。

プロジェクトの名前は「スコップ」。デザイン事務所を運営する浅野恭弘(あさの・のりひろ)さんを交えて事業のコンセプトを練り上げ、ロゴのデザインなどを決めた。そのことについては、以前この連載で紹介した。

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浅野恭弘

浅野恭弘さん

一方、栽培品目や販売方法については別の人物のアドバイスのもとで進めた。やはりこの連載で前に取り上げた土屋仁志(つちや・ひとし)さんだ。

土屋さんは武蔵野銀行(本店さいたま市)で異業種の農業参入のサポートなどを担当した後、2021年に加須畜産(埼玉県加須市)に転職。同社の「あぐり×ばんく事業部」で、農業分野のコンサルティングを手がけている。

土屋さんは浅野さんとも連携しながら、農業参入の仕方について武蔵野金属にアドバイスした。今回は土屋さんがどう指導したのかを解説したい。

土屋仁志

土屋仁志さん

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武蔵野金属は地域に貢献することを目標に掲げて、農業への参入を決めた。同社が借りた2ヘクタールの農地は多くが休耕地。それを再生させて、地域に密着した農場に育てることを目指している。

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