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「なんとなく法人化」「いきなり自分で6次化」はNG。累計実績1000件の農業コンサルの助言

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

「なんとなく法人化」「いきなり自分で6次化」はNG。累計実績1000件の農業コンサルの助言

農家が販路の拡大などを目指したり、一般企業が農業に参入したりするとき、誰に相談すべきだろう。必要としているのは、農業の実情への理解に基づいた的確なアドバイスだ。金融機関で農業を担当した経験を踏まえ、コンサルティングを手がける土屋仁志(つちや・ひとし)さんを取材した。

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銀行員で農業を担当して転職

土屋さんは、養豚業の加須畜産(埼玉県加須市)のCFO(最高財務責任者)として経理や総務などの仕事をする傍ら、同社のあぐり×ばんく事業部を担当して農業と他産業とのビジネスマッチングを手がけている。

前職は銀行員。武蔵野銀行(本店さいたま市)に16年間勤め、そのうち10年半は農業分野を担当した。販売先の確保など生産者の支援に加え、特に依頼が多かったのが異業種からの農業参入のサポートだった。

銀行をやめて農業界に転じることにしたのは、行内で経営に関わる仕事に就く年次になり、農業現場を離れざるを得なくなる可能性が出てきたからだ。「現場で生産者と一緒になり、農業にもっとどっぷりつかりたい」との思いを強め、2021年3月に退職した。

加須畜産を選んだのは、社長の田口和寿(たぐち・かずひさ)さんと交流があったからだ。入社は2021年4月。「銀行でやっていたことをうちで生かしてほしい」という田口さんの言葉に背中を押され、あぐり×ばんく事業部を立ち上げた。

セミナーに登壇した土屋仁志さん

人的なネットワークが強み

あぐり×ばんく事業部の対象は多岐にわたる。農家の経営改善、資金調達、販路開拓、事業承継に関するアドバイス、異業種の農業参入の支援、農家同士の情報交換の場の設定、各種のセミナーへの登壇などだ。

「さまざまなネットワークが自分の強み。何でも相談に乗り、いろいろな相手につなぐのが役割です」。土屋さんはそう語る。幅広い人的なつながりをテコに、農家や食品関連企業を対象にビジネスマッチングを進めている。

銀行員時代から数えると、その実績は累計で1000件を超す。農家の関心の高い6次産業化を例にその取り組みを紹介しよう。

農家から農産物の加工について相談を受けると、まずOEM(相手先ブランドによる生産)を手がける工場を紹介する。いきなり自前で設備を持つと「費用負担が発生し、設備の稼働率を高めるのも難しい」(土屋さん)からだ。

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