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もうすぐ自民党総裁選、官邸主導なら農政に不連続な変化も

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

もうすぐ自民党総裁選、官邸主導なら農政に不連続な変化も

農政に影響する要素はさまざまにあるが、政権のトップに誰が就くかでテーマが大きく変わることもある。自民党の総裁選の投開票は9月27日。それを機に何が起きうるかを、これまでの農政の変遷から考えた。

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政権交代でコメ政策が激変

農政はときに不連続な形で変わることがある。過去20年余りのコメ政策や農協改革を振り返ってみると、そのことを確認できる。

今世紀に入ってまず注目を集めたのが、農林水産省が2002年にまとめた「米政策大綱」だ。政策支援を一定以上の規模の担い手農家に絞ることを提起。行政に代わり、農協を軸に生産調整を進める仕組みに移行する方針を示した。

自民党政権はこの内容を少しずつ実行に移していった。2007年度に「品目横断的経営安定対策」で都府県で4ヘクタール、北海道で10ヘクタール以上の認定農業者に支援を集中するルールを導入したのはその一つ。担い手政策の純化を進めた。

だがその直後に激震が走る。稲作農家に広く補助金を出す「戸別所得補償制度」を掲げた民主党が、同年の参院選で歴史的な大勝をとげたのだ。その勢いのまま2009年の衆院選でも勝利し、単独過半数の議席を獲得した。

政権の座に着いた民主党はただちに戸別所得補償制度を導入した。10アール当たり1万5000円の補助金を、生産調整に協力した稲作農家に出すのが制度の柱。だが民主党はわずか3年で政権から転落した。

政権に返り咲いた自民党は、野党時代に戸別所得補償を「補助金のばらまき」と批判していた手前もあり、廃止を決定。代わりに飼料用米の補助金を大幅に拡充することで、稲作農家の支持を取りつけようと努めた。

稲作のイメージ画像

コメ政策は揺れ続けている

官邸主導か農水省中心かも影響

ここまで二度の政権交代をきっかけにした農政の変化を見てきた。だが2012年に復帰してからいまも続く自民党政権のもとでも、農政は大きく変化した。官邸と農水省のどちらが主導するかで焦点が変わる。

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