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イタリアの初夏の味覚「花ズッキーニ」とはどんな野菜? 特徴・栄養・下処理・レシピ・栽培方法をまとめて解説

さとう ともこ

ライター:

イタリアの初夏の味覚「花ズッキーニ」とはどんな野菜? 特徴・栄養・下処理・レシピ・栽培方法をまとめて解説

花ズッキーニを見たことはあっても、食べる機会はまだ少ないのではないでしょうか。イタリアでは初夏の味覚として定番の食材で、花にチーズを詰めて揚げるフリットをはじめ、さまざまな料理に使われています。近年、マルシェや直売所で見かけるようになった花ズッキーニ。実は、家庭菜園でも育てられる野菜です。黄色い花をつけたズッキーニの食べ方やレシピ、栽培方法を解説します。

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花ズッキーニとは?


花ズッキーニとは、花が付いた若いズッキーニのことです。ズッキーニは見た目がキュウリに似ていますが、実はカボチャの仲間。zuccaはイタリア語でカボチャを表し、ズッキーニ(zucchina:単数/zucchine:複数)は小さいカボチャを意味します。南フランスからイタリアにかけての地中海沿岸では、古くから食卓に並ぶ定番食材です。

日本ではズッキーニの実は定着していますが、花を食べる文化はそれほど知られていません。イタリアンレストランのメニューなどで見かけることはあっても、家庭料理としてはまだ馴染みがない、いわば「知る人ぞ知る」食材です。

特徴

ズッキーニの花には、「雄花」と「雌花」の2種類があります。見分け方は、花の付け根に小さな実が付いているのが雌花、花だけで実のないのが雄花です。レストランなどで「花ズッキーニ」として提供されるのは、主に実付きの雌花ですが、雄花も同様に食べることができるエディブルフラワーです。

花の色は内側が鮮やかな黄色で、外側(ガク付近)は淡い緑色です。一般的に花のサイズは10〜15cmほどで、実は成長途中の長さ10cm前後のものが流通しています。つぼみの状態でも食用となり、その場合は全長10cm程度が一般的です。

味と食感


花はやわらかく、ほのかな甘みと野菜らしい青い香りがあります。実はみずみずしくジューシーでシャキシャキとした歯応えです。詰め物をして揚げるフリットや、炒め物、パスタの具など、花ごと調理するのがヨーロッパ流の食べ方です。

産地

ズッキーニの原産地はメキシコ北部からアメリカ南部にかけての地域で、16世紀にヨーロッパに持ち込まれたあと、19世紀後半にイタリアで品種改良が行われ、地中海沿岸で盛んに栽培されるようになりました。

国内の花ズッキーニの産地統計はありませんが、ズッキーニとしては長野県と宮崎県が主要産地で、群馬県、千葉県などが続きます。長野県は主に露地栽培、宮崎県はハウス栽培が中心です。産直サイトなどでは、これらの地域のほか、北海道、東北、北陸、関東、東海などの各地から花ズッキーニが出荷されています。

旬の時期

ズッキーニの最盛期は6月から8月にかけてですが、その中でも花ズッキーニは初夏が旬です。特に6月は花も実もやわらかく、風味が豊かな時期とされています。

栄養と効果


ズッキーニの花の栄養成分は発表されていませんが、ズッキーニ(実)は、可食部100gあたり16kcalと低カロリーで、約95%が水分です。西洋カボチャは78kcal、日本カボチャは41kcalなので、ズッキーニは同じカボチャの仲間でも特にカロリーが低いです。カリウムやβ-カロテン、ビタミンCを豊富に含み、日々の食事に取り入れやすい淡色野菜野菜です。
※参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

カリウム

体内の水分バランスを調整するミネラルで、むくみの解消や血圧の調整に役立つとされています。

β-カロテン

体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持に関わります。抗酸化作用を持ち、活性酸素による細胞へのダメージを抑える働きがあります。油と一緒に食べると吸収率が高まります。

ビタミンC

抗酸化作用があり、免疫機能の維持をサポートする働きがあります。コラーゲンの生成にも関わり、肌の健康維持にも役立つとされています。

花ズッキーニの下処理方法


花ズッキーニの下処理は、雌しべ・雄しべを取り除いてから洗うだけです。花びらが開いている場合は、花をそっと開いて指で折って取り除きます。花びらがしぼんでいる場合は、花びらの付け根の横に切れ目を入れ、ハサミの先を差し込んで切り取ります。

雌しべ・雄しべを取り除いたら、ボウルに水を張って花をそっと揺らして洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。小さな虫が入っていないかチェックしておくと安心です。ガクも食べられますが食感が気になる場合は手で折って取り除きます。

保存方法

購入・収穫後はできればその日のうちに調理するのが理想です。翌日まで保存する場合は、洗わずに、湿らせたキッチンペーパーを敷いた密閉容器に重ならないように並べて、冷蔵庫の野菜室へ。乾燥を防ぐことがポイントです。花がしおれずに保存できるのは翌日までと考えましょう。

冷凍保存する場合は、下処理してキッチンペーパーなどで水気をしっかり取ります。個別にラップに包み、保存袋に重ならないように並べ、平らに置いて冷凍します。使うときは半解凍すると調理しやすいです。1~2カ月で使い切りましょう。

花ズッキーニの食べ方・レシピ5選

花ズッキーニの魅力は、花と実を一度に味わえることです。花びらはやわらかくほのかな甘みがあり、実はズッキーニならではのあっさりとした風味。どちらも火を通しすぎずシンプルに調理するのが基本です。チーズを詰めて揚げるフリットはイタリアの定番ですが、しょうゆやかつお節など和の調味料にもよく合います。手に入ったときだけ楽しめる季節の味を、ぜひ家庭でも味わってみてください。

花ズッキーニのフリット


花ズッキーニの定番料理といえば、チーズを詰めて揚げるフリットです。外の衣はサクッと軽く、花の中からチーズがとろりと広がり、前菜やおつまみにも向いています。

材料(2人分)

  • 花ズッキーニ 4本
  • モッツァレラチーズ 40g
  • アンチョビフィレ 2枚(好みで)
  • 薄力粉 50g
  • 炭酸水 70ml
  • 塩 少々
  • 揚げ油 適量

作り方

  1. 花ズッキーニは下処理をする
  2. モッツァレラチーズを細かく切り、好みで半分に切ったアンチョビと一緒に花の中へ詰める
  3. 花の先を軽くねじって閉じる
  4. 薄力粉、炭酸水、塩をさっくり混ぜて衣を作る
  5. 花ズッキーニを衣にぐぐらせ、170℃の油で2〜3分揚げる
  6. 油を切り、好みで塩を振っていただく

花ズッキーニの肉詰めオーブン焼き


花の中にひき肉を詰めて焼く、食べ応えのある一品です。揚げ物より軽く仕上がり、花ズッキーニを主菜として楽しみたいときにもおすすめです。

材料(2人分)

  • 花ズッキーニ 4本
  • 豚ひき肉 80g
  • 玉ねぎ(みじん切り)20g
  • 粉チーズ 大さじ1
  • 塩 少々
  • こしょう 少々
  • オリーブオイル 小さじ2

作り方

  1. 花ズッキーニは下処理をする
  2. ボウルに豚ひき肉、玉ねぎ、粉チーズ、塩、こしょうを入れて混ぜて肉だねを作る
  3. 肉だねを花の中に詰め、花の先を軽く閉じる
  4. 耐熱皿に並べ、オリーブオイルを回しかける
  5. 200℃のオーブンで15分ほど焼く

花ズッキーニのピザ


市販のピザクラストを使えば、イタリアで定番の花ズッキーニのピザも手軽に作れます。黄色い花が彩りになり、いつものピザを華やかに仕上げてくれます。

材料(2人分)

  • 花ズッキーニ 2本
  • 市販のピザクラスト 1枚(直径20cm程度)
  • トマトソース 大さじ2
  • ピザ用チーズ 50g
  • オリーブオイル 小さじ1
  • 粗びき黒こしょう 少々

作り方

  1. 花ズッキーニは下処理をし、実は薄い輪切りまたは斜め切りにし、花は手でやさしく裂く
  2. ピザクラストにトマトソースを塗り、ピザ用チーズを散らす
  3. 花と実を彩りよく並べ、オリーブオイルを回しかける
  4. オーブントースター、または220℃のオーブンで6〜8分焼く
  5. 仕上げに粗びき黒こしょうを振る

花ズッキーニと生ハムのサラダ


花ズッキーニを生で味わうなら、サラダがおすすめです。生ハムの塩気が花のやさしい甘みを引き立て、見た目にも華やかな一皿になります。

材料(2人分)

  • 花ズッキーニ 2本
  • 生ハム 4枚
  • ベビーリーフ 30g
  • オリーブオイル 小さじ2
  • レモン汁 小さじ1
  • 塩 少々
  • 黒こしょう 少々

作り方

  1. 花ズッキーニは下処理をし、実は薄い輪切りまたは斜め切りにし、花は手でやさしく裂く
  2. 器にベビーリーフ、実、生ハムを盛り付け、花を散らす
  3. オリーブオイルとレモン汁を回しかける
  4. 塩、黒こしょうで味を調える。生ハムは塩気があるため、塩は控えめにする

花ズッキーニの和風オリーブオイルソテー


オリーブオイルとしょうゆを合わせた和洋折衷のソテーです。和の薬味を散らすことで、花ズッキーニのやさしい風味がより引き立ちます。手軽に作れて見栄えもよい副菜です。実が太いものは縦半分に切って(写真)、細いものは丸ごと調理するといいでしょう。

材料(2人分)

  • 花ズッキーニ 2~4本
  • オリーブオイル 小さじ2
  • しょうゆ 小さじ1
  • 削り節 1パック(2~3g)
  • 白すりごま 小さじ1
  • 大葉 2枚

作り方

  1. 花ズッキーニは下処理をし、実が太い場合は縦半分に切る
  2. 大葉は千切りにする
  3. フライパンにオリーブオイルを熱し、花ズッキーニを中火で1~2分炒める
  4. しんなりしてきたら、しょうゆを回しかけてさっと炒め合わせる
  5. 器に盛り、削り節、白すりごま、大葉を散らす

花ズッキーニの栽培方法


花ズッキーニの栽培は、基本的には通常のズッキーニと同じです。つるがほとんど伸びないため広い畑がなくても育てられ、25〜50リットル以上の大型プランターがあればベランダでも栽培できます。ただし生育すると葉が大きく広がるため、十分なスペースの確保が必要です。種まき時期は4〜5月、収穫期は6〜8月が目安です。

一般的なズッキーニの品種でも花ズッキーニとして収穫できますが、花と実を一緒に楽しむことを前提にした品種もあります。例えば、小ぶりで使い切りサイズのバンビーノは、花数が多く次々と収穫できるのが特徴です。

準備・土づくり

日当たりがよく水はけの良い場所を選びます。地植えの場合は植え付けの2週間前までに苦土石灰と堆肥(たいひ)を混ぜ込んで元肥を施します。株が大きくなるため、株間は90cm程度確保しましょう。プランター栽培の場合は、野菜用培養土を使うのが手軽です。

種まき・植え付け

発芽適温は25〜30℃です。ポットに種をまいて保温しながら育苗し、本葉が3〜4枚になったら植え付けます。根を傷めないよう、植え付けはやさしく行いましょう。

管理・水やり

土が乾いたらたっぷり水やりをします。植え付け2〜3週間後から追肥を始め、その後も2〜3週間おきに追肥を行います。株が大きくなるにつれ水の消費量も増えるため、夏場は朝夕の水やりを心がけましょう。

人工授粉

ズッキーニは雌雄異花のため、実をつけるには受粉が必要です。実の収穫も行う場合は、人工授粉をすると結実率が高まります。花は早朝に開いて午後にはしぼんでしまうため、人工授粉は朝のうちに。雄花の花粉を雌花の柱頭にやさしく付けて行います。

収穫

花ズッキーニとして収穫するタイミングは、花びらが開く前〜開花直後が理想です。雌花は実が5〜10cm程度に成長したら収穫します。雄花を食用とする場合は開花前後に収穫します。最初の1〜2花は株の体力を温存するために摘み取り(摘花)、その後の花から収穫するといいでしょう。また、実を収穫したい場合は、人工授粉用に雄花をいくつか残しておきましょう。

注意したい病害虫と対策

梅雨明け前後にうどんこ病が発生しやすいため、葉が茂りすぎて風通しが悪くなったら、古い葉を摘み取って株元の風通しをよくしましょう。アブラムシが発生した場合は、見つけ次第取り除きます。また、同じ場所でのウリ科野菜の連作は避け、2〜3年あけるようにしましょう。

花も実もあるイタリア野菜


イタリア野菜のひとつ、知る人ぞ知る花ズッキーニ。食べ方に迷うかもしれませんが、調理法を選ばず和洋どちらにも馴染む懐の深い野菜です。鮮度が命なので、手に入ったらその日のうちに調理するのが、おいしく味わう最大のコツ。旬の初夏から夏にかけて、直売所やマルシェで見かけたときはぜひ手に取ってみてください。

花ズッキーニをより身近に楽しむなら、家庭菜園やベランダ栽培のラインアップに加えてみてはいかがでしょう。花ズッキーニ向きのズッキーニ品種もあります。朝摘みたての花を料理に使う体験は格別です。栽培から食卓まで、花ズッキーニならではの楽しみ方を見つけてみてください。

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