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農業の生産から食卓までを実践的に学ぶ―熊本県立大学が調理実習と農業経営をつなぐ体験型プログラムを実施【イベントレポート】

農業の生産から食卓までを実践的に学ぶ―熊本県立大学が調理実習と農業経営をつなぐ体験型プログラムを実施【イベントレポート】

『農業の魅力発信コンソーシアム(株式会社おてつたび、株式会社マイナビ、株式会社マイファーム、YUIME株式会社)』は、2026年度、全国31校の大学等を舞台に『ロールモデル農業者』による特別講義や交流会、フィールドワーク型の体験プログラムを実施しています。
今回は、株式会社マイファームが学生を対象に実施した「生産→加工→食卓」までを1日で体感できるプログラムの様子をご紹介します。

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マイファームが取り組む背景とは?

株式会社マイファームでは、農学部などで学ぶ大学生等を対象に、農業界で自分らしく生き、地域の中核を担う人材として活躍する人材との深い接点を提供し、大学生等が農業の世界に一歩を踏み出すための道筋を示す講義を展開しています。

現在、新規就農する農業人材の多くが農家出身者であり、農地をもたない一般家庭出身者が農業との接点をもつ機会は極めて少ない状況です。農学部で学ぶ学生であっても、農業の実際の現場を深く知ることなく卒業していくケースも少なくありません。一方、若者の中で農家のお手伝いをしながら全国を旅する新たなスタイルの旅行が注目を集めるなど、若者の農業へのイメージは少しずつ変化しています。

このような状況を踏まえ、株式会社マイファームは農業に興味をもって入学した農学部などの大学生に焦点をあて、複数エリアの大学と連携し、実際に新規就農または農業ビジネスでの起業、雇用就農などを実現させたロールモデルとなる農業者の方々を現地に招いて農業界や農業経営のリアルを学ぶ講義を実施しています。

自身の就農経緯やビジネスモデルについて話してもらうとともに、双方向型の講義形式を取り入れたワークショップやPBL型講義(実践を交えた課題解決型講義)を展開。学生の一人ひとりが農業者とともに、今後のキャリアや農業界の将来像・発展可能性について考え、「職業としての農業者」を自分事と捉える機会とします。

農業の魅力発信コンソーシアム事業の概要はこちら

調理実習から始まる「生産→加工→食卓」の学び

熊本県立大学で行われたプログラムのポイントは、農業を「食べる」という身近な行為から捉えたことです。
午前中は、熊本市の飲食店「大橋電気」の北園さんによる調理実習を実施。大橋電気では、バナナの葉を使った東南アジアのスパイス料理であるランプライスを提供しており、午後のロールモデル講義を担当した株式会社たかきの高木明日香さんが生産する、サイズが小さく希少な三尺バナナ「たかきのバナナ」の皮を使用しています。北園さんと高木さんがバナナを通じてつながっていたことから、熊本県立大学の先生の仲介で今回のコラボレーションが実現しました。

バナナの大きな葉を器のように使い、ご飯やさまざまなおかずを盛り付ける料理を実践しました。

調理、盛り付け、実食までを一連の流れで体験することで、食材が料理となり、食卓へ届く過程を実感する学生たち。

調理実習の後には北園さん、高木さんと学生が一緒に昼食を囲み、できたてのご飯を楽しみました。

調理して味わう体験を経て、実際の生産者の話へとつなげていきます。

商品開発やDXも。農業経営のリアルに触れる

午後のロールモデル講義では、株式会社たかき 高木明日香さんが登壇。熊本県八代市で江戸時代から続く農家の7代目で、大学卒業後の2014年に家業を継ぎ、米や露地野菜の生産に加え、国産バナナの栽培や販路開拓にも取り組んでいます。

株式会社たかき 高木明日香さんの紹介ページはこちら

多様な職歴を経て農業に携わる人がいることや、人手不足などの課題に対応するため農業分野でもDX化が進められていることも伝えました。
中でも学生の印象に残ったのが、三尺バナナの「傷みやすい」という特徴を、新たな需要につなげた商品開発の事例です。農業は作物を育てて出荷すれば終わりではありません。作物の特徴を見極め、「誰に、どんな価値として届けるか」を考えることも農業経営の重要な仕事です。

受講後の学生からも「作物を需要のある層に届けるためのセールス方法が素晴らしい」「傷みやすい点をメリットに変えて新たな需要を生み出したことが印象的だった」といった声が寄せられました。
農業について専門的に学んだ経験がなくても、農業に携わる道がある。そうした事例を知ることで、学生たちは自身と農業との接点を考え始めました。

「きつい・つらい」から「魅力的な仕事」へ

受講前、学生の中には農業に対して「きつい」「つらい」というイメージを持つ人もいました。また、総合管理学部の1年生が中心で、農業経営について専門的に学んだ経験がなく、「農家=作物を育てて出荷する仕事」という印象もあったといいます。
しかし、実際の農業者の話を聞き、農業には生産以外にも商品開発や販売、情報発信など幅広い仕事があることを知ったことで、そのイメージにも変化が生まれました。

農業の基本的な役割に対する理解、職業としての農業への理解、農業の社会的価値への認識は5点満点中、いずれも平均5.00という結果に。(有効回答5件)また、2人が卒業後の農業関連分野への就職・起業を検討すると回答しました。

一方、「将来の職業選択肢として農業を考えるようになったか」は平均2.4、「農業についてさらに情報収集したいか」は平均2.8にとどまっています。理解や関心の高まりを、実際の進路選択へどうつなげていくかは今後のポイントになりそうです。
それでも「農業職へ就職することへのハードルが少し下がった」「将来的に農業職も一つの選択肢として素敵だと思った」といった学生の声は、今回の体験が農業を見る視点を広げるきっかけになったことを示しています。

学生の声

「農業は『きつい』『つらい』というマイナスなイメージを持っていたが、仕事の分野は多岐にわたる魅力的な職業だと知ることができました。農業の知らない魅力をたくさん知ることができて、本当に貴重なお話を聞くことができてとても嬉しかったです。」

「作物を需要のある層に届けるためのセールス方法が素晴らしいと感じました。作物の売り方で、サンジャクバナナでは痛みやすい点をメリットに変えて新たな需要を生み出したというのは素晴らしいと思いました。」

「農業経営について明確に今回の講話を聞いてわかった。また、作物を育てて出荷するだけと言うイメージが農家にはあったが、それ以外の活動も知ることができたので関心が高まった。調理から講話まで一貫して体験できたのがよかった。」

「様々な職歴の方が農業をされているというお話を聞いて、農業について専門的に学んだ経験が無くても農業を始めることができるということを知り、農業職へ就職することへのハードルが少し下がり、将来的に農業職も一つの選択肢として素敵だなと思いました。」

「今回の講義を受けるまでは農業に対して、人手が不足しているという印象が強かったものの、実際に農家の方のお話を伺って、農家を継ぐ人も多いこと、人手不足を解消するために様々な業務のDX化が進んでいることを知ることができ、農家に対するイメージもガラリと変わって、改めて直接対面でお話しを伺うことの大切さを学ばせていただきました。」

食材が生産者から食卓に届くまでのプロセスを、実際に食材に触れ、味わい、生産者から直接話を聞いて学ぶことで、学生たちが「職業としての農業」の広がりに気付く機会となりました。

株式会社マイファームでは、今後も大学生等が「職業としての農業の魅力」を考える機会を日本各地で提供していきます。今後も同社の取り組みから目が離せません。

農業の魅力発信コンソーシアム事業の公式noteもご覧ください。
農業の魅力発信コンソーシアム事業では、株式会社マイファームの事例以外にも、全国の大学等でロールモデル農業者がリアルな声を直接届ける特別講義を実施しています。
ぜひ併せてご覧ください。

公式noteはこちら

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