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1.沖縄県ってどんなところ?
日本の一番南にある沖縄県は亜熱帯海洋性気候に属し、南北約400キロ、東西約1000キロにわたる広い海域に浮かぶ大小160の島(うち有人島47)で構成される県です。その美しい自然は多くの観光客をひきつけ、観光業は沖縄の主要産業となっています。また沖縄本島北部や西表島はその生物多様性が評価され、世界自然遺産に登録されています。
沖縄の土壌は、国頭(くにがみ)マージ、島尻マージ、ジャーガル、沖積土壌の4つに大きく分類されます。県土のおよそ3割を占める島尻マージは、太古のサンゴからできた琉球石灰岩の土壌で雨がしみこみやすいため川が少なく、古くから水の確保が課題でしたが、現在では地下ダムなどの設備が普及。また台風の多い地域でもあるため、防風・防潮林の整備などによって被害を抑える対策をしています。
沖縄県基本データ | ||
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総面積 | 2,282.59km2 | 全国44位 |
総人口(※) | 1,485,669人 | 全国25位 |
※ 2024年1月1日時点(住民基本台帳より)

2.沖縄県の農業の現状は?
沖縄県の2020年の農業産出額は890億円で全国34位。耕地面積は3万6100ヘクタールで畑や田は減少傾向にありますが、牧草地や樹園地はほぼ横ばいです。
ミネラル分は多いものの有機物が少ない土地であるため、やせた土地でも育つサトウキビが基幹作物で、沖縄の農家の約7割がサトウキビを栽培しています。しかし近年では土壌改良も進み、野菜や花きの栽培も盛んです。
県の農業産出額1位は肉牛で、繁殖農家が多い一方、県のブランド牛である石垣牛などでも知られています。また、豚肉をよく食べる習慣のある土地柄で、豚肉の産出額も高いのが特徴。フルーツやアロエなどの薬用作物といった気候の特徴を生かした競争力の高い作物の栽培も盛んになっており、沖縄県のブランド力を高める計画も進められています。
3.沖縄県の代表的な農産物は?
基幹作物であるサトウキビ、国内の生産量のほとんどを沖縄県が占めるパイナップル、沖縄から全国に広まったゴーヤーなど、県を代表する作物が多くある沖縄県。亜熱帯の気候を生かして冬場に野菜の生産ができるのも特徴で、冬春期にはゴーヤーやサヤインゲンなどを中心に県外に出荷しています。また、切り花の栽培も盛んで、キクや小ギクは出荷量が上位を占めます。また、マンゴーやパパイヤ(パパイア)などの熱帯果樹やシークワーサーなど果物や、葉タバコの生産量も全国上位です。
一方、石垣島などの八重山諸島では稲作が盛んで、日本で最も早い新米としても話題になります。また沖縄県は全国4位の子牛の生産県で、沖縄で生まれた子牛のほとんどが県外に出荷されます。
4.沖縄県の就農状況は?
沖縄県の2020年の基幹的農業従事者数における65歳以上の割合は60.5%で、全国平均より低くなっています。一方、新規就農者はここ数年300人を超える年もあります。
県では「沖縄県青年農業者等育成センター事業」で就農相談の対応や研修先の紹介などのほか、職業紹介も行っています。また「農業後継者育成確保事業」では、50歳未満の新規就農を希望する研修生や、研修生を受け入れる農家への金銭的な支援があります。他にも、農業大学校の学生が日本国内の先進農家に研修に行く際の費用を助成するなど、後継者の育成に力を入れています。