タンカン
タンカンは、2月から3月にかけてのみ食べられる高級で特別なフルーツです。甘みが強くジューシーなのが特徴です、果皮は黄橙色で手で剥くことができ、薄皮も薄く、タネも少ないのでとても食べやすい柑橘類と言えます。原産は中国広東省で、フルーツ王国の台湾が主産地です。日本では沖縄や奄美大島など温暖な地域でのみ栽培されています。
果皮が非常に薄く果汁も多いため、剥く時に果汁がかからないように注意が必要なほどジューシーな柑橘類です。
はるみ
はるみはデコポンにとてもよく似た柑橘類です。ですがデコポンよりも果汁が少なく、香りが高いので、春を予感させる柑橘として「はるみ」と名付けられています。旬は非常に短く、市場に出回るのは2月のおよそ1ヶ月間のみです。栽培が非常にむずかしく希少な柑橘類なので、贈答用として扱われることもある高級品種です。形はポンカンのように扁平で、皮が剥きやすく、果肉は大粒で柔らかめ。2つに切った時、真ん中に空洞があるのが特徴です。
日向夏
日向夏は、宮崎県で偶発的に発生した新しい柑橘類で、宮崎県の特産柑橘として知られています。柑橘類の中では珍しく、皮と果肉の間の白い部分(アルベド)もおいしく食べることができます。白い部分は柔らかく甘く、果肉はすっきりと酸味があるので、合わせて食べることでなんとも言えない食感と味わいを堪能できます。
カットするときは白い部分を削り過ぎないように、りんごを向くように表皮を取り除くようにしましょう。また、外側の皮も丁寧に洗って酢の物に添えたり、みじん切りにしてドレッシングに加えることで風味と彩を添えることができます。小夏、ニューサマーオレンジという名前がつくものも日向夏の一種。旬は長く、1月から5月頃です。
キンカン
丸ごと食べられることで最近人気が出ている変わり種のキンカンも、ミカンの仲間の柑橘類です。小ぶりで皮ごと食べられるのが最大の特徴で、酸味が少なく甘みと香りが高いのが特徴です。のど飴によく入っているので聞いたことある方も多いのではないでしょうか。冬の風物詩とも言えるフルーツで、お正月には丸ごと甘露煮にしておせちに入れられることも多いです。
最近人気の宮崎県産ブランドキンカン「たまたま」は、樹上完熟させるため、糖度16度以上と非常に甘く、直径28mm以上で食べ応えも抜群です。保存する場合はビニール袋に入れて野菜室へ。丸ごと食べたり、輪切りにしてサラダに入れても楽しめます。旬は12月から2月頃です。
セミノール
セミノールは晩柑類の中で最も濃厚な香りが自慢のミカンの仲間です。果肉は非常に柔らかくジューシーで、甘さにコクがあると定評があります。ノーワックスでも果皮の色がこく鮮やかで光沢のある赤橙色が美しく、贈答用にも人気が高い品種です。タネは少し多いですが、薄皮が薄く食べやすいのが特徴。
半分に切って冷凍し、皮ごとシャーベットにしてもおいしくいただけます。果汁が多いので絞ってジュースにするのもオススメです。
3月から4月にかけて収穫され、5月以降に市場に出回ります。
シークワーサー
言わずとしれた沖縄の特産品で、シークワーサーもミカンの仲間の1つ。色の変化とともにいろいろな用途で使用することができます。緑色のものは酸味が強いので、薬味として料理に添えたり、サワーに入れたりするのが一般的。黄色く熟したものは糖度も上がって甘いので、そのまま食べたりジュースにしたりして楽しめます。もともと沖縄県に自生しているフルーツで、沖縄では昔から泡盛に入れたり刺身にかけて食べられています。柑橘類には珍しく真夏の8月から翌年の2月頃まで市場に出回ります。
せとか
せとかは皮も果肉も極上の高級品種。香りや食感の良い柑橘類を掛け合わせた、まさにいいとこ取りのフルーツです。薄い皮にみずみずしい果肉がずっしり詰まっているのが特徴です。手で剥くこともできますが、果汁がこぼれやすいのでナイフで切り分けるのがオススメ。薄皮も非常に薄く、一緒に食べても柔らかいので口の中に残りません。果肉の食感も滑らかでまさに極上のフルーツ。旬は2月から3月、ハウス栽培のものは12月から2月頃に出回ります。
晩白柚
晩白柚(ばんぺいゆ)は2kg前後、直径25cmほどにもなる世界最大級の柑橘類です。主な産地は熊本県で、鹿児島県、そして大分県でも作られています。果肉は爽やかな甘みがあります。皮が柔らかく、表皮と果肉の間の白い部分を加工して食べることが多い品種です。貯蔵することで酸味が抜け、香りも良いので、一ヶ月くらい室内で芳香を楽しんでから食べるのもオススメです。皮はマーマレードにしてもおいしくいただけます。旬は2月から4月です。
お気に入りの柑橘フルーツは見つかりましたか?季節によって出回る品種が異なるので、旬を感じながら味わいたいですね。
参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)