日干しされ寝床で眠る大根 江戸東京野菜が奏でる八王子の冬の風物詩 – マイナビ農業

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生産者の試み

日干しされ寝床で眠る大根 江戸東京野菜が奏でる八王子の冬の風物詩

日干しされ寝床で眠る大根 江戸東京野菜が奏でる八王子の冬の風物詩

最終更新日:2018年01月19日

日本(=世界)で生産農家は2軒だけという江戸東京野菜の高倉ダイコン。
たくあん漬けに最適なこの大根は、晩秋から冬を迎える頃になると、八王子・高倉町や石川町界隈の農家の軒先ですだれ干しに。
大正時代から昭和40年代にかけて、冬晴れの日に白い大根がずらりと吊るされる風景は、八王子八十八景の一つに数えられる、冬の風物詩でした。
多摩八王子・江戸東京野菜主催の見学ツアーで、生産者から伺った干し大根の作り方や貴重なストーリーからは、少し昔の生活文化が鮮やかに蘇ってきます。

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高倉ダイコン開発者と継承者

大根洗いで川が真っ白に

「ここと畑との間に谷地川という川があって、みんな昔はそこで大根を洗ったんだ。すると表面の皮がすれて川の水一面が白く泡立つんだよ」。
約30名のツアー参加者を前にそう語るのは、石川町在住、1939(昭和14)年生まれの立川太三郎(たちかわたさぶろう)さん。毎年このあたりの農家が大量の高倉ダイコンを作っていたのも昔話。立川さんは半世紀を超えて作り続けてきた、唯一残った生産者です。

みの早生と練馬細尻大根を交配

この大根を開発し、固定種にしたのは原善助(はらぜんすけ)という人です。
1921(大正10)年頃、滝野川(現・北区)の種苗商から買った「みの早生」のタネを練馬細尻大根の間に、一作おきに崑作。自然交配してできた大根から自分好みのものを選抜し、四半世紀後、品種改良の末にできたのが高倉ダイコンです。

昼は日干しに、夜は寝床に

水分を抜き、芯を柔らかく

朝、畑で収穫した大根を運び、すぐに一皮むけるぐらい洗う(現在は専用の機械を使用)と干した時によく乾くのだとか。洗った大根は一つのすだれに10本ほど縄で結って吊るし干しします。この日はきれいに晴れて、ゆるやかに風が吹いく絶好の干し日和でした。
「日が暮れる頃になると、大きいのを下に、小さいのを上にして寝かせます」
その立川さんの説明通り、干場の地面にはゴザや布団・毛布が敷かれています。吊るしっぱなしだと芯の部分がなかなか柔らかくならないため、夜は重なって就寝です。翌朝、敷物はおねしょをしたようにぐっしょり。それだけ水分が抜け、芯がしんなりしていきます。

収穫・洗い・日干しの工程を繰り返す

こうして昼間は日干しにし、夜は寝かせる作業を1週間ほど繰り返します。
大根の重さは1本につき1.5~2キロなので、すだれは約20キロ。これを毎日いくつも上げ下ろししなくてはならないので、かなりの重労働です。干し上がった大根はだいたい6~7割の重さになっています。
今年の出荷量は約5,500本。それだけの量を一度に干すことはできないため、1回につき1週間かかる工程を、出荷量に応じて何回か繰り返します。収穫したものを干す前に数日間貯め置きすると、固くなって味や食感が落ちてしまうためです。

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