1. タアサイ
タアサイは、アブラナ科アブラナ属の野菜です。クセがなくやわらかい葉が特徴で、丸ごと煮てもおいしくいただけます。ハクサイの仲間ですが、結球(※)しないパクチョイの変種です。
夏は立茎ですが、冬になると葉が地面に広がります。同じような形の「ちぢみほうれん草」の親野菜でもあります。旬は11月から翌2月頃です。
※結球……キャベツなどの葉が重なって球状になること。
美味しいタアサイの見分け方
旬の冬場は、葉が平たく広がっていて葉が縮れており、黒緑色で光沢のあるものがおすすめです。夏場は茎が長く、葉が緑のものを選びましょう。
タアサイのおすすめ調理方法
タアサイは火の通りが早いので、加熱は短時間にとどめます。油との相性が抜群なので、炒め物やおひたしにする際には、ゴマ油や油揚げを加えるのがおすすめです。
冬場は丸ごとのミルク煮、スープや鍋物にも良く合います。
2. 空心菜
空心菜は、ヒルガオ科サツマイモ属の野菜です。空心菜の他、ツウサイ、アサガオナとも呼ばれています。
熱帯アジアのツル性の植物なので、耐暑性があります。
主に、ツルの先20センチから30センチの若葉を食用にします。茎はシャキッとしており、葉にねばりがあるのが特徴です。6月下旬から11月頃に出回ります。
美味しい空心菜の見分け方
きれいな緑色で、全体にみずみずしさがあるもの、切り口の色が変わっていないもの、茎に適度な弾力のあるものを選びましょう。茎は空洞になっています。
空心菜のおすすめ調理方法
炒め物、スープ、ゴマ和え、八宝菜などの料理と合います。茎と葉は別々に調理しましょう。
茎は裂き、冷水に入れるときれいなカール状になります。そのまま生のシャキシャキした食感を楽しむのがおすすめです。葉は加熱してぬめりを楽しみます。
葉を加熱する場合は加熱時間が短いほうが、おいしく仕上がります。
3. パクチョイ
パクチョイは、アブラナ科アブラナ属の中国野菜です。結球はせず、小型で白軸のものを「パクチョイ」、青軸のものを「チンゲンサイ」と呼びます。
タイサイの親品種でもあります。
広東ハクサイとも呼ばれ、クセがないので、様々な料理に使用されます。中国では保存のため、乾燥させることも多いです。
美味しいパクチョイの見分け方
パクチョイは白い茎がキレイな野菜です。そのため茎が白く傷がないもの、全体が丸みを帯びており肉厚のものを選びましょう。
パクチョイのおすすめ調理方法
沸騰したお湯に塩を入れ、根元の方から約1分ほどゆでます。葉の部分はさっと茹で、水にとりましょう。
炒め物にする際は、火の通りが早いため、高温で短時間に炒めるのがコツです。クセがないので濃い味付けでも薄い味付けでも合います。茎の白さをいかした蒸し物、あんかけ、おひたし、和え物、スープなどもおすすめです。
4. マコモタケ
マコモタケは、イネ科マコモ属の野菜です。食感はタケノコに似ており、乳白色でほんのり甘いのが特徴です。
水辺に生息しているマコモの若芽に黒穂菌(くろぼきん)が寄生し、細いタケノコ状になったものを食用します。主に台湾や中国から輸入され、旬は4月から11月です。
美味しいマコモタケの見分け方
傷や色の変化がなく、表面にツヤがあるもの、適度な弾力があるもの、切り口が新鮮でみずみずしいものがおすすめです。
マコモタケのおすすめ調理方法
マコモタケは、皮を剥いて白い部分を加熱調理するのが基本です。タケノコの代替品としても使用されますが、タケノコより香りが薄いので、魚や肉と合わせるのがおすすめです。
煮込むと甘味が出るのですき焼きやあんかけ、スープなどにも合います。またオリーブオイルを塗ってから、グリルにしてもおいしくいただけます。
5. ザーサイ
ザーサイは、アブラナ科アブラナ属の野菜です。中華漬物として有名です。近年は、サラダなどで食べる生食用の品種も流通しています。生のものは、根にほろ苦さと甘さがあり、葉や茎は辛みを感じます。
漬物として加工したものは周年出回りますが、生食用の旬は冬です。
美味しいザーサイの見分け方
ザーサイは、太い茎も食べることができます。根に傷がなく、葉が緑でみずみずしいもの、見た目より重さがあるものがおすすめです。
ザーサイのおすすめ調理方法
ザーサイの茎やコブの部分は薄切りにして、漬物やサラダにします。コブや葉は油と相性が良いので、炒め物にするのがおすすめです。
コブは部位によって味が異なるので、飽きずに食べることができます。独特の苦味が苦手な場合は、卵と合わせてチャンプルーなどにすると食べやすくなります。
6. 娃々菜
娃々菜(わわさい)は秋に収穫される小さい白菜です。
一般的な方法で栽培する場合、8月〜9月に種をまきます。原産地は中国で、娃々とは中国語で赤ちゃんという意味です。
つまり、娃々菜は赤ちゃんのように小さな白菜だということになります。
その味は甘未が強く、葉は柔らかくて硬い筋がなくて、とても食べやすいです。
日本では山形県酒田市を中心に栽培されています。露地でも栽培でき、小型なのであまり労力を使わずに収穫することができます。
娃々菜のおすすめ調理方法
娃々菜は素材の味を生かして、そのまま煮ておひたしにして美味しく食べられます。
トマトと一緒に煮てスープにしたり、肉を包んでミートロールにしたりすることもできます。
また、丸蒸しやニンジンご飯の娃々菜包み、娃々菜と豆腐のヘルシースープなどの新しい食べ方も考案されています。
7. ちしゃとう
ちしゃとうは別名「茎レタス」「ステムレタス」ともいいます。
紀元前からエジプトなどで栽培されていた野菜で、ヒスイのような色から中国では縁起のよい野菜とされています。
4月中旬〜5月下旬に種まきが行なわれ、11月中旬〜12月が収穫時期になります。その食感はしゃきしゃきしていて、くせが少ないので多くの料理に使用することができます。
和食や洋食、中華の様々な料理を引き立てることができる野菜です。
ちしゃとうのおすすめ調理方法
ちしゃとうは皮を剥いて、茹でておひたしにして食べることができます。
また、味噌漬けにしたり、炒め物にしたりと多様な料理に使用できる野菜です。また、そのまま皮を剥いて味噌漬けや醤油漬けにしても美味しく食べることができます。
8. にんにくの芽
にんにくの芽は多くの料理に使われるにんにくの球根の葉の部分です。原産地は中央アジアだと推定されていて、日本には中国経由で入ってきたとされています。
主に中国で栽培されていますが、日本では寒冷な東北地方や九州の温暖地で栽培されています。
9月下旬〜10月上旬に種まきが行なわれ、収穫は5月下旬〜6月下旬です。
中国では芽を食用とするために品種改良されたものが1年中栽培されており、日本に流通しているものの99%は中国産となっています。
生にんにくと同様にアリインやカロテン、ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれています。
ニンニクの芽のおすすめ調理方法
ニンニクの芽は茹でてそのままマヨネーズなどと共に食べることができます。また、肉や他の野菜やシーフードなどと一緒に炒めると美味しく食べることができます。
9. 紅菜苔
紅菜苔(こうさいたい)はチンゲンサイなどと同じアブラナ科アブラナ属の野菜で、中国の揚子江中流地帯が原産地だとされています。
和名は紅菜花(ベニナバナ)。日本では1970年代から本格的な栽培が始まりました。
種まきは9月〜10月に行われ、収穫は1月〜3月頃に行われます。紅菜苔は菜の花のような苦みがなく、アスパラのようなほのかな甘みを持っていることが特徴です。
アントシアニンという赤紫の色素が含まれており、茹でるとグリーンに変色します。
紅菜苔はそのまま塩茹でし、おひたしとして食べられます。
また、炒め物にも使え、煮汁を使ってわらび餅をつくることもできます。
10. 紅心大根
紅芯大根(こうしんだいこん)はかぶのような丸い形で、切ると鮮やかなピンク色をしている大根です。
中国原産で、種まきは9月中旬から下旬にかけて行われます。収穫時期は11月〜12月頃。日本では北から南まで、様々な都道府県で生産されています。
また、市場には中国産のものも多く出回っています。
紅心大根はそのまま切ってサラダにしたり、ぬか漬けにして漬物として食べることができます。
11. カイラン
カイラン(芥藍)はアブラナ科の野菜で、芥藍菜とも呼ばれます。原産地は中国広東地方。チャイニーズケールやチャイニーズブロッコリーと呼ばれることもあります。
中国や台湾などで栽培されている結球しないキャベツの一種です。
種まきは5月〜8月上旬に行われ、わずか60〜70日で収穫できることもあります。暑さに強い野菜で夏場に収穫できます。
カイランは栄養素の豊富な緑黄色野菜で、若葉や茎を食用とし、こりっとした食感が特徴です。
中華料理では炒め物などによく使われます。カイランは炒め物の材料として、多くの料理に使えます。
12. 花ニラ
花ニラ(花韮)は食用のものと観賞用のものがあり両者は全く別種なので注意が必要です。食用の花ニラの代表的品種は「マルイチポール」と「テンダーポール」の2種類。
「テンダーポール」は台湾で開発された品種で、「マルイチポール」は日本の高知県で開発された品種です。
中華料理の炒め物に使われることが多く、ほんのりとした甘みがあります。1年を通じて出荷されますが、露地栽培の場合は4月〜10月頃が旬となります。
13. 金針菜
金針菜(きんしんさい)はユリ科ワスレグサ属の植物で、6月〜10月が旬です。生の状態だと有毒なため、乾燥させて漢方薬の材料として使用します。
金針菜は鉄分やカルシウムなどの栄養素が非常に豊富なため、様々な健康改善効果が期待できます。薬膳スープなどにしてもおいしく食べられる他、煮物やゴーヤチャンプルーなどの材料としても使われます。
金針菜を食材として使用する場合は、水でもどしてから使用します。
まとめ
中国野菜は油と相性が良いものが多く、さっと炒めるだけでおいしくいただけます。またクセが少ない野菜が多いので、どんな調理法にもむいています。
お肉と炒めて主菜として、また単品の副菜としても万能です。
参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)