チコリの紹介
チコリは、見た目は白菜の芯のような縦長の形をした野菜で、ほろ苦く、シャキシャキとした食感が魅力です。チコリの葉は一枚ずつ剥がして使うのが一般的で、剥がした状態が船のような形になっています。
フランスでは、チコリのことをアンディーブと呼ぶため、レタスに似たエンダイブと混同されがちですが、チコリとエンダイブは全く別の野菜です。
水耕栽培により一年中出回りますが、旬は1月から3月頃です。
鮮度が良いおいしいチコリの見分け方
鮮度が良いおいしいチコリは、巻きがしっかりしていて、切り口が新鮮で葉先がしおれていません。傷や、茶色く変色した部分がないものを選びましょう。
チコリの下ごしらえ
チコリの下ごしらえは、葉を一枚ずつ剥がして洗うだけで完了です。
剥がした葉は一枚一枚が船のような形をしているので、その形を生かし、上にスモークサーモンや生ハム、クリームチーズやポテトサラダなどをのせると、食卓が一層華やかになります。
チコリの豆知識
チコリの苦みが気になるときには、付け根の部分を切り取ればだいぶ抑えられます。また、りんごと一緒に切り刻んでサラダにすれば苦みが減ります。
エンダイブの紹介
エンダイブは、フランス語でシコレと呼ばれるため、チコリと混同されがちですが、全く別の野菜です。エンダイブはシャキシャキとした食感にややほろ苦さがあり、見た目はチリチリと波打った高級感たっぷりの西洋葉物野菜です。
エンダイブは大きく分けると、縮葉種と広葉種があり、日本でよく流通しているのは縮葉種。旬の時期は、10月から翌年の3月です。
鮮度が良いおいしいエンダイブの見分け方
鮮度が良いおいしいエンダイブは、切り口が新鮮で、葉がふわっとしています。傷がなく、表面が茶色に変色していないものを選びましょう。
エンダイブの下ごしらえ
エンダイブは茎の下の部分に土などの汚れがたまりやすいので、開いて流水でよく洗うか、葉を一枚ずつ取り外してから洗うようにしましょう。
エンダイブの豆知識
エンダイブの葉はサラダや付け合わせに重宝しますが、実は加熱にも強いため、炒め物や煮込みにも利用できます。特に外側の葉は固いことが多いので、加熱に最適です。
トレビスの紹介

イタリアの結球型品種「ラディッキオ」。最もメジャーな品種で、サラダにもグリルにも向いている
トレビスという名前を聞いて、ピンとくる方は少ないかもしれません。トレビスは赤紫色と白のコントラストが美しい、紫キャベツに似た野菜です。葉は柔らかく、ほのかな苦みがアクセントになります。
フランスではトレビス、イタリアではラディッキオと呼ばれています。結球型(※)、非結球型、ロケット型があり、主流は結球型です。主にアメリカから輸入されたものが1年を通して出回っています。
※結球…キャベツなどの葉が重なって球状になること。
鮮度が良いおいしいトレビスの見分け方
鮮度が良いおいしいトレビスは、葉に弾力があり、みずみずしいのが特徴です。白い部分はまっ白で、下の切り口に変色がない新鮮なものを選びましょう。
トレビスの栄養

非結球型の「タルティーボ」。葉が細長く、葉先が内側に巻き込む形が特徴で、みずみずしい甘さがある
トレビスの栄養価はそこまで高くはないですが、鮮やかな紫色はポリフェノールの一種であるアントシアニンに由来します。ポリフェノールは抗酸化作用があるとされ、近年注目を集めている栄養素です。
トレビスの下ごしらえ
トレビスはレタスと同じで、包丁で切ることによって細胞が押しつぶされて鉄分と反応し、苦みが強くなってしまうことがあります。包丁で切ると切り口も褐色に変化するため、手でちぎって調理しましょう。
ラディッキオを使用する場合は、葉の濃い赤紫色と葉脈の白いコントラストを活かすように、縦にちぎるのがおすすめです。
トレビスの豆知識
加熱すると苦みが増す
トレビスは加熱すると苦みが増す性質を持っているため、それを生かして料理のアクセントにするのも良いでしょう。肉料理の付け合わせにすればお口直しにちょうど良いアクセントとなります。イタリアではチーズと合わせリゾットなどに入れて楽しみます。
ヒスイ色の中華麺に
トレビスを中華麺と一緒に炒めると、麺がヒスイ色に変化して華やかな中華そばができます。
相性のいい調味料は?
ほのかな苦味があるので、酸味のあるフレンチドレッシングとの相性が抜群です。
プンタレッラの紹介
プンタレッラは、チコリの一種でイタリア・ローマを代表する冬野菜です。中は空洞ですがしっかりとした歯ごたえがあり、ほろ苦い味が特徴です。
日本での栽培は少ないですが、ローマと友好都市である宮城県などで栽培が進められています。11月から2月の短い間だけ市場に出回ります。
プンタレッラの下ごしらえ
プンタレッラを洗うときは、手で小さい株に分けて洗いましょう。洗い終わったら茎を潰して二つに裂き、水の中にさらしアク抜きをします。水につけるとシャキシャキの食感になります。
プンタレッラの豆知識
水にさらすとカール状に
プンタレッラは水にさらすと美しいカール状になります。きれいな葉の形を活かして、サラダにしては。料理が一層華やかになります。
美味しい食べ方
生のままサラダやバーニャカウダにして、アンチョビソースをかけていただくのがイタリアでの一般的な食べ方。
いつもとちょっぴり違うサラダや、ホームパーティーなどのおもてなし料理に挑戦したいときにとても便利なのが西洋葉物野菜です。特にチコリは日本のスーパーでも手に入りやすいうえ、葉に生ハムやクリームチーズをのせるだけでおしゃれな前菜が手軽にできておすすめの野菜です。まだ食べたことのない西洋野菜を見かけたら、ぜひ取り入れてみましょう。
参考:「野菜と果物の品目ガイド~野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)