薬膳の観点から見たアズキ
アズキの漢名は、赤小豆(セキショウズ)と言います。薬膳の世界でアズキは、五気は「涼」、五味は「甘」「酸」の性を持つとされる食べ物です。アズキの起源は非常に古く、『古事記』の食物創世神話にも登場するほどです。
アズキのおすすめのポイントは利尿作用
アズキの最も大きな薬効の一つが利尿作用です。そのため、あらゆるむくみの症状を軽減するとされ、古くから利用されてきました。むくみで苦しんでいる場合は尿の出がよくなるので症状が軽くなると言われています。
ダイエット効果も!
糖質の代謝を促進し、皮下脂肪の蓄積を防ぐビタミンB1を豊富に含んでいるので、ダイエットの補助食品として期待できます。効果的な食べ方はアズキを煮た煮汁を定期的に飲み続けることです。甘みはつけないのでそこは気をつけましょう。砂糖が入ったおしるこやあんこを食べても全くダイエットにはならないので要注意です。
アズキを常食する時にはハトムギも一緒に
アズキには利尿作用があるため、長時間常食していると肌が乾燥気味になってしまうことがあります。乾燥が気になるようでしたら、ハトムギとアズキを合わせて煎じて飲むことで解消できます。
アズキの薬膳的利用法
むくみ解消には
辛いむくみには、一日三回アズキを煎じて飲むのが有効です。一日分の分量は、アズキ30gを水540mlで煎じるのが効果的です。この時、ゲンノショウコを15g合わせて煎じると便通も整うため相乗効果で効果が高くなります。また、アズキ30グラムとコイ1匹を一緒に煮て、薄く味噌味か塩味をつけた汁を飲むとさらにむくみ解消効果は高まります。
ごはんがわりにアズキを食べると…?
むくみ解消の方法として、煮汁を飲む以外に、アズキに何の味もつけずに煮たものを白米の代わりに食べるという方法もあります。これだと、煮汁もアズキも無駄にしないで済むのでお勧めです。
乳の出が悪い時は
乳の出が悪くてお悩みの場合にも、アズキを煎じた汁を毎日お茶代わりに飲むことで解消されるという説もあります。
アズキを使った薬膳料理に挑戦!
食物繊維やビタミンB1を豊富に含むアズキを食べて美味しく美しくなれる薬膳レシピです。自然の甘味がこんなに美味しかったのかと驚くこと必至です。
「アズキとカボチャの煮物」
材料(2人分)
・アズキ 1カップ
・カボチャ 1/4個
・サツマイモ 1/2本
・昆布 10cm角
・三温糖 大さじ1
・塩 少々
・ハチミツ 大さじ1
作り方
1.アズキは洗ってボウルに入れて、水3カップに一晩浸します。
2.カボチャはタネとワタを取り除き、乱切りにして、サツマイモは皮付きのまま同じように乱切りにします。
3.鍋に昆布を敷き、アズキの戻し汁とともにアズキを入れて、弱めの中火で静かに煮ます。アクが浮いてきたらすくい取り、七分通り火が通ったら昆布をだしてカボチャとサツマイモを加えます。
4.ひたひたになるように水を加え、柔らかく煮込んでいきます。
5.煮て具が柔らかくなったら三温糖と塩少々を加えて味を整え火を止め、しばらくしてからハチミツを加えて混ぜたら出来上がりです。
薬膳の視点から見たアズキを紹介しました。むくみ解消、糖質の代謝を促すダイエット効果、乳の出をよくするなど、女性に嬉しいパワーが満載です。むくみが気になる方は、アズキの煮汁から普段からに薬膳を取り入れてみてはいかがでしょうか?
参考書籍:『台所薬膳 身近な食べ物135種の薬効を活かす』(万来社)