イカの漢名は「烏賊魚」
薬膳の五気は「平」、五味は「甘」に分類されます。漢名は「烏賊魚(ウゾクギョ)」です。
食用にされる部分は身と稀に墨の部分です。薬用とする場合墨袋も使用しますが、主とするのは甲の部分です。「海鰾蛸(カイヒョウショウ)」、「烏賊骨(ウゾクコツ)」などとも呼ばれます。
イカを食べるときの注意点
イカの身には血を補う効果があると言われ、婦人科系の症状でお悩みの方の補助食品として良く活用されます。
イカの墨は火で炙って乾かし、粉末状にして服用します。古来の書物である本草拾遺(ほんぞうこうもく)には、「主血刺心痛を治す」とあり、狭心症に応用されたことが記されています。
イカにアレルギーをもつ方は、多食するとじんましんを起こすことがあるので注意しましょう。また少し食べただけでも胃痛を起こす方がいますので、注意しましょう。
イカを美味しく食べる
イカは粉末にしてふりかけや出汁に使ったり、身を煮物にしてもおいしく頂けます。いろいろあるレシピの中から今回は、血行を良くし身体を温めるイカ飯のレシピを紹介します。
「紅花入りイカ飯」
材料(2人分)
・イカ…小2杯
・玄米…カップ1/2
・黒キクラゲ…2~3枚
・クルミ(殻付き)…3個
・紅花…大さじ1/2
・煮汁A[だし汁カップ2、しょうゆ大さじ1、三温糖小さじ1、酒小さじ1]
1. 玄米を洗い熱湯に一晩浸しておきます。
2.イカは足を内蔵ごと引き抜き、胴体の軟骨を除きます。内側をキレイに洗ったら水気を切ります。足は別に使います。
3.クルミは殻を外し、中身を熱湯に浸して竹串で薄皮を剥がしたら、細かく砕きます。黒キクラゲはもどしておき、みじん切りにします。クルミは殻付きのものの方が鮮度が保たれ、酸化しにくいのでおすすめです。
4.紅花は茶こしなどを使ってさっと洗い、目の細かいこし器に入れて水切りします。
5.水気を切ったゲンマイ、クルミ、キクラゲ、紅花をボウルに入れてよく混ぜます。それを2のイカの胴の7~8分目くらいまで詰めて、爪楊枝で止めます。
6.平鍋に煮汁Aのうちのだし汁としょうゆ少々を入れます。イカを並べて入れたら、火が通るまで中火弱で煮ます。煮えたら残りの調味量と、三温糖、酒と残したイカの足を加えて、10分ほどフタをして煮絡めます。
7.イカの姿煮に足を添えて並べます。ところどころに切れ目を入れると食べやすくなります。
薬膳は食べ物の働きを効率よく活かして生活に取り入れるための知恵です。また食べ物は身体作りに役立つだけでなく、健康増進や病気治療の補助療法としても役立ちます。ぜひ普段の食事に取り入れてみてください。
参考書籍:『台所薬膳 身近な食べ物135種の薬効を活かす』(万来社)