平地から高冷地まで
群馬といえば、コンニャクが有名ですが、コンニャクイモの生産においては、全国シェア率91.4パーセントと突出しています。その他にもキャベツやウメ、キュウリやミョウガもそれぞれ全国2位、3位の産地となっています。
群馬県では、平地から高冷地まで標高差のある土地で、季節に応じて様々な野菜を生産しているのが特徴です。群馬の郷土料理などと合わせ、群馬県食材を県内外にPRしています。
コンニャクイモ
特徴
利根郡昭和村、渋川市、沼田市、富岡市などが中心産地となっています。食物繊維であるコンニャクマンナンが豊富に含まれ、低カロリーの健康食品として親しまれています。
用途、食べ方
おでんやすき焼きなどに使われています。加工食品としては、板コンニャク、白滝、刺身コンニャク、コンニャクゼリーなどがあります。
生産状況
収穫量は全国1位であり、中山間地域で主に生産されています。
下仁田ねぎ
特徴
富岡市、甘楽郡下仁田町・甘楽町(かんらまち)で生産されており、加熱すると甘味が際立ち、一般に流通しているネギよりも太いことが特徴です。すき焼き、かき揚げなどの加熱料理に適しています。伝統野菜として古くから生産され続けており、晩秋から冬の時期のみに出荷されています。
名前の由来
下仁田地方を中心に生産されているために名付けられました。
生産状況
贈答用として贈られることが多いものの、量販店などでも販売がされています。季節の伝統野菜として安定した消費があります。
高原キャベツ
特徴
吾妻郡嬬恋村(つまごいむら)において、夏でも涼しく、昼夜の温度差が大きい高原の気候を活かして生産されているキャベツです。柔らかくて甘味があり、夏秋キャベツでは全国1位の生産量を誇ります。サラダ、炒め物、煮物などの料理で利用されています。
名前の由来
浅間山や白根山などの火山活動で出来た高原地帯で生産されることから「高原キャベツ」と命名されています。
生産状況
近年、消費量も伸びており、生産量は安定しています。収穫時期は6〜10月で、宮城県から沖縄県まで広く出荷されています。2013年に18万5,000トンが生産されています。
群馬昭和村の高原朝どりレタス
特徴
利根郡昭和村において、朝の暗いうちから収穫を始め、その日のうちに小売店に並べられるよう鮮度を重視しているレタスです。新鮮さを活かし、生食でおもにサラダなどで食べられています。
名前の由来
赤城西北麓の高原で、午前3時頃という朝早い時間から収穫されていることから命名されています。
生産状況
JAの野菜育苗センターから良質な苗が提供され、生産性の向上が図られていいます。一方で、レタス栽培者には若い後継者が多く、規模の拡大も進められています。2013年には1万8,066トンが生産されています。
キウイフルーツ
特徴
甘楽郡甘楽町、富岡市、甘楽郡下仁田町が主な産地です。あり、一般的な収穫のタイミングよりも収穫時期を遅らせるため、甘味が強く大玉であることが特徴のキウイフルーツです。よりおいしさを高めるため、収穫後も追熟処理をしてから販売しています。生食のほか、ソースとして魚や肉料理にも利用されています。
生産状況
抗酸化物質であるポリフェノールを豊富に含んでいるため、健康にも良く、消費量が増えています。果肉の色がゴールドの品種も、甘みが強く人気が高まっています。2013年には、298トンが収穫されています。
群馬の白加賀(ウメ)
特徴
高崎市榛名地区、箕郷地区、安中市などが主産地であり、東日本1位の生産量を誇ります。
生産状況
生梅の出荷は6月に、梅干しは一年を通して販売されています。2013年には約5,590トンが収穫されています。
梅の里上州豚とことん
特徴
安中市(あんなかし)で生産されている黒豚の血統を持つ豚とハイブリッド種を交配した豚です。飼料として県内名産の梅エキスを添加し、通常の配合よりも麦の割合を10パーセント程増やしたものを与えています。豚特有の臭みが少なく、きめ細かな肉質で焼肉、煮込み料理などに向いています。
名前の由来
梅の花が咲く土地としても有名な安中・榛名地区(あんなかはるなちく)のイメージから命名されています。
生産状況
県の補助事業によって銘柄豚グループとしての地位を確かなものとし、生産者は減少しつつありますが、良質な豚肉を安定的に供給するべく邁進しています。2013年に約4,400頭が出荷されています。
ぎんひかり(ニジマス)
特徴
桐生市、利根郡、吾妻郡で生産されているニジマスで、サイズが1キロ以上となる群馬県水産試験場で育種した品種です。あっさりと上品な脂が特徴です。刺身、スモーク、すしなど様々な料理に利用されています。
名前の由来
体の色が銀色に光り輝いていることから命名されています。
生産状況
群馬県養鱒漁業協同組合では、ギンヒカリ部会が設立され生産量は年々増加しており、より一層の品質の向上とPRに努めています。2013年には3万600トンが収穫されています。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものです。一つの目安としてご理解下さい。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)