宮崎県の特徴
宮崎県は九州の南東部に位置し、温暖な気候に恵まれています。この恵まれた気候を活用して、農業は標高0mから1000m間に広がる農地を活用して営まれています。全国屈指の農業県でもあります。
宮崎県では、キュウリ、マンゴーや肉鶏の一品種のブロイラー、豚、ピーマンなどで全国有数の生産量を誇っており、中でもマンゴーの認知度は非常に高く、県外の方からも人気があります。少ないものの、食味が良く希少価値の高い伝統野菜の生産にも力を入れています。
キュウリ
県内一円で栽培されていますが、宮崎市周辺が主な産地です。周年栽培がされていますが、冬春時期のハウス栽培が中心で、主に11月~5月に出荷されています。
色が濃く、シャキシャキとした歯ごたえがあるのが特徴です。サラダや一夜漬けなどで食べられるほか、宮崎県の郷土料理の「冷や汁」には欠かせない食材です。
完熟マンゴー「太陽のタマゴ」
宮崎市、西都(さいと)市などの県内でも平野なところで中心に栽培されていましたが、近年では中山間地でも栽培をされるようになりました。
太陽のタマゴの特徴は、樹上で100%完熟させてから収穫をしている点です。完熟した状態で出荷することによって、購入後すぐに食べることができます。
現在では夏場のお中元時期の需要期を狙い、出荷期間を拡大し、品質の向上にも取り組んでいます。
黒皮かぼちゃ(日向かぼちゃ)
冬春時期は宮崎市、夏秋時期は児湯郡川南町(こゆぐんかわみなみちょう)を中心に生産されています。黒皮かぼちゃは、日本カボチャの一種で、特産品として出荷されてきました。
まろやかな甘みと、ねっとりとした質感が煮付け料理に向いています。日本料理の最高級食材として人気を得ています。つやのない黒色をしているところから「黒皮かぼちゃ」とよばれていますが、宮崎県特産であることから「日向かぼちゃ」との別称もあります。宮崎県の郷土料理店では、生の千切りを刺身のけんとして使うところもあります。
佐土原なす
宮崎県に古くからある長ナスで、やわらかい果肉とほのかな甘み、果色が薄いことが特徴です。焼きナスにするとトロリとした食感を楽しめます。
江戸時代から栽培されていましたが、病気に弱く栽培が難しいため第二次世界大戦後に一度、栽培者が途絶えたことがあります。しかし、2000年に保管用の種を発芽させることに成功し、生産量も増え見事復活を遂げたナスです。
宮崎ヒノヒカリ
「陽の光(ひのひかり)」を意味した名前がついている宮崎ヒノヒカリ。「陽」の中には、太陽の「陽」の他にも、九州・西日本をイメージしています。
宮崎県総合農業試験場で研究された品種で、西南部、内陸地域を中心に生産されています。
宮崎ブランドポーク
飼育・衛生管理に関する基準をクリアした高品質の豚肉で、ハムやソーセージなどの加工品も作られています。豚によって与えられる餌が違うことにより、多彩な肉質を味わうことができます。
しゃぶしゃぶやとんかつなどに使われる他、ハムやベーコンなどの加工品にも利用されています。
みやざき地頭鶏(みやざきじとっこ)
味の良い地頭鶏という天然記念物を原型種として交配・改良された鶏。飼育期間は4~5カ月、1平米あたり2羽以下でのびのびとした環境で飼育されています。
弾力のある肉質と旨み、また歯ごたえが特徴です。
宮崎カンパチ
黒潮が流れる日向灘(ひゅうがなだ)は外海に面した良好な環境で、比較的高温を好むカンパチに適した環境です。肉質が均一で身の締まったカンパチを生産しています。2~4キログラム程度に育成したカンパチは、自動活けしめ脱血装置(※1)を使用して出荷され、鮮度維持に取り組んでいます。宮崎県の水産物ブランド認証品第一号となっています。
(※1)品質(鮮度、味、色)を維持するため、即座に血抜き処理を行う装置。
農業大国と言われている宮崎県。他県に比べて、耕地面積など決して条件がいいわけではないのですが、全国有数の食糧供給県としての地位を確立しています。宮崎県に訪れた際は、ぜひ特産物を買ってみてはいかがでしょうか。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。
※画像はイメージとなります。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)