鹿児島県の特徴
鹿児島県は離島を含めると南北600キロにもなる県土を持っています。全土が温暖な気候のため、園芸、茶などの農業や畜産、水産業が盛んです。また良質な農林水産物を使った加工食品なども多く生産されています。
主要農産物はイモ、オクラ、サヤエンドウ、肉牛でいずれも全国シェア1位(※)を誇ります。
鹿児島県ではかつて様々な伝統野菜が栽培されていました。第2次世界大戦後は一度衰退しますが、地産地消への関心が高まり復活することとなります。その中でも「桜島だいこん」は桜島の火山灰土壌で栽培されるダイコンで、鹿児島県の風土に根ざした野菜です。重さ20~30キロにもなり、世界一重たいダイコンとしてギネスブックに登録されています。
鹿児島県食材のブランド化
鹿児島県では安心・安全な農畜産物を出荷できる産地づくりを目指しています。鹿児島県内の19品目25産地を「かごしまブランド産地」として指定されています(※1)。
指定されていた産地で生産された農畜産物は「かごしまブランドマーク」を貼り、消費者のもとへと届けられます。
かごしまブランドには鹿児島黒牛、かごしま黒豚、かごしま茶、桜島小みかん、加世田のかぼちゃなどがあります。これらはすべて「かごしまの農林水産物認証制度」の認証を受けた野菜・果物です。
かごしまの農林水産物認証制度は、鹿児島県が定めた基準に沿って生産者が作業・記録・点検評価をしていく取り組みを、外部の機関が認証する制度です。
(※1)2017年5月時点での数値となります。
鹿児島県の名産品 サツマイモ
サツマイモは頴娃(えい)・知覧(ちらん)などの「かごしまブランド」産地を中心に栽培されています。5月の超早掘りからほぼ周年出荷されており、ホクホクした食感と甘みが特徴です。
また熊毛(くまげ)地域の種子島を中心に安納いもが栽培されています。甘みが非常に強いため、近年人気のある品種です。天ぷら、焼き芋、煮物など様々な料理に使用されます。加工品としては、サツマイモチップス、スイーツ、ジュース、アイスクリームなどが生産されています。
オクラ
指宿(いぶすき)・出水(いずみ)地域で栽培されるオクラは、温暖な気候を生かした栽培が特徴です。とくに指宿地域は全国でも有数の生産地です。
独特のネバネバには強壮効果も期待できるとされ、夏バテ防止に適しています。加工品では漬物(オクラ漬けなど)として利用されています。
かごしま茶
県内の各地で栽培されるかごしま茶は4月上旬~10月下旬に収穫されます。温暖な鹿児島県では茶の栽培が盛んで、南国特有の爽やかな香りが特徴です。
9銘柄(6茶販売業者)のお茶を「かごしま茶」に追加で指定し,かごしまブランド産品として指定した「かごしま茶」は計314銘柄(92茶販売業者)となりました(※2)。
(※2)2017年3月時点での数値となります。
紅甘夏
出水地域でかごしまブランド品目に指定されている柑橘類です。紅の濃い果皮と、ジューシーな果肉が特徴です。この紅色の濃い果皮とオレンジ色から紅甘夏と名付けられました。収穫時期は2月上旬~5月中旬です。
収穫後2~3カ月程貯蔵し、甘味が増してから出荷されます。ビタミンCと水分を手軽に補給できることや、疲労回復、酔いざまし、風邪の予防対策などに期待できます。
さつま地鶏
鹿児島県の在来ニワトリで天然記念物に指定されている「薩摩鶏」と「ロードアイランドレッド」をかけあわせ、育種改良した地鶏です。鹿児島県を象徴し、親しみやすい名前ということで公募の中からさつま地鶏の名に決定しました。
かごしま黒豚
県内全域で生産、肥育、出荷されているかごしま黒豚は、その見た目通り身体が黒いことから名付けられました。かごしま黒豚は、バークシャー種であり、かつ肥育後期にサツマイモを10~20%含んだ飼料を60日以上与えていて、鹿児島県黒豚生産者協議会の会員が、県内で生産・肥育出荷しものになります。
とこぶし
種子島を産地とするとこぶしは、周年獲ることができるあわびに似た巻き貝です。肉質はやわらかく、種子島の夏の風物詩として楽しまれています。一般的にとこぶしとして流通していますが、産地である種子島では「ながらめ」と呼ばれています。漁獲量は近年低迷していますが、資源回復のため稚貝の放流が行われています。
かごしま黒豚や桜島だいこんなど全国的にも有名な食材をはじめとして、県をあげて推進されている安心・安全なかごしまブランド食材が出荷されています。見かけることがあれば、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)