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アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~ヌートリア編~

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アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~ヌートリア編~

最終更新日:2018年10月10日

全国各地で野生動物の市街地や集落への出没が急増し、農家にとって害獣による被害は深刻です。平成28年度の農林水産省の調べでは、野生鳥獣による農作物への被害状況はおよそ172億円で、その8割が獣類、2割が鳥類(※1)となっています。代表的なイノシシ、シカ、サル、クマ、カラスの他、近年は特定外来生物による農作物への被害も拡大してきました。
「アブなすぎる害獣図鑑」第七回は、かわいらしい姿の大型ネズミ・ヌートリアの生態と農作物への被害、その撃退方法に迫ります。

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カピバラに似ているのに凶暴 半水棲のヌートリアは特定外来生物

害獣 図鑑

ヌートリアという名前の生物をご存じでしょうか? 見た目はカピバラに似て愛くるしい大型ネズミで、オレンジ色の前歯が特徴です。第二次世界大戦の頃、軍服用の毛皮養殖のために日本に輸入されたものが戦後に野に放たれて国内各地に棲み着き、今も繁殖が続いている南アメリカ原産の特定外来生物です。

もともと南アメリカの河川に生息しており、流れの穏やかな河川や沼地を棲家とし、泳ぎがとても得意です。基本的には夜行性で、前後の脚には鋭い爪があり、最大で直径30センチメートル、奥行き6メートルほどの巣穴を作ります。のんびり屋のカピバラとは違い、性格は凶暴で噛む力が強く、一夫多妻制で凄まじい繁殖力を持つやっかいものです。

※1 全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(平成28年):農林水産省

驚異の繁殖力で農作物を荒らす ヌートリアによる甚大な被害

害獣 図鑑

国内にはヌートリアの天敵がおらず、かわいらしい見た目から人間が餌付けしてしまうこともあり、日本の環境に適応して驚異的に繁殖範囲を広げています。そのため、生息域が重なる水鳥などの在来種とエサを巡って競合し、日本の生態系を脅かす危険性があります。

農作物への被害は甚大で、その被害額は全国で1億円とも言われています。ヌートリアは草食動物で、主に水辺の農作物や地下茎などを好んで食べるため、稲やカボチャ、白菜、大根、ニンジンなど、国内の多くの農作物が被害を受けています。

また、土手や堤防などに穴を掘って巣穴を作ったり、水面上に植物を集めて浮巣にしたりするため、田んぼや河川などが荒らされる被害や、電源ケーブルなどを噛んで断線させるなどのインフラ被害も発生しているようです。

防御柵と箱罠(はこわな)を使用 難敵ヌートリアを捕獲・駆除

害獣 図鑑

ヌートリアに有効な侵入対策は、田畑の周りに防御柵を設けること。その場合、柵の高さを60センチメートル以上に設定し、柵板のつなぎ目を完全に密閉することが重要です。1カ所でも脆弱な場所が見つかると、ヌートリアは学習してその部分に集中して侵入します。柵の下にネットを敷いて、下からの侵入を防ぐなどの工夫も必要です。

ヌートリアを捕獲するには、頻繁に行き来する移動経路を探り出し、箱罠を使用するのが効果的です。棲家となる水辺に木材などで足場を作り、箱罠を設置するのも効果があるでしょう。

ただし、ヌートリアは国から特定外来生物に指定されているため、特殊な手続きや許可なく捕獲・飼育・運搬することは原則として法律で禁止されています。そのため、捕獲・駆除がなかなか難しいというのが現状です。
こうした法律上の制約もあって繁殖に駆除が追いつかず、いまだに生息数が増え続けているヌートリア。日本の農作物と生態系を守るため、自治体と連携した綿密な計画と早急かつ適切な対策が必要となっています。

次回も深刻な被害をもたらす、農家にとっての意外な害獣を紹介します。
 
<参考>
※1 全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(平成28年):農林水産省

上記の情報は2018年2月20日現在のものです。

 
【アブなすぎる害獣図鑑】シリーズはこちら!

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