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ワンランク上の農業へ!役立つ資格の取り方・使い方~ビオトープ管理士~

連載企画:ワンランク上の農業へ!役立つ資格の取り方、使い方

ワンランク上の農業へ!役立つ資格の取り方・使い方~ビオトープ管理士~

自然環境を守り、持続可能な農業を続けていくには、さまざまな勉強をし、知識を身に付けることが必要です。そのひとつとして「ビオトープ」が考えられます。環境保全のための設計にも役立つものですが、どのようなものなのでしょうか。

「ワンランク上の農業へ!役立つ資格の取り方、使い方」第五回では「ビオトープ管理士」の仕事について紹介します。

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自然環境や生態系の知識を身につけ「ビオトープ」をつくる

「ビオトープ」とは、野生の生物や植物が生息する場所を指します。[Bio]は「生きものたち」、[Top]は空間をさすドイツ語です。ビオトープ管理士はビオトープの保全、再生を目指す技術者です。つまり、「ビオトープ管理士」は生態系や自然保護の知識を学び、実践的な技術を身につけたことを証明する資格なのです。

「ビオトープ管理士」の資格は「ビオトープ計画管理士」「ビオトープ施工管理士」に分けられています。ビオトープ計画管理士は農村計画などのプランを立てるための資格で、ビオトープ施工管理士は実際に現場でビオトープの設計、施工を行うための資格です。どちらにも1級と2級が設定されています。

試験前にセミナーを実施! 試験の一部が免除されることも

ビオトープ管理士資格の認定試験は、1年に1度ずつ実施されています。2級は筆記試験で合否を判断。選択問題に60%以上正解し、400文字ほどの小論文を提出して審査に合格すればビオトープ管理士の資格を得ることができます。1級は筆記試験に加え、記述試験、小論文と口述試験を実施。口述試験は面接官の質問に対し、適切に回答することが求められます。

合格率は2級が56%、1級が29%と高くはありません。しかし、試験を主催している日本生態系協会がセミナーを実施しており、試験の傾向と対策が学べますので、受験する方は要チェックです。また、協会が認定した大学を卒業している場合は試験の一部が免除されます。自分がどういう対策をすればよいのか、ホームページにアクセスし、確認してみるとよいでしょう。

自然環境の知識があれば新たな農法にチャレンジできる道が開ける!?

試験に合格した方は、農作地を維持するために何ができるか知識をもとに考えてみましょう。これから農作地を増やしたいと考えている方は、耕作放棄地を自身の手で再生することも可能です。

また、資格を活かして新たな農法にチャレンジすることもできます。例えば、現在アメリカで話題を集めている「アクアポニックス」という農法。魚の養殖と水耕栽培を同時に行うシステムですが、水を利用してハーブやトマトといった農作物を栽培できます。土壌づくりなどの時間や費用、場所を必要としない上に、高い位置に土台を置けば腰を曲げることもなく、体に負荷がありません。何より地球にやさしい形で農業を営むことができます。

自然環境の知識やビオトープの設計技術を身につけるビオトープ管理士。環境保全のために設立された資格ですが、取得することで農業の幅をぐんと広げてくれそうです。全国各地で試験が開催されていますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

<参考>
荒廃農地の発生防止・解消等:農林水産省

ビオトープ管理士 公式サイト|(公財)日本生態系協会

上記の情報は2018年2月20日現在のものです。

自然を作る アクアポニックス農法が示す循環型農業モデル

魚の水槽と水耕栽培が合体 無農薬野菜が育つ「アクアポニックス」とは

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