1.HACCPの基盤としての5S
HACCPを行う基盤として、まずは5Sをしっかり行う必要があります。余分なものがなく、余分な動作がなく、清掃・洗浄・殺菌を行い、常に清潔な工場でのみ、食品安全が担保されます。ここでは、ISO22000の前提条件プログラム(PRPs)と関連付けた5Sを説明します。
食品製造業用にカスタマイズした5S(以下、「食品製造業の5S」と表記)を図表1のように定義します。「清掃」に「洗浄」、「殺菌」を含め、「清潔」の定義に「異物混入を確実に防止する」を加えることがポイントとなります。

食品製造業では、「洗浄」「殺菌」は衛生管理の面から非常に大切な項目であり、企業によってはこの2つを加えて「7S」としているところもあります。
また、「清潔」の定義に「異物混入を確実に防止する」を入れることによって、衛生管理と5Sを一体化して活動することが可能になります。
推進手順として、食品安全委員会が5S委員会となり、従業員に向け事前準備と教育を行います。躾と並行し、整理→整頓、清掃(洗浄・殺菌)、清潔(異物混入防止)を進め、その後、定着化→清潔(きれいに保つ)と進めていきます。5S委員会の下、全社的に進めることがポイントです。
