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【第8回】HACCP運用に効果的な5S・VM

連載企画:JGAP・HACCPの基礎知識

【第8回】HACCP運用に効果的な5S・VM

HACCPシステムを構築したが、微生物の残存、毛髪・木片・金属片等の混入、賞味期限印字ミスなど食品安全にかかる不良・クレームの削減や、鼠族・昆虫の防除などについて、思うように成果が出ない場合があります。HACCPの基盤整備および継続的な運用が課題であり、それには、5S、VM(Visual Management:見える管理)が効果的です。

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1.HACCPの基盤としての5S

HACCPを行う基盤として、まずは5Sをしっかり行う必要があります。余分なものがなく、余分な動作がなく、清掃・洗浄・殺菌を行い、常に清潔な工場でのみ、食品安全が担保されます。ここでは、ISO22000の前提条件プログラム(PRPs)と関連付けた5Sを説明します。
食品製造業用にカスタマイズした5S(以下、「食品製造業の5S」と表記)を図表1のように定義します。「清掃」に「洗浄」、「殺菌」を含め、「清潔」の定義に「異物混入を確実に防止する」を加えることがポイントとなります。

[図表1.食品製造業用にカスタマイズした5Sの定義]

中部産業連盟

食品製造業では、「洗浄」「殺菌」は衛生管理の面から非常に大切な項目であり、企業によってはこの2つを加えて「7S」としているところもあります。
また、「清潔」の定義に「異物混入を確実に防止する」を入れることによって、衛生管理と5Sを一体化して活動することが可能になります。
推進手順として、食品安全委員会が5S委員会となり、従業員に向け事前準備と教育を行います。躾と並行し、整理→整頓、清掃(洗浄・殺菌)、清潔(異物混入防止)を進め、その後、定着化→清潔(きれいに保つ)と進めていきます。5S委員会の下、全社的に進めることがポイントです。

[図表2.食品製造業の5Sの推進手順と5S委員会の例]

中部産業連盟

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