ISO22000の前提条件プログラム(PRPs:Prerequisite Programmes)は、「安全な最終製品及び人の消費にとって安全な食品の生産、取扱い及び提供に適したフードチェーン全体の衛生環境の維持に必要な基本的条件及び活動」と定義されています。製品の製造環境、施設・設備の衛生管理、機械・器具の保守点検、従業員の衛生教育など、日常管理すべき衛生管理の一般事項と維持活動と同義です。この前提条件プログラムと食品製造業の5Sを関連付ける(図表3参照)ことで、一般的衛生管理を意識した5Sが実施できます。


2.VMによるHACCPシステムの継続的運用
HACCPシステム構築後、継続的に運用していかなければ、期待する成果は得られません。現場でVM(Visual Management:見える管理)を導入し、担当者の重要管理点の管理と、管理・監督者および経営者のレビューを継続的に行う仕組みを構築することが重要です。
まずは、全社の食品安全方針を設定し、事務所、朝礼場所、食堂など従業員全員が見えるように掲示し、食品安全の意識向上を図ります。
また、食品安全方針に沿った目標をHACCPと連動して設定し、食品安全方針と同様、従業員全員が見えるように掲示し、目標達成の意識向上を図ります。
