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スペインで「パエリア」米を探る!お米ライターが自腹レポート【前編】

連載企画:お米ライターが行く!

スペインで「パエリア」米を探る!お米ライターが自腹レポート【前編】

最終更新日:2018年11月07日

スペインといえば、パエリア。パエリアといえば「ボンバ」という品種のお米が有名です。でも、日本のお米といえばコシヒカリだけではないように、スペインでもきっとボンバ以外のお米もあるはず。実際にスペインの庶民の食卓ではどんなお米が使われているのでしょうか。パエリア発祥の地と言われ、スペイン米の一大産地もあるバレンシアへ向かいました。

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日本の八郎潟のようなスペインの稲作地帯

キャプション:アルブフェラ湖の稲作について説明するジョセップさん

バレンシアのアルブフェラ湖のほとりにあるエル・パルマール村は、稲作がさかんです。この村でお米を栽培している農家、ジョセップ・ロストール・フエンテスさんによると、田んぼはアルブフェラ湖を干拓して陸地化したため、現在のアルブフェラ湖はかつての5分の1の面積になったそう。まるで八郎潟を干拓してお米を栽培している秋田県大潟村のようです。

「さまざまなプランクトンがいる」(ジョセップさん)という緑色の湖水には藻もぷかぷか

エル・パルマール村では田んぼの水位が湖よりも低く、湖水を引いてお米を栽培しています。今のアルブフェラ湖は水門によって海水の流入を防いでいるため淡水となっていますが、かつては汽水湖だったため海水による塩害に悩まされていた時期もあったそうです。その事実を物語るように、地面には貝殻が落ちていました。ミネラルをたっぷりと含んだおいしいお米が育まれそうな土地柄です。お米が育つ湖水にも「さまざまなプランクトンがいる」(ジョセップさん)そうで、緑色の水はいかにも栄養豊富そうです。

「パエリアに最適」と評判のお米は不人気

自慢のお米「センダラ」を手にするジョセップさん

ジョセップさんにボンバのことを聞くと「ボンバは有名だけど、好きではない」と意外な返事。ジョセップさんが作っているお米は「センダラ」という品種で、「味も香りも良い」と言います。

ジョセップさんにボンバとセンダラの違いを聞くと、「ボンバはスープを吸う速度がゆっくりで、アルデンテ(少し芯が残った状態)のパエリアが作りやすい。一方で、センダラはすぐにスープを吸うので加熱中はちゃんと見ていないとすぐに柔らかくなってしまう」と教えてくれました。そして、「パエリアにはセンダラが合うと思っている」と言い切ります。「食感は硬すぎても柔らかすぎてもだめ。ボンバはいつまでも硬い一方で、センダラはアルデンテとソフトの中間のベストポイントが出せる。そのベストポイントこそが私の好きな食感なんだ」

とは言え、ジョセップさんの場合は、センダラが好きだからセンダラを作っているのか、センダラを作っているからセンダラが好きなのかがわかりません。というわけで、さらに他の人にも聞き込みを続けました。

大事なのは食感の「ベストポイント」

「パエリア向きのお米」と表示された「アルブフェラ」

次に訪れたのはバレンシア中央市場。お米やハチミツ、オリーブオイルなどを販売しているお店をのぞくと、今度は「アルブフェラ」という品種を見つけました。女性店員によると、柔らかいセンダラと硬いボンバの中間のお米。どんな料理にするのか聞いてみると、「パエリアに向くのは、ドライなタイプのアルブフェラとボンバ。センダラはメロッソやカルドソ(※1)のような汁気の多い料理に、アルブフェラはパエリア、メロッソ、カルドソいずれにも合うよ」と教えてくれました。
市場での価格を見ると、ボンバは他のお米よりも少々お高め。やはりブランド米のようです。日本で言う魚沼コシヒカリのような存在なのかもしれません。ところが、女性店員にボンバが好きかと尋ねると、「好きではない」とのこと。理由を聞くと、ジョセップさんとまったく同じでした。アルデンテすぎずやわらかすぎない「ベストポイント」が好きで、そのポイントはボンバでは出せないのだそうです。
(※1)カルドソは、汁気の多い“スペイン風雑炊”。メロッソはカルドソよりも少ないスープで調理するためリゾットのような外観。

というわけで、「ベストポイント」を探りにレストランへ向かいました。
【後編】に続きます。

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