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「おむすび権米衛」のおむすびが大きいワケ【後編】

柏木 智帆

ライター:

連載企画:お米ライターが行く!

「おむすび権米衛」のおむすびが大きいワケ【後編】

首都圏を中心に国内43店舗、海外3店舗を展開するおむすび店「おむすび権米衛」は、契約農家直送のお米を店内で炊き上げ一つ一つ手でむすんでいます。その大きさは具も含めて140グラムとコンビニおむすびの1.5倍。この大きさにも象徴されるように、目指すは一貫してお米の消費拡大。立ち上げ当初から農家が再生産可能な一定価格でお米を買い取るなど、生産現場の下支えにも貢献しています。国内のみならず欧米でも日本のお米文化を広めようと、2017年11月には海外3店舗目となるフランス・パリにもオープン。売上目標の代わりに設定しているお米消費目標は、現在の倍の2,000トンです。

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「季節感」と「郷土感」を大事に

おむすび権米衛は1999年の1号店オープン当初から、当時としては珍しかった玄米おむすびも展開。白米・玄米・混ぜごはんなどを取り揃え、現在のおむすびメニューは計40種類近く。炊きたてごはんを一つ一つ手でむすぶだけでなく、具材は店内でこしらえています。たとえば、鮭を半身ずつ焼いて皮と骨を丁寧に取り除き、梅干しの種を取り除き、「天むす」の具となる海老の天ぷらを揚げる。工場での一括調理ではなく1店1店での手作りにこだわっています。毎日大量のおむすびを作りますが、型は使いません。独特の厚みのある三角おむすびは、手むすびならではのふんわり感とあたたかみを感じられます。

「季節感」と「郷土感」を大切にしたおむすび(写真はすべておむすび権米衛提供)

メニュー開発で大切にしているのは「季節感」と「郷土感」。たとえば、「ツナマヨ」「チーズ」には醤油や鰹節を加え、「和風ツナ」「チーズおかか」というなじみやすい和の味わいに。さらに、月ごとに2種類ずつ季節のおむすびも登場します。「日本には季節のうつろいを食べものから感じる文化があり、各地の気候風土にあった郷土の食べものや食べ方があります。そうした食材をおむすびという小さな世界で表現しています」と話すのは、商品本部の木村優子(きむら・ゆうこ)さん。イメージしているのは「農家の台所」。味噌を具材にしたおむすびも「生姜味噌」や「からし味噌」など季節によって変えています。

こうした旬を大切にする日本的な要素が詰まったおむすび権米衛のおむすびは、日本のみならず海外でも受け入れられています。2012年を皮切りに現在はアメリカ・ニューヨークの日本人向けスーパー内に2店舗。そして、2017年11月にフランス・パリに海外初の路面店をオープンしました。

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