クラウドファンディングは行う時期も大切
第1回でクラウドファンディングはアイデアに対してお金を集め、前もって集めたお金でお返し(商品や作物など)を作り送ることができるシステムだとご紹介しました。これを読んで、やってみたいクラウドファンディングのプロジェクトが思い浮かんだ人も多いのではないでしょうか。
しかし、アイデアとひとことで言ってもさまざまな段階があるのです。段階を見誤ってクラウドファンディングを行うとせっかく良いアイデアや商品でも思うようにお金が集まらなかったり、プロジェクトを制作するのが難しくなったりしてしまいます。それではさっそく、その最適な時期について紹介していきましょう。
農業に関わるクラウドファンディングを行う最適な時期は
農業に関わる方がクラウドファンディングを行う場合、その多くが
・農地や加工所など設備を拡大するための応援を募る
・ジャムやジュースなどあらたな加工品を作るための応援を募る
プロジェクトになるのではないでしょうか。
今回はこの2つのケースに共通して言える、クラウドファンディングを始めるにあたって最適な時期をご紹介したいと思います。
加工所や農地などの設備を拡大したり、ジャムやジュースなどの加工品を作ったりする場合、以下のような段階があります。
①なにかしたいことはあるが具体的なアイデアにはなっていない「アイデアができる前の状態」
②設備の拡大や商品のアイデアを思いついた「アイデアだけの段階」
③実際に借りる農地や加工所にめどをつけたり、商品を一度作ってみた「アイデアを検討した段階」
④農地や加工所を借りることを決めたり、商品の施策を繰り返してサンプルがいくつかできた「アイデアが形をもった段階」
⑤農地や加工所を借りることが決まった後や、試作を繰り返して容器や見た目、ロゴなどが決まった「アイデアの形が決まった段階」
⑥実際に借りた農地や加工所の運用が始まった後や、商品を出荷し始めた「アイデアが実行にうつされた後」
テクニックによってはどの段階でもクラウドファンディングを行うことはできますが、初めてクラウドファンディングを行うのであれば最適な段階は、4または5の段階です。これより前だとお返しの商品や作物の画像を用意するのに苦戦してしまいますし、これより後だとなぜお金を集めているのかの意味が薄くなってしまいます。ポイントは、アイデアが形を持ち始めた頃で、それが出荷されたりオープン(店舗などの場合)される前であるということです。
お客さんの立場になって考えるのがクラウドファンディングのコツ
最適な時期は、どんな風に考えればいいのでしょうか。答えは、あなたの商品やプロジェクト、お店にきてくれるお客さんやファンの気持ちを考えればおのずとわかります。
例えばあなたがお客さんだったら、クラウドファンディングのプロジェクトを見る時、ロゴやパッケージが決まっていないものよりも、どんな形をしていてどんなデザインなのかがわかったほうが欲しくなるでしょう。このように、「自分がお客さんだったら」と考えると、最適な時期はおのずと決まってくるのです。
もちろん、これ以外のフェーズでどうしてもクラウドファンディングを行う必要が出てくる時もあるでしょう。その時はさらに高度なテクニックが必要ですが、クラウドファンディングを運営している人たちに問い合わせをしてみるというのもひとつの方法です。
写真:出川 光
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