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農家が教えるサツマイモの栽培方法 大きいイモがゴロゴロとれる育て方とは?

農家が教えるサツマイモの栽培方法 大きいイモがゴロゴロとれる育て方とは?

最終更新日:2018年11月08日

サツマイモは家庭菜園において最もポピュラーな作物のひとつです。必要な作業時間が少なく、一度でも栽培してみれば、片手間に植えて放っておいても、収穫のときに掘りに行けばできているという手軽さを感じるでしょう。それでいて掘り上げる作業自体を楽しめるので、園芸の楽しみだけを味わうならばうってつけの作目でしょう。しかし、「もっと大きなイモをとりたい!」「肌が綺麗なイモをとりたい!」「種イモから栽培してみたい!」と思うならば、それなりに植物の生理を理解しておかなければなりません。

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サツマイモの栽培時期

サツマイモの栽培時期は、下図のようになります。

サツマイモの“栽培暦”

※1 中耕:土が雨などの影響で固くなってくるため、株の周りを耕して土を軟らかくし、通気性をよくすること。
※2 土寄せ:畝間の土を株元に寄せる作業。除草も兼ねて行われるが、マルチング(土の表面をビニールやわらなどで覆うこと)している場合は省略する。

圃場(ほじょう)の選定

サツマイモ栽培はできるだけ“やせ地”が良いということはご存じでしょうか。前に育てた作物への肥料が残留していることによって、「つるボケ」と呼ばれる、葉ばかり茂ってイモが全く肥大しない現象が起きやすいのです。
そのため、でき得る限り肥料の効いていない“砂壌土”が理想です。粘土質など、過湿状態が続く土壌でも、つるボケになってしまいます。
ただし、サツマイモの栽培に慣れてきた方で、より多く、より大きなサツマイモを栽培したい方は、元肥・追肥の施肥に挑戦してみましょう。

施肥

園芸サイトや園芸雑誌などを見ると、「サツマイモは肥料を効かせない方が育つので、極力肥料を入れずに栽培しよう」と表現することが多いようです。特に窒素成分はつるボケの主因ですから、最も注意が必要です。もう少し詳しい情報として、カリウム成分がイモの肥大に大きく関わると表現していることもあります。
それだけ聞くと、窒素を全くやらずにカリウムだけ入れればつるボケもせず大きなイモがとれるように感じますが、実はカリウムだけがたくさんあっても、その半分程度の窒素がなければサツマイモはカリウムを吸収することができません。
例えば8-8-8(数字は窒素・リン酸・カリウムの割合を表します)の肥料をお持ちでしたら1平方メートルあたり500グラム程度を元肥、追肥として投与しましょう。
5-8-10などのサツマイモ専用肥料も市販されています。どれも窒素成分少なめで、その倍量程度のカリウムで配合されているはずですので、量が多いのであれば専用肥料を使うと良いでしょう。追肥は6月中に済ませ、遅れることのないように気をつけましょう。生育後半に肥効が続くと、イモの肥大が鈍くなります。

植え付け

家庭菜園では、購入苗からの植え付けが一般的です。種イモからの育苗に関しては後述します。

購入苗の植え付け

水平植え
オーソドックスな植え方。
先端だけ地上に出し、地表と平行に埋める。

船底植え
面積の少ない家庭菜園では最も多い、苗の両端を少し浮かせる方法。
節の深さが揃い、増収効果がある。

垂直植え
苗の根元だけを突き刺す。
植え付けの手間は少ないが、地中の節数が少ない分、収穫数は少なくなる。しかし、その分一つあたりの重量は大きくなる。

農業

畝幅は70センチ程度の比較的狭いものに30センチ間隔で1条(1列)植えするのが一般的です。スペースの問題があるなら幅広の畝に2条植えしても問題はありませんが、若干作業性が悪くなります。
畝高は高ければ高いほど良く、30センチが基準となります。
植え付け時の土の状態がサツマイモ栽培においては最も重要だと言っても過言ではないので、多少遅れたとしても、雨が降って2~3日後の土壌条件が良いときに深耕、畝づくりをしましょう。

農業

種イモからの育苗をしたい場合は

翌年までイモを貯蔵し、育苗から栽培することもできます。ただし、育苗に40日ほどを要し、夏野菜の一番忙しい植え付け時期に重なることもあって、苗からの栽培が一般的です。

農業

図のようなベッドをつくり、1平方メートルあたり10キロ程度の種イモを均等に並べます。その際イモは地面に対して15度程度傾け、イモの頂部を揃えて綺麗に並べておきましょう。
萌芽(ほうが)の適温は30℃と比較的高く、九州地方でも電熱線を地面に埋め込んで温度を保つのが一般的です。水を切らしてはいけませんが、過湿は厳禁です。次々と出てくるつるが30センチほどに成長したとき、2節ほど残して刈り取り、その刈ったつるを植え付けに使用します。畝への植え付けは購入苗と同様です。苗を保管している間に多少しおれますが、問題なく根付きます。

除草

サツマイモ栽培でもっとも重要なのは、なんと言っても除草作業です。サツマイモの作り方について、除草に重点をおいた記述を見ることは少ないでしょうが、放任されがちなサツマイモの失敗原因第一位は何といっても雑草管理なのです。
多少雑草が覆ってしまっても、草取りをすれば充分に楽しめる程度の収穫は可能ですが、芋づるが隠れる程に茂った雑草を引き抜くのは大変です。しかもその重労働が課せられるのは真夏になってしまいますから、誤ったタイミングの除草管理をして、「サツマイモ栽培は大変だ!」と思ってしまう人も多いようです。

栽培暦で作業時期を見てみると、植え付けしてすぐに除草・中耕作業が始まっているように感じます。サツマイモの除草作業は、植え付け後30日頃です。この時期を決して逃してはいけません。栽培暦の成長グラフを見れば一目瞭然ですが、植え付け後30日を過ぎたころから一気に葉茎が成長します。
この時期を逃すと雑草と芋づるが同化してジャングルになり、手がつけられません。除草に時間もかかり、虫や病気も大発生して、日当たりも悪くなりイモは小さくなって糖分もたまりません。真夏の高温注意報発令中にそんな草取りをするくらいなら、筆者は大して見込みのなくなったサツマイモはあきらめて部屋で甲子園でも観戦するでしょう。

逆に30日頃に終わらせると、雑草もさして伸びておらず、鼻歌まじりでちょいちょいと済ますことが可能です。しかもその後の生育もよくなり、すぐに畑一面を芋づるが覆うため、それ以降は雑草も生えなくなるのです。サツマイモの葉には太陽の光がまんべんなく降り注ぎ、光合成によって糖がたくさん生成されます。
ちょうど追肥の時期と重なるので、土寄せ、中耕と兼ねて終わらせてしまいましょう。
これでサツマイモ栽培の8割は終了です。甲子園予選が始まる時期ですよ。

病害虫

アブラムシやヨトウなどの葉を食害する害虫も頻発しますが、無農薬でも比較的栽培しやすい作物です。
最も注意したいのは「ネコブセンチュウ」。寄生型のセンチュウで、連作することで増加し、他の野菜にも寄生してしまいます。あまりに頻発して困る場合は、専用の土壌殺虫剤を近くの農協や園芸店で取り寄せましょう。なかなかホームセンターでは手に入りません。

収穫

地温が9℃を下回るとイモが腐敗しやすくなるため、霜が降りる前に収穫をしてしまいましょう。地表の芋づるを鎌で刈っておき、三つ又鍬やスコップでひたすら掘り上げます。スコップを突き刺してしまったイモは特別大きく立派に見えますが、逃した魚は大きいというだけのことです。イモに当たらないように少し離れた位置から穴を掘っていきましょう。
イモについている茎(なり首)を少し残しておくと貯蔵性が良くなります。

以上がサツマイモの育て方になります。
農薬散布もあまり必要とせず、手間もかからず、芋ほりを家族や友達と一緒にやるととても盛り上がる作物です。楽しい!を体験するためにうってつけのサツマイモ栽培をぜひお試しください。

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