新しい新規就農モデル 規格外のスケールで復興に励む町のエース

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新しい新規就農モデル 規格外のスケールで復興に励む町のエース

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最終更新日:2018年12月10日

福島県との県境にあり、町全体が沿岸に面している宮城県山元町。東日本大震災を経て復興を進めるこの町に、脱サラをして山元町へ移住し、大きな注目を集めている青年がいます。聞き馴染みのない「マコモダケ」を栽培し、就農5年目にして初年度の10倍以上の土地を借り、町の新規就農モデルとして奮闘する内藤靖人(ないとう・やすひと)さんにお話を伺いました。

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震災ボランティアをきっかけに脱サラ移住

内藤さんが農業を始めたきっかけは、震災ボランティアで山元町を訪れた時のこと。当時は埼玉県の会社に勤めていましたが、山元町の人口流出を目の当たりにし、復興のために若い力が必要だと感じて移住を決意したそうです。津波で浸水した沿岸部には、未だ手つかずの農地が多くありました。ボランティア活動を通じて町の人々との交流があった内藤さんは、スムーズに農地を借りることが出来ましたが、問題はその土でした。固く砂のような土は、とても作物を育てられるような状態ではなかったといいます。「近くの牛舎から牛糞堆肥を分けてもらうことにしました。自分でダンプカーを借りて運び、畑に混ぜて土を作るところから始めなければなりませんでした」。土作りが出来ても苦労は続きます。最初は、ニンニク、カボチャ、キャベツ、ニンジンの栽培から始めたそうですが、雑草の管理や水やりなど、毎日やらなければいけないことが多く、雑草を取りきれずに近所の方に注意されたこともあったそうです。一人で複数の野菜を作り続けることに限界を感じていた時、知り合いの方が薦めてくれたのが、マコモダケでした。

マコモダケは新規就農者向き?!

マコモダケはイネ科の多年草で、田んぼで栽培されます。知名度も生産量も少ない作物ですが、稲作が盛んだった山元町には休耕田が多く、マコモダケの栽培には適していました。
早速、休耕田を借りてマコモダケの栽培を始めると、野菜の栽培との違いを実感したと言います。「水切れをさせないように注意をする必要はありますが、基本的には植え付けの時と収獲の時に手をかけることが大切な作物です。収穫後は株の地上部が枯れて、翌年新しい芽が出ます。毎日管理をしなければならない野菜と比べて、労働時間は少ないですね」。珍しいマコモダケは話題性もありました。仙台市の直売所やレストランに卸すと、メディアの取材も増えてくるようになったそうです。「マコモダケを山元町のブランド野菜として定着させていきたいですね」。今は東京のファーマーズマーケットに出展するなど、マコモダケの販売に力を入れています。

日系アメリカ人らの支援団体から20万ドルの資金援助

山元町を復興させたいという内藤さんの想いは、多くの人を動かし始めています。山元町役場は昨年、複数の地権者が保有している空き地を農地として活用するため、町が地権者を取りまとめ、借り手を募集しました。そこに内藤さんが手を挙げ、およそ16500坪の土地を活用できるようになりました。現在は、事業計画の実現に向けて、町の農政班と相談をしながら進めているそうです。更にこうした内藤さんの活動は国境を越えて伝わり、日系アメリカ人らの支援団体から20万ドルの資金援助の話が舞い込んできました。一気に土地と資金の話が進んだ今、事業の実現にむけて“仲間”の必要性を感じているそうです。「作物の栽培もそうですが、一人で出来ることには限界があります。大きなことをしたいと思うと、やはり仲間が欲しいですね」。最近では農業に興味を持つ大学生ともネットワークを広げています。「農業が出来る人だけでなく、僕のアイデアを一緒に実現してくれる人や、行動に起こしてくれる人……色んな力が必要だと感じています」
そんな内藤さんに、今後の目標を聞いてみました。「山元町をもっと発信して、移住者を増やしたいです。そのためには僕が農業で成功し、新規就農者でも農業が出来ることを証明しなければいけない。プレッシャーもありますが、やるしかないです!」。震災ボランティア時代から一切ブレない内藤さんの目標は、人々の心を動かし、いま大きな力となって実現に向かっています。

内藤ファーム

国境超え農家にエール 米・日系3世タナカさんら被災地支援(河北新報)

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