アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~キョン編~

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アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~キョン編~

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アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~キョン編~
最終更新日:2019年10月17日

夜の繁華街にアライグマが出没して、警察官や消防隊員と大捕物を繰り広げたというニュースが話題になりました。アライグマに限らず、ヌートリアやタイワンリスなど、特定外来生物が繁殖して人里に現れ、農林水産業や生活環境、生態系に被害を及ぼすことが社会問題になっています。2017年度の農林水産省の調べでは、野生鳥獣による農作物への被害総額は約164億円。実はこれでも数年前からは減少傾向にあります。そんな中、あまりなじみのない特定外来生物の農作物への被害が拡大しているのです。
「アブなすぎる害獣図鑑」今回は、特定外来生物の小型のシカ、キョンの生態と農作物への被害、その撃退方法に迫ります。

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もともとは中国・台湾出身のキョン。14年間で約50倍に!

キョンという動物をご存じでしょうか。中国や台湾を原産とする小型のシカで、国内では動物園や観光施設から逃げ出したものが繁殖して定着し、特定外来生物に指定されています。現在、千葉県・房総半島南部と東京都・伊豆大島のほぼ全域で分布が確認されているキョン。驚くべきことに房総半島では14年間で約50倍に個体数が増え、農作物への被害が後を絶ちません。

キョンは、頭胴長約70〜80センチ、体高約40センチ、体重約10キロと、ニホンジカと比べてかなり小さく、愛くるしい目が特徴的。濁った声で鳴くホエジカ属の一種で、常緑広葉樹や種実類などを好み、ニホンジカよりも良質な食物を選ぶ傾向があるとされる草食性の動物です。単独で行動することが多く、それぞれになわばりを持っていることが分かっています。

千葉県、伊豆半島を中心に被害拡大中!

千葉県では水稲、イモ類、果樹の新芽などが被害を受け、2017年度の農業被害額は約239万円(千葉県農地・農村振興課による)にも上りました。伊豆大島では特産品の葉物野菜・アシタバへの被害をはじめ、椿油用のツバキやキュウリなどの食害が深刻です。

また、住宅地や民家への立ち入り、庭の植木や芝、花壇の花への食害、鳴き声による騒音、フンなど、生活環境への被害も報告されています。特定外来生物のため、その生態がまだ把握されておらず、繁殖の速度に対して捕獲が追いつかないことから、被害が拡大しているようです。

キョンから農作物を守る、その被害対策とは?

キョンからの農作物被害を防ぐため、まずは農地に寄せ付けないような環境整備をすることが大事です。農地周辺の草刈りを徹底して見通しを良くし、森林との境界線をはっきりさせましょう。果実や野菜くずをキョンの餌にされないよう、きちんと管理・処理することも大切です。

金網、ネット、電気柵などの侵入防止柵を設置する場合は、ジャンプ力のあるキョンが垂直に飛び上がることを考慮して、90センチほどの高さにするのが効果的です。

捕獲にあたっては、箱わな、くくりわななどを使用します。伊豆大島では2008年度から箱わな、くくりわなを使い、キョンの好物のアシタバを餌にして、けもの道にわなを設置したところ効果てきめん。千葉県ではカクレミノ、アオキといった常緑広葉樹が餌として効果を上げていることから、地域によって異なる餌の好みを見極めて対処することが、キョンの捕獲に役立つようです。また、忍び猟(獲物を追跡して忍び寄り仕留める猟法)など銃器による捕獲も行われています。

その昔、「八丈島のきょん!」というギャグが流行りましたが、月日は流れ、農家にとってキョンは笑って見過ごすわけにはいかない存在に変わりました。知られざる生態を探りつつ、さまざまな対策を講じることで、キョンから農作物を守っていきましょう。

これからも農家にとっての憎らしい天敵、アブなすぎる害獣に注目していきます。

参考
野生鳥獣被害防止マニュアル(中型獣類編)(PDF):農林水産省
野生鳥獣被害防止マニュアル -アライグマ、ヌートリア、キョン、マングース、タイワンリス(特定外来生物編)-:農林水産省
キョン 房総で大繁殖14年で50倍5万頭 農業被害拡大:毎日新聞(2017年4月13日)

 
上記の情報は2018年10月23日現在のものです。

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