トウモロコシは夏の直売所の重要野菜!
夏の野菜といえば何を思い浮かべるでしょうか? ナス? トマト? きゅうり? これらと並んであげられるのがトウモロコシ。甘くて栄養たっぷり、老若男女に愛される人気野菜です。
そして、トウモロコシは直売所にとって2つの意味で重要な野菜です。
1つは、比較的単価が高く、たくさん購入してもらえるので売上貢献度が高いという点。実際、私たちの直売所でも、旬である6月・7月には、トマトを抑えて最も売れる野菜です。
もう1つは、わかりやすく「おいしい」ものを提供できるという点。鮮度が良い状態で野菜を提供しやすい直売所は、もともとおいしい野菜を提供しやすいのですが、トウモロコシはとりわけ鮮度が命。とってすぐに店頭に並べられる直売所の優位性は大きく、お客様に支持されやすい野菜なのです。しかも、最近ではお客様も新鮮なトウモロコシはおいしいと認識しています。そのハードルは上がっていますが、そこを越えると、このお店の野菜はおいしいという印象にもつながるのです。一方で、そこを越えられないと、印象は悪くなります。
そんな、夏の直売所の最重要野菜、トウモロコシを販売する際に、私たちが重要だと考えていることを今回はご紹介します。
収穫適期を逃さない! 適期を過ぎたものは販売しない
トウモロコシは鮮度が重要。「今朝どれ」をすぐに食べると、甘みも食感も最高!というのは間違いないのですが、それはトウモロコシ自体の品質が高いことが大前提。
まず気を付けたいのが、私たちが「えくぼ」と呼ぶしおれのあるトウモロコシを販売しないこと、販売する際にはせめてB品としっかり表記することです。近年、夏には暑い日が続くことや皮が薄い品種が増えていることなどから、トウモロコシの収穫適期が短くなっており、「えくぼ」の入ったトウモロコシが出てきやすい印象があります。累積温度で熟度が決まると言われるので、真夏の高温が続くときは特に注意が必要です。
農家側は、暑い時期に収穫タイミングが来るトウモロコシの生産量を減らしておく、収穫適期が長い品種を選ぶなどの工夫が必要です。また、外から触ってわかるという方は良いのですが、その判断が難しい場合は、袋に入れる際に一部だけでも皮をむいて、中が大丈夫か確認して出すというのも有効。お客様も安心して購入でき見栄えも良く、一石二鳥です。
また、直売所側も販売時にチェックを欠かさない必要があります。農家さんによっては「エクボ」があるものも販売できると考える方もいるかもしれませんが、中が見えないトウモロコシ。購入してから失敗したとお客様が思わないように、販売するならせめて「エクボ」がある旨をPOPで伝える、シールを貼るなどするようにしたいです。ポタージュにするなどレシピによってはおいしく食べられるので、レシピも一緒に出すなどするのも有効です。
どんな品種か、その特徴をしっかりアピール
直売所の人気野菜ということもあるのか、種メーカーさんから数多くの品種が出ているトウモロコシ。農家の皆さんも、自分なりのこだわりを持って品種を選定していると思います。ですので、ぜひ品種名と特徴がお客さんにもわかるようにしたいところ。
例えば、当社の直売所では、皮が薄めで甘みが強い品種、皮がしっかりしていて甘味がほどほどの品種など、その特徴をPOPなどでお伝えしています。
たとえば、ある農家さんが毎年栽培する「ピクニックコーン」。小ぶりですがとにかく甘みが強く、生でもおいしいと評判で、毎年これを買うことを楽しみにしている方がいます。かと思えば、「キャンベラ」という昔ながらの大ぶりで皮のしっかりしたものを楽しみにしている方も。最近では、糖度がとりわけ高いホワイトコーンも人気です。トウモロコシは味の特徴がわかりやすいので、特に力を入れて説明をすることで、それぞれにファンが付く野菜なのです。
ぜひ、試食を用意して
そして、販売の上で、もっとも有効だと思うポイントは試食を用意することです。朝どれのおいしいトウモロコシはとにかく食べてみるのが一番。おいしさがわかりやすい野菜なので、効果はてきめんです。衛生管理には万全を期す必要がありますが、ぜひやってほしい方策です。毎回は難しいようなら、シーズン序盤にイベントを実施、その時に少しふるまうなどでも効果的。とにかく、いったん朝どれのトウモロコシのおいしさを知ってもらえれば、多くの方がリピーターになってくださる野菜です。
直売所経営において、重要な野菜であるトウモロコシ。直売所と農家がタッグを組んで、おいしい朝どれトウモロコシを多くのお客様に届けていきましょう!