シャキシャキ!レタスの育て方 最初の難関“発芽”から収穫までのポイントとは

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連載企画:農家が教える栽培方法

シャキシャキ!レタスの育て方 最初の難関“発芽”から収穫までのポイントとは
最終更新日:2019年09月13日

サラダには欠かせないシャキシャキのみずみずしいレタス。焼肉を巻いて食べるのに人気のサンチュもレタスの仲間です。俗にいうレタスは農業界では玉レタス(結球レタス)と呼ばれ、うまく結球しないなど問題が起こりやすいですが、結球しないタイプのリーフレタス(非結球レタス)なら初心者でも簡単。栽培適期が長く育てやすいうえに、少しずつ収穫しながら長期間楽しむことができます。

栽培時期

夏に食べるイメージが強いレタスですが、真夏に収穫できるのは日本では長野の高冷地などのごく一部です。生育適温は15~20℃と涼しいところを好むため、春と秋の気温が生育には適しています。種まきは家庭菜園では夏まきと秋まきをメインとし、秋から春に収穫を行います。暑いときの生育は「とう立ち」と言って花芽がついて葉が成長しなくなってしまうので、必ず品種に応じた播種(はしゅ)時期を守るようにしましょう。

播種、育苗

レタス栽培の最初の難関が発芽です。レタスの発芽適温は15~22℃と低く、25℃以上になると休眠してしまいます。よって、炎天下の夏まきでは、まいたはずの種が出ない……という事態が起こりやすくなります。そこでおすすめしたいのが、室内で発芽させてから植える方法です。水を含ませたキッチンペーパーにレタス種子を重ならないように広げ、上からさらに濡らしたキッチンペーパーをかぶせます。食品用の保存容器に入れて、クーラーの入った涼しい室内に置いておきます。約1日で根が出てくるので、それを土を入れた箱や、セルトレイ、ポリポットなどに植えてやります。

レタス種子をキッチンペーパーの上で発芽させます

この方法でも発芽しない場合は、催芽処理といって、冷蔵庫で休眠打破させる方法があります。やり方は以下の通りです。

  1. 種子を水に半日ほど浸し、ガーゼにとる。
  2. ガーゼが乾燥しないようにさらにポリ袋に入れてから冷蔵庫に入れる。
  3. 2~3日で白い根が出てくるので根が出たところでポットなどに植え付ける。

土に直接まく場合は、レタスの種はとても小さく軽いので風に飛ばされないよう注意します。レタスの種は「好光性種子」と言って光が当たることで発芽が促進されるため、覆土はごく薄く種がぎりぎり隠れる程度にします。水やりは覆土が流されないように、スプレーや穴の細かいじょうろで優しくかけてあげましょう。

芽が出たら、ポットまきは本葉が2枚出そろうまでに1~2回間引きし、1本にします。箱まきの場合は葉が重ならないように間引いた後、本葉2枚になったらポットに移植しましょう。暑さが厳しい時期には苗がしおれてしまうので、日中は寒冷紗(かんれいしゃ)などで遮光します。水はたっぷりやりますが、夕方にやると徒長(無駄に伸びること)しやすいので、夕方は表面が乾く程度にします。徒長すると定植後の生育も悪くなります。

農家の一口メモ

レタスの種は袋にたくさん入っているので余ってしまう、という方も多いと思います。そんなときは、ベビーリーフとして利用するのはいかがでしょうか。プランターや畑の小さなスペースに5センチ間隔に種をまき、小さな葉を収穫します。レタスよりもずっと短期間で、やわらかくておいしいベビーリーフを収穫することができますよ。新芽は残し外葉だけを切り取れば何回か収穫することができます。

植え付け準備

レタスの土壌酸性度の適正はpH6~6.5で酸性を嫌うため、植え付け1カ月前には堆肥(たいひ)と共に石灰を施しておきます。植え付けの数日前には化成肥料を入れ畝立てします。畝幅は45~50センチ(2列植えの場合は90~100センチ)を目安にします。レタスの根は浅く張るので、排水が悪いところでなければ畝は極端に高くする必要はありません。

レタスではマルチシートを使ったマルチ栽培が一般的です。マルチをすると土壌水分が保たれるほか、レタスの外葉が土に触れないため病気になりにくくなります。夏まきは地温上昇抑制効果のあるシルバーマルチや白黒ダブルマルチ、秋まきには黒マルチを使用します。

マルチをする場合は追肥しないので、すべて元肥として施肥します。玉レタス、リーフレタス、サラダ菜など、品種により肥料の要求量が異なるため、種袋の裏表示を参考にしましょう。

定植

本葉3~4枚のときに定植します。苗は定植前に水をたっぷり与え、深く植えないようにしましょう。植え付け直後は弱いので、夏場は朝植えると昼の暑さに耐えきれません。夕方の涼しい時間に植えるようにしましょう。株間は25~30センチを目安にします。株が小さいうちはしっかりと水やりするようにしましょう。春先に定植する場合は温度が低いのでトンネルをかけてあげます。

畝幅と株間、トンネル

追肥

追肥をする場合は、定植7~10日後ごろ、1回目の追肥をします。その2週間後に2回目の追肥をします。玉レタスでは葉色が薄く黄色っぽくなっている場合、結球が始まるころまでに3回目の追肥を終わらせるようにしましょう。レタスの葉は薄くて弱いので、肥料を入れるときは傷がつかないように気を付けます。傷が入るとそこからばい菌が入り、病気になりやすくなります。リーフレタスの場合は生育が早いので、玉レタスにくらべ早め早めの追肥を心がけます。

収穫

玉レタスは球がしっかり巻いてきたら収穫時期です。頭を手で軽く押さえて、包丁で切り取ります。結球開始から25~30日が目安です。取り遅れると味が落ちてくるので早めに取り終えましょう。また、結球すると寒さに弱くなります。マイナス3℃以下では凍害が発生し、葉の表皮がはがれるため、トンネルをかけて対処します。
リーフレタスは草丈が25~30センチになったら収穫します。サンチュやリーフレタスは外葉から収穫すると、どんどん葉が出てくるので長期間楽しむことができます。食べるたびに外葉を収穫して新鮮なサラダが食べられますよ。

主な病害虫

軟腐(なんぷ)病:独特な異臭を放ちながら葉が茶色く溶けていきます。病気になった個体から他の個体へとうつるので、見つけたらすぐに圃場(ほじょう)外に持ち出し処分します。

べと病:淡黄色の病斑が次第に拡大し、葉脈に囲まれたようになります。葉の裏側には白い粉状のカビが生えます。ひどいときには葉全体が枯れます。

アブラムシ:レタスの汁を吸いながら病気を媒介します。レタスを枯らすことは少ないですが、びっしりつくと売り物にならないのはもちろん、自家消費にしても洗って取り除くのに苦労します。

ヨトウガ・タバコガ:食欲旺盛で葉をもりもりと食害するため、小さい時期に被害にあうと葉がすべてなくなってしまうことも。殺虫剤などで早めに対処します。特に玉レタスは外葉が無ければ結球しないので注意が必要です。

チップバーン:縁腐れ症とも呼ばれる生理障害で、葉の周辺が焼けたように茶色くちぢれます。カルシウム欠乏によっておこるため、畑の準備のときにきちんと石灰を施すようにします。しかし、たとえ石灰を十分にやっていても夏場は必要量を吸い上げきれず発生しやすくなる症状です。

アブラナ科のハクサイやキャベツに比べれば、キク科のレタスは虫の害も少なく、育てやすいと言えます。また、植えるスペースがないという人も、最近はLEDライトを利用して室内で水耕栽培ができる栽培キットも販売されており、手軽に挑戦できるようになりました。赤みの強いサニーレタスや見かけもかわいいフリルレタスなど、さまざまな種類を選べるのも楽しみの一つです。ぜひレタス栽培に挑戦して、自分で育てた取れたてフレッシュな食感を味わってくださいね。

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