キットを使った簡単ショウガ栽培
話は半年以上前の3月中旬にさかのぼります。
春の気配を感じて種まきが待ち遠しくなる頃、我が家に一つの荷物が届きました。開けてみると、中身は以前に記事でも紹介したショウガ栽培キット。4月からの植え付け適期を控えて、四国は四万十町からはるばるやってきたのです。
キットには、種ショウガのほか、培養土、フェルトプランターに肥料、栽培方法を記したパンフレットが入っていました。これさえあれば、他に必要なものは水くらいで、初心者でも簡単に挑戦できそうです。
ショウガ栽培は、ある程度の日当たりは必要なものの強すぎる日光を嫌い、少し日陰もある場所が生育に適していると聞きます。今年は日陰でも育つ野菜としてミョウガ栽培を始めましたが、ショウガはそれよりは日当たりを好む野菜側に一歩寄っている感じでしょうか。我が家の栽培環境を確かめるのにミョウガ、ショウガのセット栽培はちょうどいいのではないかと興味を持っていました。
キットの販売元によると「地域の桜が咲いた後が植え付けの目安」と言います。例年以上に桜の咲き具合に注目しながら、その時を待ちました。
<4月〜>植え付け、水やり
4月上旬、東京の桜がほぼ散ったのを確認してから植え付けました。付属パンフレットの栽培方法によると、プランターに土を入れショウガの芽が出ているところを上向きに置くと言いますが──。
この時点では芽は出ていないようでした。そのため、少しとがっていて芽が出そうなところに見当をつけ、その部分が下にならないように植えました。
また、この時はプランターの縁に近いところまで土を入れてしまってから植えたのですが、実際は半分くらいまで土を入れたところに置いて5センチ以上は土を被せると良いようです。新ショウガは種ショウガの上に付くので、浅い場所に植えると育ってきた新ショウガが土からはみ出してしまうのです。
最後にたっぷりの水をやりました。植え付け後は、土が乾かないように毎日水をやります。積算温度と水分量が一定量に達すると芽が出てくるそうです。
<5月〜>追肥、土寄せ
栽培方法には「40〜50日で発芽するので、その後は本葉が2〜3枚になる頃から2〜3週間に1度のペースで追肥を行う」とありましたが、我が家のショウガが発芽したのは6月に入ってからのことでした。
しかも、やっと一本出てきたと思ったら、一本がやたらと伸びてしまいました。次の芽がなかなか続かなかったせいか、あるいはもう少し日光が欲しかったのかもしれません。その後、遅れて何本かの芽が出てきました。
<8月〜>葉ショウガの収穫
ショウガの収穫は、7〜8月ごろに葉ショウガ、10〜11月ごろに根ショウガの年2回。一般的には、葉ショウガに向いているのは小型種で、根ショウガには大型種が向くとされています。
我が家のショウガはどのタイプだったのかよく分かりませんが、そもそも茎の本数が少なかった。一つを折ってしまうだけでも生育が鈍ってしまいそうで、葉ショウガを楽しみたい気持ちはぐっと我慢しました。
<10月〜>いよいよ根ショウガの収穫!
すると、9月頭には新ショウガが土の表面に顔を出してきました。鼻を近づけてみると、しっかり漂うショウガの香り!
ここからもう少し頑張ってもらうため、そっと土を被せてさらに1カ月以上待ちました。
そして、いよいよ収穫!
茎が出ている周りをいくらか掘って、そうっと引き上げると……しっかりできています! 大量収穫とまではいきませんでしたが、正真正銘、我が家産の新ショウガです。
新ショウガを味わう
何はともあれ天ぷら!
新ショウガを手にしたら、何はともあれ天ぷらです。まずはこうして味わおうとずっと前から決めていました。早速、とれたてのショウガに衣をつけて揚げたてを頰張ると……。
う、うまー! 香ばしさの後からやってくるショウガの香りが口いっぱいに広がり、鼻の奥まで行き渡るよう。このおいしさが分かるくらいには大人になってよかった……。
ホンマもんのジンジャーエール
とはいえ、子どもにショウガの天ぷらは少々難しいので、少ない残りはジンジャーシロップにしました。きび砂糖を使ったせいか、茶色く何かの煎じ薬のような見た目になったのですが、炭酸水で割るとジンジャーエールらしい色合いに。このホンマもんのジンジャーエールは、子どもも喜んで飲みました。
心も体もぽかぽかの秋冬を
キットを使ったショウガ栽培をし、新ショウガを存分に味わいました。振り返ると半年に及ぶ長期栽培だったのですが、水やりと追肥以外はほとんど手間いらずのまま収穫に至ったので、楽しくおいしい思いをしたという印象しかありません。
新ショウガはあっという間に消費してしまいましたが、残った種ショウガも薬味や料理に使えるそう。ますます寒くなる冬に向け、積極的に料理に取り入れてぽかぽかの冬を迎えたいと思います。
◆次回、寒い冬に心ひかれてしまった栽培グッズとは?