終わる命、巡る命。ベランダ畑で生まれた生態系【脱枯れ専のベランダ畑】

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終わる命、巡る命。ベランダ畑で生まれた生態系【脱枯れ専のベランダ畑】

連載企画:脱枯れ専のベランダ畑

終わる命、巡る命。ベランダ畑で生まれた生態系【脱枯れ専のベランダ畑】
最終更新日:2020年03月06日

野菜を自分で育ててみたいけれど、植物は枯らしてしまうばかりの“枯れ専”だった──。そんな世話下手が始めたベランダ菜園。2年目のシーズンもさまざまな失敗や成功がありました。それらは随時、記事で報告してきましたが、いまだ着地点を見出せないまま試行錯誤を続けているものもあれば、書ききれなかった小さな驚きや発見も多々ありました。今回は、そんな失敗や事件の数々をかいつまんでお届けする【脱枯れ専のベランダ畑】最終回!

ベランダ菜園「あるある」?

まずは一つ、ベランダ菜園奇譚(きたん)とでもいきましょう。

7月頭のある日のことです。茎ブロッコリーのプランターに水やりをした際に、視界に奇妙なものが飛び込んできました。よく見てみると……んん?

茎ブロッコリーのプランターだが、よく見ると……

見慣れない黄色いキノコが出現

キノコです。思わずハッとするような黄色いキノコ。そう気づいて見渡してみると、シシトウのプランターからも、姿形の異なるキノコがひょっこり顔を出しているではありませんか。

シシトウのプランターに生えたキノコ

一晩でニョキニョキいくつも生えてくる

梅雨時期のことです。少し調べてみると、プランターからキノコが生えてくることは、それほど珍しいことでもないようなのですが、2年目にして初めての経験。食べられるものか分からないので何度か取り除くうちに梅雨が明けて生えなくなりましたが、今年はこういった小さな驚きがいくつもありました。

ベランダに生態系が生まれた日

満腹になった日曜日のアオムシ

例えば、秋に島ニンジンの葉を丸ハゲにしてくれたアオムシ。その後、別の葉物のプランターでも何匹も発見したのですが、最後は鳥害対策のためにネットをかけた芽キャベツのプランターの中にまで1匹の腹ペコが侵入し、青々とした葉を“独り占め”。

鳥に食われ、さらにアオムシにも食われた芽キャベツ

被害が続いているようでどうもおかしいと気がついた時には、すでにサナギになっていました。その後、2週間近く経過しても羽化しないのですが、ある日チョウ(または蛾)になってプランター内に羽ばたくことがあるのでしょうか。目が離せません。

アオムシがサナギになっていた

ベランダが自然の一部になった⁉︎

また、今年経験した大きな格闘と言えば、アブラムシです。対策のためにプランターに張ったネットの中にまで入ってきて、結局枯らしてしまったものもあったのですが、アブラムシが寄り付くようになって、それを食らうテントウムシやクモも出るようになりました。

さらに、トンボやチョウ、鳥などもやってくるようになったと思ったら、しまいにはこんな生き物に遭遇。

すぐ逃げてしまったが、いまもどこかに潜んでいるのか……

なんと、ヤモリ。どこから侵入したのかと一瞬、ぎょっとしましたが、多様な生き物がくるようになって、無機的だったベランダが少しずつ自然の中に取り込まれていっているような、なんとも感慨深い気持ちになったのも否めません。

ただし、集合住宅なので、それを嫌がる人もいるはずで、栽培量を少々抑えて周りに迷惑がかからないようにしなければいけないと反省もしました。

失敗のまま終わった室内栽培

いまだに成功しないまま、試行錯誤を続けているのが室内栽培です。外だと虫が付くとか、冬は寒くて育たないといった問題から逃れるため、小さな鉢を使って室内で育てる実験をずいぶん前に始めたのですが、日照不足でうまく育たず。

鉢を窓に貼り付ければ、室内でも最大限に光を取り込めるのではと考えたりして、アレコレ試しているのですが、これまでに成功したものはありません。育成ライトを使えば簡単なのかもしれませんが、もう少し試行錯誤してみようと思います。

吸盤を使ってハンギングポットをつるしてみた

命が巡ることを実感した栽培

新しい芽を出したアイスプラント

枯らして終わってしまった野菜がある一方、次シーズンに“持ち越し”になった野菜もあります。

例えば、春から栽培し、新しい出会いと新鮮な驚きをもたらしてくれたアイスプラント。何度も刈り取って食べた後、茎が残って枯れていたのですが、よく見ると、茎に残ったサヤから種が落ちて新しい芽が出ていました。

茎を残して栽培を終えたアイスプラント

よく見ると新しい芽が出ていた

面白いのは、この種を収めたサヤで、乾燥している状態では閉じているのですが、水をかけると開いて種を落とします。植物の知恵だなあと驚き、感心。いまも少しずつ成長しています。

乾燥した状態(写真左)と水に濡れて開いた状態(写真右)

大きくなった葉をときどき刈り取りながら栽培中

取り除いた種から育てたパプリカ

そして、料理で取り除いた種から育てたパプリカ。最初につけた実が尻腐れ病のようになったところまではお伝えしましたが、土に対策を施し、その後は病気のないきれいな実がつき、いくつも食べることができました。

さらに、今年ついた実の種も取っているので、再び芽を出して実をつけるまでに育つのか、試してみるのも面白いかなと思っています。

キレイな黄色い実をつけた

今年つけた実からさらに種を採取した

春を待ってお休み中の野菜たち

そのほか、昨年失敗したイチゴ栽培は、またリベンジするつもりで植え付けてあって現在休眠中。多年草のミョウガは来年に向けて、今年の葉や茎を取り除いて堆肥(たいひ)をのせておきました。

たくさん育てた夏野菜のうち、白ナスとミニトマトのプランターは一部を残し、2年目も引き続き収穫できるか試してみるつもりで越冬中です。

リベンジ中のイチゴ

枯れ専は続くよ、どこまでも

そんなわけで、栽培への興味はまだまだ尽きませんが、「脱枯れ専のベランダ畑」はこれでおしまいです。

2年目のシーズンを始めるにあたって付けたタイトル「脱枯れ専」の「脱」は、「枯れ専」を半分脱したという観測であり、完全に脱したいという希望を込めたものでもありました。その名の通りと言うべきか、今年も三歩進んで二歩下がるような成功と失敗の繰り返しを経験。結局、枯れ専などでは全然ないと胸を張って言えるほどの上達には至りませんでした。

でも、それでいいといまは感じています。栽培上手への道は一日にして成らず。性急にゴールにたどり着こうとせず、一歩一歩ゆっくり歩みを楽しめばいいのではないか、と。

まだまだ道半ばです。それどころか、やっと歩き始めたばかりですが、この先は趣味として細く長く続けていきたいと思っています。2年間でたくさんの野菜と出会いましたが、まだ出会っていない野菜も数えきれないほどあります。そんな野菜たちとの出会いと、種まきの春を待ち望みつつ。

◆お読みいただきありがとうございました!

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脱枯れ専のベランダ畑
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