栽培カレンダーに沿って見ていきましょう。
カボチャの種まき~育苗
カボチャは比較的種からでも栽培しやすく、安価で手に入りやすいので、種からの栽培をおすすめします。
畑に直接まいてもよいですし、ポットにまいておいて、育苗して植え付けても構いません。育苗した方が、種も無駄になりませんし、経済的で収穫期間も長くなります。
ポットまきの場合は、3月に一粒ずつまいて、本葉が4~5枚くらい出た5月上旬頃に畑に植え付けます。畑に直接まく場合は、霜が降りなくなった4月下旬頃に、一カ所3粒ほどまいて、発芽した後に一カ所1本に間引きしましょう。
カボチャの土づくり
カボチャの栽培は、かなり広い面積を必要とします。株間が70センチ間隔で、3メートルほど横につるを伸ばしていきます。ただ、土づくりは植え付ける部分だけ(畝の範囲)
にすればよく、最悪畑の端に植えて、つるを伸ばす先は畑の外でも構いません。
植え付け2週間前には、1平方メートルあたりに堆肥(たいひ)10リットル、苦土石灰50グラム程度を混和して耕し、1週間前には化成肥料50グラム程度を混ぜて畝を作ります。
肥料が効きすぎることで失敗する場合が多いため、前作の肥料が残っている場合は、元肥の肥料を何も入れずに始めた方が良い場合も多いです。
カボチャの植え付け
おおよそ80センチ間隔で植え付けます。
本葉が4枚程度、育苗を始めてから30日で植え付けるようにしましょう。それ以上ポットに置いておくと根が回って以降の生育が悪くなります。
カボチャのつる管理 整枝・摘心・仕立て方
カボチャの仕立て方は何種類かあるのですが、ここでは最も簡単な「主枝仕立て」と収量の多い「側枝仕立て」を紹介します。
主枝仕立て
伸びている親づる(主枝)をまっすぐ一本に伸ばす方法です。
考え方は単純でわかりやすいのですが、子づる(わき芽)が発生するたびに除去していかなくてはなりません。早くから収穫できます。
側枝仕立て
親づるについている葉が4枚になった時点で摘心してしまいます。
すると行き場のなくなった養分がわき芽(子づる)に回され、子づるが伸び始めます。子づるの長さが50センチを超えだしたくらいで、状態の良いつるを3本選び、それ以外の子づるは除去します。
3本の子づるを伸ばしていき、それぞれに着果させながら栽培します。
どちらの仕立て方にしても、つるがはう場所には敷きわらをしたり、ネットで空中にはわせたりしましょう。直接地面にはわせると、雑草に埋もれたり、風通しが悪くなったりして病害虫の被害が多くなります。
カボチャの人工授粉
カボチャはそのままでも受粉しないことはないのですが、一番花が咲く時期はまだ虫も少ないので人工授粉をしてあげましょう。また、近年の盛夏期の高温下でも受粉しづらいことがよくあります。どんな状況であっても、人工授粉をしてあげれば高確率で着果するので、できるかぎり授粉してあげましょう。
雌花の近くにある雄花をとって、雄しべを雌しべにちょんちょんとつけてあげましょう。雌花だけが花の根本に小さなカボチャの赤ちゃんがついているので一目でわかります。
カボチャの追肥
草は元気なのにカボチャがならない、という相談は非常に多いです。
カボチャ栽培において最も多い失敗例は、「つるぼけ」と呼ばれる現象で、葉っぱは青々として元気が良いのに花が咲かない、咲いても雄花ばかりで雌花が咲かない、といったものです。
基本的には肥料の効きすぎであることが多いため、追肥をやめておけば、弱りだした頃に必ず雌花が咲きます。
順調に生育しているときは、着果が揃ってきたころ、玉の大きさが卵くらいになった頃に一握りの化成肥料をつるの先に与えます。
カボチャの玉まわし~収穫
カボチャは地面に接している状態だと、湿気により腐ることがあります。敷きわらがしっかり敷いてある場所に置いておきましょう。
また、日に当たらない部分だけが色がつきにくいので、収穫10日前くらいに、横に転がっている玉をまっすぐ上に立ち上げます。
収穫適期は、受粉日からおおよそ45日程度(品種により変わります)で、果梗(かこう)、つまり実につながる柄(え)の部分が白くコルク状になっていれば大丈夫です。
収穫したカボチャは10日程度、風通しの良い場所に並べて乾燥させましょう。収穫直後よりもしばらく保管した後の方が糖度が高くなります。
カボチャの病害虫
カボチャは病害虫が少なく、大変つくりやすい作物です。
必ずかかると言ってもいい病気はうどんこ病ですが、多少発生しても植物が弱り収穫量が減少する程度で、果実には大きな影響がありません。
畝を高くしておくこと、雑草を茂らせないことで、十分に無農薬も可能だと言えるでしょう。
以上がカボチャの栽培です。かなり簡単な作物ですので、スペースさえあれば、お気軽に試してみてください。